Matsunaga TSA-1030-CJ User manual

ウガンダ共和国
建設交通省
(MOWT)
ウガンダ国
大カンパラ都市圏
道路網および交通改善計画調査報告書
信号機操作および管理マニュアル
和文要約版
平成 22 年 11 月
(2010 年)
独立行政法人 国際協力機構 (JICA)
日本工営株式会社
株式会社エイト日本技術開発

TOC-1
信号操作および管理マニュアル
和文要約版
目次
第一部 計画マニュアル
1.1 はじめに ..............................................................................................................................1-1
1.2 信号機の役割.......................................................................................................................1-1
1.3 信号機の現示.......................................................................................................................1-1
1.4 信号制御の種類...................................................................................................................1-3
第二部 定期点検マニュアル
2.1 信号設備の保守点検 ...........................................................................................................2-1
2.2 電源施設の保守点検 ...........................................................................................................2-2
2.3 点検シート ..........................................................................................................................2-3
第三部 操作マニュアル
3.1 電源設備 ..............................................................................................................................3-2
3.1.1 定電圧電源装置 .............................................................................................................3-3
3.1.2 自動起動式発動発電機................................................................................................3-20
3.1.3 無停電電源装置 ...........................................................................................................3-25
3.2 信号設備 ............................................................................................................................3-30
3.2.1 A04-Type Multi-Plan System for 240V (Kyosan) .......................................................3-31
3.2.2 A04-Type Multi-Plan System for 100V (Kyosan) .......................................................3-39
3.2.3 Type-CF4200 (TSEC)..................................................................................................3-50
3.2.4 連動操作 ......................................................................................................................3-61

1-1
第一部 計画マニュアル
1.1 はじめに
交差点では、車が合流、分流、あるいは交差し、これに歩行者も加わり複雑な交通現象
を起こします。もし、信号機がなければ、さまざまな方向から走行する車であふれ、歩
行者は待つことを余儀なくされます。信号機は、このような状況を改善するために大切
な役割を果たしています。
1.2 信号機の役割
(1) 信号機の役割
¾交通事故の防止
¾スムーズな交通流の確保
¾交通環境の改善
(2) 信号機の設置基準
日本の信号機設置基準では、以下の6つの条件にあてはまる場合に信号機が設置されます。
¾交差する道路相互の道路幅員が広く、交通量が多い場合
¾歩行者の横断が多い場合
¾交通事故の防止に効果的な場合
¾学童の横断および視覚障害者の横断が考慮される場合
¾病院等の公共施設付近
¾自転車交通の管理が必要な場合
(3) どのように交通現象をとらえるのか
信号機を制御するには車の動きをとらえる必要があります。この情報を得ないことには、
最適な制御はできません。具体的には以下のようなデータにて交通現象をとらえます。
¾交通量
¾旅行速度
¾交通密度
1.3 信号機の現示
(1) 現示とは
異なった方向の交通流は、信号機により順番に通行権が与えられます。すなわち、青信
号の表示により特定方向の車と歩行者のみが通行できます。この一群の交通の流れに通

1-2
行権が与えられる時間帯を現示といいます。
(2) 制御のための3つのパラメーター
信号機を点灯する場合、タイミングの設定が重要になります。そのタイミングの表しか
たには、「サイクル」、「スプリット」、「オフセット」の3種があります。
(3) クリアランス時間とは
信号機の現示の変わり目には、両方向から走ってくる車が衝突しないようにすることが
必要です。したがって、この現示の変わり目には、交差点内の車両を一掃するための時
間を設けています。この車両一掃に必要な時間を「クリアランス時間」といい、黄信号
と全赤信号でつくられています。
(4) 歩行者横断時間
歩行者青時間と青点滅時間は、歩行者が道路を安全に横断するためのものです。
歩行者青時間が短すぎると歩行者が渡りきれず、また長すぎると、右・左折車が交差点
に滞留し、渋滞の原因となります。したがって、歩行者青時間は適切に設定する必要が
あります。
(5) 信号の現示
右左折車があまり多くない場合には、主道路方向と従
道路方向の現示を交互に表示します。十字路交差点の
標準的な灯器配置は、右図のようになります。1と2は
車両灯を示し、1Pと2Pは歩行者灯を示します。1と1P
は主道路方向の現示を表示し、2と2Pは従道路方向の
現示を表示します。
信号現示の切りかえタイミングをステップといい、2
Phase2
BranchRoad
Main Road
1P
1P
1P 1P
2P
2P
2P 2P
1V
2V
1V
2V

1-3
現示10ステップの信号機が最も一般的なものです。この切りかえのタイミングを表現す
るのに、下図のような現示図を使用します。
Step 12345678910
1P
1V
2P
2V
Time (s) 45 5 5 3 2 25 5 5 3 2
Phase Pedestrian Flow
Vehicle Flow
Vehicle and/or Pedestrian Green-light
Flow Vehicle Yellow-light
Vehicle and/or Pedestrian Red-light
Pedestrian Green-light blinking
12
1.4 信号制御の種類
(1) 地点制御(多段制御)
交通量は朝・昼・夕、また、平日・土曜・休日で変化しているにもかかわず、青時間が
いつも同じでは問題です。そこで交通量を調査して、時間帯別、曜日別に最適な青時間
を設定するようにしています。これが多段制御です。
(2) 系統制御
信号機が連続して設置されている路線で、それぞれの信号機がバラバラに作動した場合、
車は赤信号のたびに赤で止められ、ムダ時間や渋滞が発生しやすくなります。これを緩
和するために、連続して設置されている信号機を互いに関連づけて動作させ、車をスム
ーズに走行させる方式です。
(3) 地域制御
主要都市では、交通量の多い幹線道路や中小の道路が複雑に交差し、多くの車や人が行
き来しています。このような地域では、事故の防止やスムーズな流れをつくり出すため
に多くの信号機が設置されます。これらの信号機がバラバラに動作した場合には、都市
の交通は大混乱を招くこととなります。したがって、複雑に絡みあう都市の道路交通を
効率良くコントロールするための方法として、地域制御が必要となります。

2-1
第二部 定期点検マニュアル
定期点検は、「点検シート」に記載された間隔で必ず行う。不良が見つかった場合は、
その場または後日改めて処置・部品等の交換を行う。実施した作業内容は「作業シート」
に必ず記載する。
2.1 信号設備の保守点検
(1) 配電盤の点検
•配電盤本体の損傷(傷・サビ等)がないことを確認する。損傷がある場合は処置を
行う。
•配電盤外部・内部の埃や汚れを清掃する。
•取付ボルト類・ネジ類の締付状態を確認する。ゆるみがある場合は増し締めする。
•端子に接続されている配線にゆるみ・抜けがないか確認する。ゆるみ・抜けがある
場合は結線をし直す。
•各配線の被覆に損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープを巻いて
処置を行う。
•商用電源入力部の電圧を測定する。
(2) 交通信号制御機の点検
•制御機本体の損傷(傷・サビなど)がないことを確認する。損傷がある場合は処置
を行う。
•制御機外部・内部の埃や汚れを清掃する。
•取付ボルト類・ネジ類の締付状態を確認する。ゆるみがある場合は増し締めする。
•端子に接続されている配線にゆるみ・抜けがないか確認する。ゆるみ・抜けがある
場合は結線をし直す。
•各配線の被覆に損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープを巻いて
処置を行う。
•制御機の日付・時刻を確認する。ずれている場合は再設定する。
•電源入力部の電圧を測定する。
•灯器出力部の電圧を測定する。
•制御電源部の電圧を測定する。
(3) 交通信号灯器の点検
•灯器本体の損傷(傷・穴開き・サビ)がないことを確認する。損傷がある場合は処
置を行う。
•灯器外部・内部の埃や汚れ、およびレンズ面を清掃する。
•取付ボルト類・ネジ類の締付状態を確認する。ゆるみがある場合は増し締めする。
•端子に接続されている配線にゆるみ・抜けがないか確認する。ゆるみ・抜けがある
場合は結線をし直す。
•各配線の被覆に損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープを巻いて
処置を行う。

2-2
•信号灯器の向きを所定の位置から確認し、視認性に問題がないことを確認する。見
づらくなっている場合は向きを調整する。
•各灯の点灯状態を確認する。
(4) 信号柱の点検
•柱本体の損傷(穴開き・傾き・曲がり・傷・サビ等)がないことを確認する。
•柱の基礎・根元部分の損傷がないことを確認する。
•柱に取り付けられた貼紙や看板などを除去し、清掃を行う。
(5) ハンドホールの点検
•ハンドホール蓋の損傷(割れ・ひび等)がないことを確認する。大きく損傷して危
険がある場合は補強・交換を行う。
•蓋を開けて、内部のマスの損傷(ひび・欠損)がないことを確認する。損傷がある
場合はセメント・モルタルで埋めて処置を行う。
•内部に水や異物がたまっていないかどうか確認する。たまっていた場合は排除する。
•内部の信号ケーブルに損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープな
どで処置を行う。
•蓋がガタつかないよう、枠の溝など各部を清掃して確実に蓋を閉める。
2.2 電源設備の保守点検
(1) 自動起動式発動発電機の燃料補給
•発電機の燃料がなくなる前に、燃料を補充する。作業日・給油量を記録する。
•積算運転時間を確認し、記録する。
•操作パネル面にエラーが表示されていないことを確認する。エラー表示があった場
合は、取扱説明書に基づいて処置を行い、リセットする。
•燃料漏れがないことを確認する。漏れている場合は処置・清掃を行う。
•発電機を運転し、異音・異臭・異常な振動がないことを確認する。
(2) 自動起動式発動発電機の点検
•発電機本体の損傷(傷・サビ等)がないことを確認する。損傷がある場合は処置を
行う。
•エンジンオイル漏れがないことを確認する。オイル漏れが認められる場合は清掃し、
該当箇所を補修する。
•エンジンオイルを交換する。使用したオイルの量を記録する。
•オイルフィルターの清掃を行う。清掃しても汚れが取れない場合は交換する。
•燃料フィルターの清掃を行う。清掃しても汚れが取れない場合は交換する。
•燃料タンクの水抜きを行う。
•エアクリーナの清掃を行う。清掃しても汚れが取れない場合は交換する。
•発電機外部・内部、吸気フィルターの埃や汚れを清掃する。
•取付ボルト類・ネジ類の締付状態を確認する。ゆるみがある場合は増し締めする。
•端子に接続されている配線にゆるみ・抜けがないか確認する。ゆるみ・抜けがある
場合は結線をし直す。

2-3
•各配線の被覆に損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープを巻いて
処置を行う。
•発電機の日付・時刻を確認する。ずれている場合は再設定する。
•出力電圧を測定する。
•出力電流を測定する。
(3) 定電圧電源装置の点検
•定電圧電源装置の埃や汚れを清掃する。
•端子に接続されている配線にゆるみ・抜けがないか確認する。ゆるみ・抜けがある
場合は結線をし直す。
•各配線の被覆に損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープを巻いて
処置を行う。
•入力電圧を測定する。
•入力電流を測定する。
•出力電圧を測定する。
•出力電流を測定する。
(4) 無停電電源装置の点検
•無停電電源装置の本体および前面パネルを開けて吸気口の埃や汚れを清掃する。
•接続されている配線にゆるみ・抜けがないか確認する。ゆるみ・抜けがある場合は
結線をし直す。
•各配線の被覆に損傷がないか確認する。損傷がある場合はビニールテープを巻いて
処置を行う。
•セルフテストボタンを押下し、バッテリーの寿命が充分であることを確認する。寿
命低下サインが出たらバッテリーを交換する。
2.3 点検シート
効率的な維持管理作業を実施するために、以下に示す「点検シート」を作成した。
•交通信号機 点検シート(配電盤・交通信号制御機)
•交通信号機 点検シート(信号灯器 車両用)
•交通信号機 点検シート(信号灯器 3連矢印用)
•交通信号機 点検シート(信号灯器 単体矢印用)
•交通信号機 点検シート(信号灯器 歩行者用)
•交通信号機 点検シート(信号柱)
•交通信号機 点検シート(ハンドホール)
•電源設備 点検シート(自動起動式発動発電機・定電圧電源装置・無停電電源装置)
•自動起動式発動発電機 給油作業シート
•交通信号機・電源設備 作業シート

2-4
•工具確認シート
•予備品リスト

第三部 操作マニュアル
3-1

3.1
電力設備
3-2

3-3

3-4

3-5

3-6

3-7

3-8

3-9

3-10

3-11
Table of contents