Anest Iwata E-M25 Series User manual

取扱説明書
■静電エアハンドガン
E-M25
シリーズ
E-M20
シリーズ
この取扱説明書は、安全にご使用いただくために重要な警告、注意事項および取扱方法に
ついて記載しています。
ご使用前に、必ずお読みになり、十分理解してからご使用下さい。
本書はすぐに確認できる場所に大切に保管してください。

①
重要なお知らせ
操作や機能を正しくご理解いただくため、本取扱説明書と各関連装置
※1)
の取扱説明書も併せて必ず
お読みになり、重要な警告、注意事項および取扱方法について十分理解された方が使用してください。
正しい方法にてご使用いただけない場合、使用者に死亡や重大な身体上の傷害、火災や爆発が起こる
可能性がありますので十分ご注意願います。
※1)静電コントローラ、塗料供給装置、エア供給装置の取扱説明書
1.安全性について
本文中に次の警告・注意マークで示されている箇所は、安全にお使いただくため、特に重要です。
絵表示、記号の意味は次のようになっています。
注意喚起の表示
警告
警告内容を怠った場合、人が死亡又は重傷を負う可能性が想定されることを示します。
注意
注意内容を怠った場合、人が傷害を負う可能性、または物的損害の発生する可能性が想定
されることを示します。
絵表示の例
この記号は「注意すべきこと」を意味しています。
記号の中や近くに、具体的な注意内容を表示します。(左の例は感電注意)
この記号は「してはいけないこと」を意味しています。
記号の中や近くに、具体的な禁止内容を表示します。(左の例は接触禁止)
この記号は「しなければならないこと」を意味しています。
記号の中に、具体的な指示内容を表示します。(左の例は必ずアース線を接続せよ)
*
警告、注意の表示を無視して使用した場合の損害、損傷については、当社では責任を負いかねますのでご了
承願います。
重要
この記号は、機械の性能や機能を十分に発揮してお使いいただくために、
守っていただきたい内容を示しています。
2.この商品の保証について
巻末に保証と修理サービスについての説明があります。よくお読みください。
この取扱説明書はすぐに確認できる場所に大切に保管してください。

②
安全にご使用頂くための警告・注意事項
警告
火災と爆発
塗装場の火災、爆発の防止
火気のある場所で塗装作業をしたり、ライターなど火気のある物を塗装場に持ち込まないでく
ださい。塗料及び有機溶剤は引火性があり、火災の可能性があります。
次のハロゲン化炭化水素系溶剤は使用しないでください。化学反応により、静電ガンハンドル
部等(アルミニウム部分)にクラック、溶解が発生します。
・不適合溶剤 :塩化メチル、塩化エチル、二塩化メチレン、二塩化エチレン、四塩化炭素、
トリクロロエチレン、1.1.1トリクロロエタン 等
アース不良による着火の防止
塗料で汚れたハンガー、コンベアは、必ず洗浄し、導通状態を保ってください。アースが不完全
であったり、塗料付着の多いハンガーやコンベア-は電気が流れず、静電気が溜まり火花放電に
よる火災事故の可能性があります。
塗料及び溶剤はアースされた金属容器に保管してください。アースが不完全な導電物には静
電気が溜まり、火花放電による火災事故の可能性があります。また、静電ガンの周囲3m以内に
塗料容器、塗料供給ポンプ等、導電物を置く場合には必ずすべてアースを行ってください。
静電コントローラ(E-SC12:別売)のアース(A 種接地:10Ω以下)は確実に行ってください。静電
ガンの アースは低電圧ケーブルを介して静電コントローラと接続して確保するので、アース
が不完全な場合には静電ガンに静電気が溜まり、火花放電による火災事故もしくは電撃による
人身事故の可能性があります。
接触部をナイフエッジまたはシャープポイント形状に
し、必ず金属同士を接触させてください
A 種接地

③
塗料、溶剤への引火による火災防止
塗料通路内の洗浄は必ず静電コントローラ(E-SC12:別売)の電源をOFFしてから行ってくださ
い。塗料及び溶剤は引火性があり、引火点が低いため、吹付部周辺で火花放電した場合に着火す
る可能性があります。
被塗物と塗装機との吹付距離は、10cm以上離してください。静電ガンと被塗物との距離が
10cm 以下になると放電し、特に引火点の低い塗料を使用した場合に引火する可能性があります。
水性塗料以外の溶剤系の塗料のご使用される場合は、必ず当社にご相談ください。
ラッカー系塗料は絶対に使用しないでください。ラッカー系塗料は引火点が低く着火が生じる
可能性があります。
静電ガンに汚れ防止のためのシートを被せないでください。 シートに溜まった静電気が放電し、溶
剤ガスに着火する可能性があります。
機器誤用
誤使用の防止
絶対に人や動物に向けてスプレーしないでください。目や皮膚の炎症、人体への危険があります。
圧縮空気以外のガスは使用しないでください。引火する可能性が高く着火事故、中毒の可能性が
あります。
最高使用圧力以上でのご使用は絶対避けてください。(P2 1.1 重要仕様を参照してください)
誤作動の防止
塗装機の点検、洗浄、および分解・組立は、荷電させないように必ず次の手順に従っ て、
静電コントローラ、及び連動設備や機器の電源を OFF にし、エア圧力、塗料圧力を完全に逃がして
から行ってください。誤作動により人身事故の可能性があります。
手順-1 静電コントローラ(E-SC24:別売)の電源を切ります。
手順-2 塗装機への圧縮空気、塗料、溶剤等の供給を停止します。
手順-3 次に,静電ガンを必ず下向きにして引金を引き、ニードル弁を動かします。

④
人体保護
溶剤、空気・塗料圧力からの保護
吹付作業は、塗装ブースを使用し、換気の良い所で使用してください。換気の不充分な場所
で、塗装や洗浄などの作業を行なうと、有機溶剤中毒を起こしたり、引火の可能性があります。
常に適切な服装、または保護具を着用してください。目や皮膚に洗浄液等が付き炎症を
起こします。 目や皮膚に異常を感じたら、直ちに医師の治療を受けてください。
健康安全上耳栓の着用をお奨めします。使用条件,作業環境により、騒音値が85dB(A)以上
になる場合があります。
洗浄、分解、保守作業をする前、および作業中断時には必ず静電コントローラの電源を切り、塗
料と空気の圧力を逃がしてから行ってください。 圧力が残っていますと、誤作動、洗浄液の飛散
により人体に危険があります。
電気、空気、塗料の圧力を抜く場合には必ずP③の「誤作動の防止」の手順に従って
行ってください。
静電気からの保護
作業者は必ず静電靴(抵抗値 10
5
〜10
8
Ω、JIS T 8103 参照),帯電防止作業服(産業安全研究
所 指針:静電気用品構造基準、JIST8118 参照)を着用してください。人体に静電気が溜まり、
電撃による人身事故を誘発します。
作業者は、時計・キーホルダー等の金属物を着用、または携帯して作業をしないでください。
金属物に静電気が溜まりビリビリ感を感じる場合があります。
金属フレームのメガネを着用し、荷電をさせた静電ガンに極端に近づいた場合、メガネに帯電し
てビリビリ感じる場合があります。
塗装機に近づく場合には、静電コントローラの電源を OFF にしてから行ってください。
作業は必ず静電ガンハンドル部を素手で持つか、手の平に穴のあいた手袋を使用してくださ
い。人体のアースは静電ガンハンドル部を通して接続されるため、手袋等でガンハンドル部を握
った場合、人体に電気が溜まり電撃による人身事故を誘発します。

⑤
その他
破損、磨耗の際、改造および純正品以外の製品や部品は絶対に使用しないでください。
使用された場合、静電ガンの故障、事故の発生または人体に傷害を及ぼす可能性があります。
塗装現場には静電塗装に限らず、万一に備えて、必ず消火器を常備してください。
他の塗装装置(ロボット、レシプロ等)の作動範囲内で作業する場合は、装置の停止を確認
してから行ってください。ロボットとレシプロとの接触で怪我をすることがあります。
食品用や化学薬品用には使用しないでください。塗料通路内部の腐食による事故の発生や、
異物が混入する可能性があります。
注意
静電ガンの安全性・製品機能を維持するため必ず次の事項をお守りください。
1)必ず5項 「点検と整備」(P.11)に従って点検・整備を行ってください。
2)静電ガンの洗浄で、静電ガン本体を洗浄用シンナーに絶対に浸けて洗浄しないでください。静電
ガンの洗浄は、4.5項 「手順-3 静電エアハンドガン本体・低電圧ケーブルの洗浄」(P.9, 10)に
従って洗浄を行ってください。
3)低電圧ケーブルの設置・取扱については、必ず4.1項「低電圧ケーブル接続・設置・取扱の
注意事項」(P.5)に従って行ってください。
4)静電ガンは衝撃を与えないよう慎重に取り扱ってください。特に落下・ブツケ・踏みつけなどに
注意し、また静電ガンの先端による塗装物、ハンガー等の操作等は行わないでください。静電ガ
ンの故障の要因になります。

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1
-
目次
1. 仕様 P. 2
2. 製品構成品の確認 P. 3
3. 各部の名称と機能 P. 4
4. 接続・設定 P. 5.
5. 点検と整備 P.12
6. 分解・組立 P.17
7. 構成部品 P.24
8. 故障と対策 P.26
9. 保証と修理サービス P.29

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2
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1. 仕様
1.1 重要仕様
最高使用圧力
空気:0.68MPa, 塗料:0.35MPa
使用環境温度範囲
5℃〜40℃
使用環境湿度範囲
70%RH 以下
1.2 主要仕様
No. 項目 仕様 備考
E-M25 シリーズ E-M20 シリーズ
1
高電圧発生方式 高電圧昇圧器内蔵
カートリッジ式
2
最高使用電圧 -60kV
無負荷時
3
全長×全幅×高さ 255×63×239 255×63×222
パタン調節ツマミ全閉時、塗料調節ツマミ全閉時
4
質量 585g 545g
低電圧ケーブル・塗料ホース取り外し時
5
適用静電コントローラ 静電コントローラ E-SC12BH(別売)
6
低電圧ケーブルの接続 コネクタ方式
7
空気ニップル/塗料ニップルね
じ仕様
G1/4 ( 空 気 ニ ッ フ ゚ ル )
G3/8(塗料ニップル)
G1/4(空気ニップル)
G3/8(袋ナット)
8
対応塗料
※1)
一般塗料
目安→塗料の電気抵抗
約 30MΩ・cm 以上
※2)
低抵抗塗料
目安→塗料の電気抵抗
約 30MΩ・cm 未満
※2)
メタリック塗料については当社支店・営業
所までお問合せください。
※1)対応の塗料詳細については当社支店・営業所、サービス会社までお問い合わせください。
※2)塗料粘度の調整後、当社ペイントテスター(EST-1C:別売)での測定
1.3 霧化仕様
No. 項目 仕様
(□印:は空欄記号)
備考
E-M2□-□□C1□ E-M2□-□□C5□ E-M2□-□□L1□
1
空気キャップセット Conventional 霧化タイプ HVLP 霧化タイプ
2
塗料ノズル 口径 13:φ1.3mm、15:φ1.5mm、18:φ1.8mm
キャップ仕様により異なり
ます。
Conventional 霧化タイプ HVLP 霧化タイプ
3
標準吹付空気圧力
(ガン手元静圧) 0.30MPa 0.35MPa 0.20MPa
4
空気使用量 約 500Nl/min
連続塗装・標準吹付圧力時
5
標準パターン開き/
吹付距離
約 350mm/250mm
250ml/min 吹付時
約 250mm/250mm
250ml/min 吹付時
約 240mm/200mm
160ml/min 吹付時
メラミン樹脂塗料 塗料粘度
21sec/3FC
全幅
全
高
全長
全
高
全長
E-M25 E-M20

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3
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2. 製品構成品の確認
本製品は、静電ガンを含めて、下記内容の付属品で構成されています。ご使用前に、付属品の有無、 及び製品の破
損や欠品の無いことを必ずご確認ください。
万一、破損や欠品がございましたら、ご面倒でもご購入先あるいは、当社支店・営業所、サービス会社までご連絡ください
。
品名 E-M25 シリーズ E-M20 シリーズ
静電ガン本体
低電圧ケーブル
付
属
品
(1)特殊ドライバー
ニードルパッキンセット締込み用
(2)結束チューブ
エアホース・低電圧ケーブル結束用
(3)掃除用ブラシ
静電ガン専用掃除用ブラシ
(表面部洗浄用)
(4)掃除用ブラシ
静電ガン専用掃除用ブラシ
(細穴部洗浄用)
(5)取扱説明書(本書)

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4
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3. 各部の名称と機能
3.1 E-M25 シリーズ
※塗料調節つまみは、引金を引きながら
回転させてください。
3.2 E-M20 シリーズ
※塗料調節つまみは、引金を引きながら
回転させてください。
霧化頭部(空気キャップ・塗料ノズル)
・塗料を空気により霧化させます
パターン開き調節装置
・パターン開きを調節します。
塗料ニップル
・ 塗料ホースを接続します。(G3/8)
低電圧ケーブル
・ 電気(AC-12V)を供給します。
塗料調節装置
・塗料噴出量を調整します。
ハンドル
・人体に帯電した電気を逃がします。
・必ず素手で握ってください。
空気ニップル
・エアホースを接続します。(G1/4)
霧化頭部(空気キャップ・塗料ノズル)
・塗料を空気により霧化させます
パターン開き調節装置
・パターン開きを調節します。
静電塗料ホース
・ 高電圧を絶縁します。
・ 塗料ポンプに接続します。
(袋ナットねじサイズ G3/8)
低電圧ケーブル
・ 電気(AC-12V)を供給します。
塗料調節装置
・塗料噴出量を調整します。
ハンドル
・人体に帯電した電気を逃がします。
・必ず素手で握ってください。
空気ニップル
・エアホースを接続します。(G1/4)

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5
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4.接続・設定
4.1 低電圧ケーブルの接続・設置・取扱の注意事項
低電圧ケーブルの接続・設置・取扱前に下表をお読み頂き、必ず注意事項をお守りください。
注意
(1) 低電圧ケーブルの接続は低電圧ケーブルの袋ナット部を締め込み、低電圧ケーブルを完全に接続してください。
締め込みが完全でない場合、塗料・溶剤がコネクタ内に侵入し、静電ガン・静電コントローラの故障の原因となりますので
注意してください。
(2) 低電圧ケーブルの強度・寿命低下防止のため、静電ガンの低電圧ケーブルの設置(結束処理)については次の事項を
必ずお守りください。
①
静電ガン手元から約50cmは低電圧ケーブルを結束しないでください。
②
静電ガンを上下、左右に向けた時に低電圧ケーブルに強い曲げや引張りが起こらないよう、エアホース・塗料ホースに
対し低電圧ケーブルに余裕をもたせて結束してください。
③
静電ガン手元より50cm以降の結束は、付属のスパイラルチューブ、またはビニールテープでピッチを 5cm以上あ
け、またあまり締付けないでゆったりと結束してください。特にビニールテープや、幅広スパイラルチューブで連続して巻
きつけないでください。巻き付けた部分が棒状となり、その両端が 折れて低電圧ケーブルやホースの断線や破損を引
き起こします。
.
(3) 塗装中に低電圧ケーブルやエアホース・塗料ホースに無理な曲げや強い引張りがかかるような静電 ガン操作・低電圧
ケーブルの結束を行なわないでください。強度が低下し、断線する場合があります。
(4) 低電圧ケーブルを踏みつけないよう十分注意してください。特にスノコ上で踏みつけた場合、断線する場合があります。
(5) 低電圧ケーブル単体(特に静電ガンコネクタ付近)を、補強・汚れ防止等のためにビニールテープ等で連続して巻き付け
ることは行なわないでください。逆に強度が低下し、断線する場合があります。
(6) 低電圧ケーブルを溶剤・塗料に長時間浸漬しないでください。長時間浸漬した場合低電圧ケーブルの強度、寿命が極端
に低下します。
(7) 低電圧ケーブルの洗浄後、表面に付着した溶剤の拭取り、又はエアブローを必ず行なってください。
(8) 結束するバンドは金属製のものを使用しないでください。金属物に静電気が溜まりビリビリ感を感じる場合があります。
低電圧ケーブル
低電圧ケーブルはエアホース・
塗料ホースよりも必ず緩く、
静電ガンを上下に傾けたときで
も、低電圧ケーブルに強い引張
りが発生しないよう注意し、結
束してください。
50
cm
以降の各結束間隔は
5
cm
以上
引張りが有り、
折れやすい状態
(
断線し易い状態
)
低電圧ケーブル
ビニールテープや幅広
スパイラルチューブで
連続して巻きつけ
50cm

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6
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4.2
静電ガンの接続
静電ガンの接続前に下表をお読み頂き、必ず注意事項をお守りください。 尚、お客様のご使用の静電ガンが
E-M25 シリーズの場合、次ページ(P.7)の「(1)E-M25 シリーズの標準接続例」を、E-M20 の場合、次々ページ(P.8)の
「(2)E-M20 シリーズの標準接続例」を参照し、静電ガンを設置してください。
警告
(1) 接続作業を行なう前に必ず 1 次側電源を切り、1 次側エア源の圧力を抜き、各装置すべての電源ス
イッチを切ってから作業を行なってください。(P.④「誤作動の防止」の参照)
(1) 各装置はアースが必ず接続されていることをご確認ください。アースが接続されていない場合、漏
電や帯電で火花放電による火災、電撃による人体事故に至る恐れがあります。
(1) 静電コントローラ(E−SC12BH:別売)の1次側電源に指定以外の電源は絶対に使用しないでくださ
い。指定外の異電圧を入力すると機器の損傷・火災の恐れがあります。(詳細は、静電コントローラ
の取扱説明書を参照願います。)
(2) 1 次側エア源の最大空気圧力は 0.68MPa 以下としてください。本装置は高圧機器を使用しておりま
せんので、機器の破損及び事故に至る恐れがあります。
注意
(1) 塗装機へ供給する空気は必ずエアドライヤ、エアフィルタ(3〜5μm)、オイルミストセパレータ(0.03〜0.01μ m)を通し
たものをご使用ください。供給空気配管中にルブリケータをご使用の場合は、別の供給配管からお取りいただくか、
オイルミストセパレータを 2 段以上に入れ、ご使用ください。塗装作業に使用する空気が汚れていると塗装不良を起
こします。
(2) 購入後始めてご使用になる場合、塗料通路内部の防錆油を取り除くため、シンナーを吹いて内部の洗浄を行ってく
ださい。防錆油が残っていると、ハジキ等の塗装不良の原因となります。
(3) 静電ガンにエアホースを接続する前にエアを十分に流してから接続してください。配管内に切粉、ゴミなど入っている
場合、ブツ等の塗装不良の原因となります。
(4) 塗料には、ゴミ、異物の混入がないよう塗料をフィルタに通してから使用してください。ゴミ、異物が塗料に含まれると
シート漏れを起こし、吹き始めの噴出量が不安定になることがあります。
(5) 静電コントローラ(E-SC12BH:別売)等の各装置間の電気接続は本取扱説明書および、各装置の取扱説明書の指
示に従い、行ってください。
(6) 塗装機の低電圧ケーブル及びエアホース、塗料ホースの結束は部分的に過度な引張りや折れが発生しないように
してください。 ( 4.1 項「低電圧ケーブルの接続・設置・取扱の注意事項」(P.5)を参照してください)

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7
-
(1)E-M25 シリーズの標準接続例
内の部品は E-M25 シリーズの
標準セットに含まれています
。
エアホースセット 例)AHU-810m
塗料ホースセット
例)PHN-6 10m
電源 AC-100V
エアホース
例)AHU-8
5m
静電コントローラ
E-SC12BH:(別売)
第A種接地
接地抵抗 10Ω以下
G3/8
G1/4
G1/4
空気源
コンプレッサー
空気清浄器
ペイントポンプ
作動用空気
空気減圧弁
ペイントポンプ
例)DPS-90E:(別売)
必要設備
G3/8
空気減圧弁
低電圧
ケーブル
E
-
SC12BH

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8
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(2)E-M20 シリーズの標準構成例
内の部品は E-M20 シリーズの
標準セットに含まれています。
エアホースセット 例)AHU-810m
電源
AC-100V
エアホース
例)AHU-8
15m
静電コントローラ
E-SC12BH:(別売
)
A種接地
接地抵抗
10
Ω以下
G1/4
空気源
コンプレッサー
空気清浄器
ペイントポンプ
作動用空気
空気減圧弁
必要設備
静電
塗料ホースセット
(10m)
絶縁台
例)EIS-1B:(別売)
防御柵
G3/8
30cm
以上
30cm
以上
30cm
以上
ペイントポンプ
例)DPS-90E:(別売)
低電圧
ケーブル
空気減圧弁
A種接地
接地抵抗
10
Ω以下
G1/4
E-SC12BH

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4.3 アースの確認
手順−1 静電ハンドガンから周囲3m以内の導電物はすべてアースを行ってください。
警告
(1) 静電ハンドガンから周囲3m以内の導電物はすべてアースを行ってください。静電気事故防止
(電撃・火災)のため。
手順−2 静電コントローラ(E-SC12BH:別売)の電源を入れアース異常表示が表示されていないか確認します。
(電源投入・異常表示については、静電コントローラの取扱説明書をご参照ください。)
4.4 吹付条件の設定
(1) 空気圧力
減圧弁で調節してください。
(2) 塗料噴出量/パタン開き
塗料噴出量を塗料圧力調整・塗料調節つまみで塗料噴出量を調整し、パタン調節装置でパタン開きを調節します。
注意:塗料調節つまみは、引金(ニードル弁セット)を引きながら回転させてください。
引金を引かない状態で、塗料調節つまみを回転させると、ニードル弁セットが芯棒セットから緩み(外れ)
引金の引き代が短くなったり、塗料噴出量が不安定になる可能性があります。
(3) 吹付距離の確認
適した静電効果を得るためには吹付距離を約 200〜300mm の間に設定します。
静電塗装のポイント
凹部に対して塗料の入り込みが悪く
逆に凸部に塗料が余計についてしまう場合 吹き戻りが多い場合
吹 付 圧 力 上げる
吹 付 距 離 近づける
パ タ ン 開 き 小さくする
電 圧 下げる
塗 り 方 凹部を先に塗る
吹 付 圧 力 上げる
吹 付 距 離 近づける
パ タ ン 開 き 小さくする
電 圧 下げる
塗 り 方 凹部を先に塗る

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4.5塗装終了後の洗浄
警告
(1) 塗装作業終了後、必ずエア圧力、塗料圧力を完全に逃がし、荷電させないよう必ず静電コントローラ
(E-SC12:別売)の電源を OFF にしてください。
(2)
塗料経路内の洗浄(シンナー吹き)の時は、荷電させないよう必ず静電コントローラ(E-SC12:別売)の電源
を OFF にしてください。引火する可能性があり、大変危険です。
手順−1
塗料経路内の洗浄(シンナー吹き)
洗浄用シンナーを透明になるまで吹きます。
手順 2
霧化頭の洗浄
空気キャップカバー、空気キャップを外し洗浄します。(詳細は6項の「分解・組立」 (P.17)を参照ください。)
手順 3
静電ガン・低電圧ケーブルの洗浄
静電ガンを末永くご使用頂くため、洗浄用シンナーを含んだ柔らかい布と洗浄用ブラシ(表面部洗浄用)で、静
電ガン・低電圧ケーブル表面の汚れを拭取る方法を推奨します。尚洗浄後、必ずエアブローをして、静電ガン・低
電圧ケーブル表面に付着したシンナーを十分乾燥させてください。
空気キャップカバー
空気キャップ

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注意
(1) お客様の都合によりやむを得ずシンナーガン
※1)
により静電ガンを洗浄する場合、必ず次の事項をお守りください。
次の事項を怠った場合、静電ガンの故障の要因となる可能性があります。
※1)シンナーガン:洗浄専用のシンナーを吹付けるスプレーガン
a)
シンナーガンによる洗浄終了後、必ずエアブローをして、完全に静電ガン・低電圧ケーブル表面に付着した シンナーを十分乾燥
させてください。またシンナーガン洗浄は静電ガン内部のエア通路にシンナーが 流入する可能性がありますので、洗浄直後、必
ず静電ガンでエア吹きし(カラ吹き)、内部に流入した シンナーをブローしてください。
b)シンナーガンによる吹付は長時間行わないでください。特に一箇所に集中的に吹くのは避けてください。
c)次の箇所には直接シンナーガンによる吹付を行わないでください。
① 低電圧ケーブルコネクタ部
② 引金爪部
③ 空気キャップエア孔
④ 空気ニップル内
(2) 絶対行ってはいけない方法
静電ガン本体・低電圧ケーブルを洗浄用シンナーに絶対に浸けて洗浄しないでください。エア通路、ガン内部の高電
圧発生装置に洗浄用シンナーが侵入による静電ガン・静電コントローラの故障、低電圧ケーブル強度低下による短時
間での断線の原因となります。
低電圧ケーブル
①
②
③
④

-
12
-
5.点検と整備
より安全にかつ機能を十分に発揮させるため、下記点検項目基準を厳守してください。
警告
(1)
点検作業は必ず点検作業前に静電コントローラ(E-SC12BH:別売)の電源を切り、エア圧力、塗料圧力を完全に逃がしてか
ら始めてください。 (P.④「誤作動の防止」の参照)
注意
(1)
静電ガン・低電圧ケーブルの洗浄は絶対に洗浄用シンナーに浸けて洗浄しないでください。静電ガン・低電圧ケーブルの洗
浄は、4.5項「手順−3 静電ガン・低電圧ケーブルの洗浄」(P.10, 11)に従って洗浄してください。 従って頂けない場合、安
全性・製品性能に支障をきたす恐れがあります。
5.1 日常の点検・整備項目
1)日常の点検項目
No 部品名 点検箇所 確認内容・方法 点検目的 異常時の処置
1 ニードル弁セット
先端ピン電極部
曲がりや折れが無いか目視確認 塗装不良・塗着効率低下の予防 部品交換
2 塗料ノズル
先端部
変形・傷が無いか目視確認 塗装不良の予防 部品交換
3 空気キャップ
中心・角の
各孔
変形・傷が無いか目視確認 塗装不良の予防 部品交換
4 静電ガン
静電ガン各部
空気漏れが無いか確認
(空気漏れ音で確認)
塗装不良防止
荷電が切れない故障による、静
電事故防止
8.1 項 「 故 障 と 対 策
静電ガン」(P.26)を
参照
5 塗料ノズル
先端部
先端より塗料が漏れていないか
目視確認 塗装不良の予防
8.1 項「 故 障 と 対 策 ・
静電ガン」(P26)を
参照
6 静電コントローラ
荷電ランプ
荷電ランプが正常に点灯し、静
電ガンが荷電されるか、目視確
認
塗装不良、塗着効率低下の予防
8.2 項「 故 障 と 対 策 ・
電気系トラブル」(P.27)
を参照
塗装電流値
表示ランプ
塗装電流値が通常の値よりオー
バーしていないか、目視確認 塗装不良、塗着効率低下の予防
下記 5.1 項 2)「日常の
整備項目 No.1 静電
ガン内部塗料通路の
洗浄」(P12)を行ってく
ださい。
7 低電圧ケーブル
ケーブル全体
低電圧ケーブルに過度な引っ張り
が無いか目視確認
低電圧ケーブルの断線による出力
不良、及び人体への電撃事故・
着火事故の 予防
4.1 項「低電圧ケーブル
設置・ 取 扱 い の 注意
事項」(P.5)を参照
2)日常の整備項目
No 部品名 整備箇所 整備内容・方法 整備目的
1 静電ガン
静電ガンの
塗料通路
塗料通路にシンナーを通し静電ガン内部
塗料通路を洗浄する。
堆積した塗料の電気リークによる塗着効率の低
下・塗装不良の予防
2 静電ガン
表面
表面に付着した塗料の汚れを除去する。 電気リークによる塗着効率低下の予防
3 低電圧ケーブル
表面
表面に付着した塗料の汚れを除去する。 ケーブル寿命の低下の予防
4 塗料/エアホース
表面
表面に付着した塗料の汚れを除去する。 ホース寿命の低下の予防

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5.2 定期点検項目
1)1週間定期点検項目(外観点検) (※ハンドル:静電ガンのハンドル部[金属部]、バレル:静電ガンの先端ボディ部[樹脂部])
No 部品名 点検箇所 内容
判断基準
点検
方法 点検目的 異常時の処置
1 静電ガン ハンドル
※
と
バレル
※
の
接合部
隙間が 無い
か確認
隙間が無
いこと 目視
シンナー・塗料入り込みによ
る、静電ガン内部電気部
品・静電コントローラー故障の
予防
修理を依頼してください。
9項「保証と修理サービス」
(P.29)参照
2
ハンドル
※
・蓋
接合部
隙間が 無い
か確認
隙間が無
いこと 目視
シンナー・塗料入り込みによ
る、静電ガン内部電気部
品・静電コントローラー故障の
予防
ハンドル
※
・蓋接合部のねじ
の締め増し
3 低電圧
ケーブル
静電ガン
手元コネクタの
接続部
緩みは 無い
か確認
緩みがな
いこと
締め増しして確
認 静電コントローラー故障の予防
低電圧ケーブルナット部の締
め増し。
6.4 項「低電圧ケーブルの脱
着」(P.23)参照
4 ケーブルの
外皮
亀裂、膨潤
が無いか
確認
なきこと 目視
ケーブルの断線による出力
不良、及び人体への電撃
事故・着火事故の予防
低電圧ケーブルの交換
6.4 項「低電圧ケーブルの脱
着」(P.23)参照
6 静電
コントローラ OCR ランプ
OCR が作動
するか確認
OCR が作
動すること
荷電状態で、静
電ガン先端をアー
スされた金属物
に近づける
安全装置機能確認のため
修理を依頼してください。
9項「保証と修理サービス」
(P.29)参照
2)定期点検項目(静電ガン・ケーブル単体検査)
No
部品名 周期 点検箇所 内容 点検目的 異常時の処置
1 低電圧
ケーブル
500Hr
各部の
導通・絶縁
5.4 項「定期点検方
法」 1) (P.14)に基づ
き確認
ケーブルの断線による人体への
電撃事故・着火事故の予防
低電圧ケーブルの交換
6.4 項 「低電圧ケーブルの脱着」
(P.23)参照
2 静電ガン
本体
500Hr
各部の
導通・絶縁
5.4 項「定期点検方
法」 2) (P.15)に基づ
き確認
静電ガンの性能維持 修理を依頼してください。9項
「保証と修理サービス」(P.29)参照
3 静電
コントローラー
1000Hr
出力の確認
5.4 項「定期点検方
法」 3) (P.16)に基づ
き確認
静電コントローラー性能維持 修理を依頼してください。9項
「保証と修理サービス」(P.29)参照
5.3 定期交換部品(部品が損傷なく使用された場合についての交換周期目安)
N
o 部品名 交換周期
目安
怠った場合におきる不具合の
可能性 備考
1
ニードルパッキンセット 1000Hr 塗料漏れ
2
芯棒セット 700Hr 塗料漏れ
3
ニードル弁セット 1000Hr 塗料漏れ
4
空気弁セット 2000Hr 空気漏れ (1000Hr チェック)
5
塗料ノズル 2000Hr 塗料漏れ (1000Hr チェック)
6
低電圧ケーブル 500Hr 荷電不良、電撃事故・着火事故 (500Hr 時チェック)
7
静電塗料ホース 1000Hr 高電圧リーク・着火事故 (500Hr 時チェック)
取扱説明書記述以外の静電ハンドガン内部に及ぶメンテナンスについては安全性及び製品機能に支障をきたす
恐れがあるので、販売店または当社営業所、サービス会社へご連絡ください。

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5.4 定期点検方法
1)低電圧ケーブル導通・絶縁点検
①導通点検
導通点検箇所
点検 No. コントローラ側コネクタ
端子ナンバー
静電ガン側コネクタ
端子ナンバー 正常状態
1 1 A
テスターで導通が
あること
2 2 F
3 3 E
4 4 D
5 5 C
6 7 コネクタケース
②絶縁点検
絶縁点検箇所
点検 No. コントローラ側コネクタ
端子ナンバー
静電ガン側コネクタ
端子ナンバー 正常値
1 1 F,E,D,C
500V 絶縁抵抗計
※1)
で 1000MΩ以上
であること。
2 2 E,D,C
3 3 D,C
4 4 C
5 7 A,F,E,D,C
※1)1000V 絶縁抵抗計でも可。
コントローラ側
コネクタ
静電ガン側
コネクタ
コネクタ
ケース
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