Fuji Electric LONWORKS OPC-LNW User manual

日本語
ENGLISH
取扱説明書 / Instruction Manual
LONWORKS®インタフェースカード
LONWORKS®Interface Card
"OPC-LNW"
Fuji Electric Co., Ltd. INR-SI47-1705-JE

Copyright © 2013 Fuji Electric Co., Ltd.
All rights reserved.
No part of this publication may be reproduced or copied without prior written permission from Fuji Electric Co.,
Ltd.
LONWORKS, LonTalk, and LonMaker are registered trademarks of Echelon Corporation in the United States. All
other product and company names mentioned in this manual are trademarks or registered trademarks of their
respective holders.
The information contained herein is subject to change without prior notice for improvement.
この取扱説明書の著作権は，富士電機株式会社にあります。この取扱説明書の一部または全部を無断で複製・転
載することはお断りします。
LONWORKS, LonTalk, および LonMaker は，米国 Echelon の登録商標です。本書に掲載されているその他の会社名
や製品名は，一般に各社の商標または登録商標です。
この説明書の内容は将来予告なしに変更することがあります。

日本語
日本語版

1
日本語
まえがき
LONWORKS インタフェースカード「OPC-LNW」をお買上げいただきましてありがとうございます。
このインタフェースカードを当社インバータに取付けることで，各種の LONWORKS 機器から, LONWORKS のパラメー
タを使って運転指令・速度指令や運転状況のモニタ, そしてインバータの設定の変更・参照を行うことができま
す。またインバータの全機能コードの変更・参照が可能となります。
この取扱説明書にはインバータに関する取扱い方の記載はありませんので，ご使用の前には，この説明書とイン
バータ本体の取扱説明書をお読みになって取扱い方を理解し，正しくご使用ください。間違った取扱いは，正常
な運転を妨げ，寿命の低下や故障の原因になります。
取扱説明書はご使用後も大切に保管してください。
関連資料
OPC-LNW に関連する資料を以下に示します。目的に応じてご利用ください。
・ RS-485 通信ユーザーズマニュアル
・ インバータの取扱説明書
資料は随時改訂していますので，ご使用の際には最新版の資料を入手してください。
この取扱説明書に記載している図，端子の有無，機能コード，アラームコード等は対象インバータによって異な
る場合があります。
本書の構成
本書の構成は，以下のとおりです。
第 1 章 特徴
LONWORKS インタフェースカードの主な特徴を説明します｡
第 2 章 製品の確認
開梱時に行う点検や製品の運搬および保管の注意事項，インタフェースカードの外観および XIF ファイル, 専用
プラグインの入手方法について説明します。
第 3 章 各部の機能
サービスボタンおよび LED インジケータについて説明します｡
第 4 章 取付けと取外し
取付け手順，取付け上の注意事項などについて説明します。
第 5 章 配線
本インタフェースカードの基本接続図，端子台配置，LONWORKS ケーブルの仕様および配線方法について説明しま
す｡
第 6 章 必要なインバータ機能コード設定
LONWORKS から運転指令および周波数指令を行うために必要なインバータ機能コードの設定について説明します。
その他に, 関連するインバータ機能コードについても説明します。
第 7 章 オブジェクトの詳細
本インタフェースカードがサポートしているオブジェクトと, そのネットワーク変数(NV)および構成プロパティ
（CP）について説明します。
第 8 章 LONWORKS 通信異常時の動作
LONWORKS 通信異常時の動作の詳細について説明します｡
第 9 章 トラブルシューティング
インバータが指示どおり動作しない場合やアラーム状態になった場合に行うトラブルシューティングについて
説明します。
第10章 仕様
一般仕様および通信仕様について記載しています。

2
アイコンについて
本書では以下のアイコンを使用しています。
この表示を無視して誤った取扱いをすると，本製品が本来持つ性能を発揮できなかったり，その操作や
設定が事故につながることになります。
本製品の操作や設定の際，知っておくと便利な参考事項を示しています。
参照先を示します。
目次
まえがき .................................. 1
本書の構成 .................................. 1
第 1 章 特徴 ................................ 3
第 2 章 製品の確認 .......................... 3
第 3 章 各部の機能 .......................... 4
3.1 サービスボタン....................... 4
3.2 LED.................................. 4
3.3 端子台............................... 4
3.4 バーコードシール..................... 4
第 4 章 取付けと取外し ...................... 5
4.1 インタフェースカードの取付け ......... 5
4.2 インタフェースカードの取外し ......... 6
第 5 章 配線 ................................ 7
5.1 基本接続図........................... 7
5.2 端子台の配線......................... 7
5.3 インバータへの配線................... 9
第 6 章 必要なインバータ機能コード設定 ..... 10
第 7 章 オブジェクトの詳細................. 12
7.1 概要 ............................... 12
7.2 ノードオブジェクト ................. 12
7.3 VSD オブジェクト概要................ 14
7.4 VSD 入力ネットワーク変数 ............ 20
7.5 VSD 出力ネットワーク変数 ............ 24
7.6 インバータ機能コードの読出しおよび
書込み方法 ........................ 29
7.7 VSD オブジェクトの構成プロパティ(CP) 32
第 8 章 LONWORKS 通信異常時の動作 .......... 34
8.1 LONWORKS 通信異常時の動作設定 ....... 34
第 9 章 トラブルシューティング............. 35
第 10 章 仕様.............................. 36
10.1 一般仕様 .......................... 36
10.2 通信仕様 .......................... 36

3
日本語
第1章 特徴
LONWORKS インタフェースカードの特徴を以下に示します。
- 通信速度 ： 78Kbps
- プロファイル ： Variable Speed Motor Drive functional profile Ver1.1 準拠
- 通信トポロジー ： フリートポロジー（バス型, スター型, ループ型, 混合型）
- ネットワーク変数 ： 総数 62 個
- インバータが持つ全機能コードを読み書き可能
重要：本インタフェースカードをコミッションした後は, 必ずインバータの電源を再起動するか,
ネットワーク管理ツール（例:LonMaker）から Reset を行ってください。これを行うまで, 本イン
タフェースカードの NV および CP の変更がインバータに反映されません。
第 2 章 製品の確認
次の項目を確認してください。
(1) LONWORKS インタフェースカードが入っていることを確認してください。
(2) カード上の部品の破損，凹み，反りなど輸送時での破損がないことを確認してください。
(3) カード上に形式「OPC-LNW」が印刷されていることを確認してください。（図 2-1）
(4) カード上にバーコードシールが貼付けてあることを確認してください（図 2-2）。また貼付け前のバーコード
シールが製品に 1 枚同梱されていることを確認してください。
製品にご不審な点や不具合などございましたら，お買上げ店または最寄りの弊社営業所までご連絡ください。
・対象インバータおよび ROM バージョンについては、インバータのユーザーズマニュアルを確認して
ください。
・本カードには XIF ファイル, リソースファイルは付属していません。
上記のファイルは次の Web サイトにてダウンロード可能です。（会員登録が必要（無料））
技術情報ページ https://felib.fujielectric.co.jp/download/
・ネットワーク管理ツールは付属していません。別途、ご手配ください。管理ツールには Echelon 社
の LonMaker を推奨します。
・バーコードにはニューロンＩＤを記載してあります。バーコード規格は CODE-39 フォーマットです。
図 2-1 カード表面 図 2-2 カード裏面
LED
(状態表示
インジケータ)
LONWORKS 端子台 CN1サービスボタン
形式
バーコードシール
（ニューロン ID）

4
第 3 章 各部の機能
3.1 サービスボタン
ネットワークへコミッション時に本ボタンを押下します。押すとニューロン ID がネットワークへ出力されます。
インバータ機能コード o30 を 1 に設定することで, サービスボタンを押すのと同様の動作が可能です。
この方法ですとタッチパネルから操作ができるため, インバータのカバーを取り外す必要もなく安全で
便利です。
サービスボタンを押す時は, インバータの高圧部に触れないように十分に注意してください。インバータ機能
コード o30 を 1 にすることでも同等の動作が行えます。安全ですので, こちらを推奨いたします。
感電のおそれあり
3.2 LED
本インタフェースカードの状態を示します。インジケータ LED は次の 4 種類あります。
表 3-1 LED の状態
名称 色 内容 備考
POWER 緑 正常 ―
緑点滅 電源投入時の自己診断および初期化中 約 0.5s 間実施
赤点滅 LONWORKS 通信異常 インバータに er5 発生*1
赤
ハードウェア異常
(インタフェースカード取付け不良または故障) インバータに
er4 発生
COMM 緑 LONWORKS 通信イベント発生 *2
ケーブル未接続状態でも出
力 NV 値の変化が発生すると
LED が点灯します。
WINK 緑点滅 WINK メッセージ受信 6 回点滅
SERVICE 緑 サービスボタン押下状態 ―
緑点滅 未構成状態 未コミッション状態等
消灯 構成済状態 コミッション済状態等
*1
er5 を無視するように設定することも可能です。第 8 章「8.1 LONWORKS 通信異常時の動作設定」を参照し
てください。
*2 電源 ON 後, 本インタフェースカードのイニシャルが完了した時点で, ネットワークにインバータの最新情報
を伝えるため,本インタフェースカードの持つ全ての出力ネットワーク変数を出力するイベントが発生します。
このイベントは, ケーブルの接続有無や, バインドおよびコミッション有無に関わらず発生しますので, そ
のような時でも COMM LED は点灯します。なお, このイベントによって出力ネットワーク変数が値を出力する
までの時間を, VSD オブジェクトの UCPT_SendDelayAfterDevRdy で調整することが可能です。
 UCPT_SendDelayAfterDevRdy についての詳細は，第 7 章「7.3(3)構成プロパティ(CP)の説明」を参照し
てください。
3.3 端子台
LONWORKS 通信用端子台とアース端子台があります。
 配線方法については，第 5 章「配線」を参照してください。
3.4 バーコードシール
インタフェースカードに実装されているニューロンチップのニューロン ID が番号とバーコードで表記してありま
す。バーコード規格は CODE-39 フォーマットです。また，ネットワーク図面等に貼付け用として未使用のバーコ
ードシールを 1 枚同梱しております。

5
日本語
第 4 章 取付けと取外し
取付け・配線は電源を遮断して 10 分以上経過してから行ってください。更に LED モニタおよびチャージラン
プの消灯を確認し，テスターなどを使用して主回路端子 P(+)-N(-)間の直流中間回路電圧が安全な値（DC+25V
以下）に下がっていることを確認してから行ってください。
感電のおそれあり
・ 外部あるいは内部部品が損傷・脱落している製品を使用しないでください。
火災，事故，けがのおそれあり
・ 糸くず，紙，木くず，ほこり，金属くずなどの異物がインバータやインタフェースカード内に侵入するのを防止し
てください。
火災，事故のおそれあり
・ 製品の取付け，取外し時に不適切な作業を行うと，製品が破損するおそれがあります。
故障のおそれあり
4.1 インタフェースカードの取付け
インバータ本体の主回路端子および制御回路端子の配線は，インタフェースカードを取り付ける前に
行ってください。
(1) インバータ本体のカバーを取り外し，制御プリント基板を露出してください。インタフェースカードは，イ
ンバータ本体のオプション接続ポートに取付け可能です。
インタフェースカードの接続ポートについては、インバータのユーザーズマニュアルを確認してくだ
さい。
 インバータ取扱説明書の「配線」を参照してカバーを取り外してください。
(2) インタフェースカードの裏面（図 2-2）の CN1 を，インバータ本体の制御プリント基板の接続ポートへ差し
込み，付属ねじで固定してください。（図 4-2）
インタフェースカードの取付け位置決め部（図 4-1）がツメ（図 4-1 の①）にセットされ，CN1（図
4-1 の②）が確実に差し込まれていることを確認してください。図 4-2 は取付け完了を示します。
(3) インタフェースカードの配線を行います。
 配線方法については，第 5 章「配線」を参照してください。
(4) インバータ本体のカバーを元に戻してください。
 インバータ取扱説明書の「配線」を参照してカバーを取り付けてください。

6
① インタフェースカードをツメに引っ掛けるよう
にしながらインバータ本体へ位置決めする。
② コネクタ CN1 をインバータ本体へ挿入する。
注： 先にコネクタ側を挿入した場合，挿入が不十分で
接触不良となる可能性があります。
図 4-1 インタフェースカードの取付け（FRENIC-HVAC の A-port への取付け時）
図 4-2 取付け完了（FRENIC-HVAC の A-port への取付け時）
4.2 インタフェースカードの取外し
インタフェースカードを取り外す際は，ねじ 2 ヶ所を外し，取外し用つまみ（図 4-2）を引っぱって取り外してください。
①
②
付属ねじで固定
ツメ
取外し用つまみ

7
日本語
第5章 配線
5.1 基本接続図
L1/R U
V
W
L2/S
L3/T
インバータ
OPC-LNW
NET_A
SHELD
Lont通信ケーブル
TERM1
Motor
G
M
1
2
3NET_B
G
G
LON
トランス
LON
トランシーバ
CPU
* インタフェースカードを取り付けると，zG に接続されます。
図 5-1 基本接続図
5.2 端子台の配線
(1) LONWORKS ケーブルは LONMARK 推奨のシールド付きツイストペアケーブルを使用してください。
推奨ケーブルは，昭和電線製 形式 LW161S です。
 配線に関する詳細は Echelon 社発行の「FT3120/FT3150 Smart Transceiver Data Book」を参照してく
ださい。Echelon 社の Web サイトから無料でダウンロード可能です。
URL: https://www.echelon.com/support/documentation/manuals/transceivers/005-0139-01D.pdf

8
(2) LONWORKS 端子台コネクタ（TERM1）の配線
着脱可能な 3 ピン端子台を使用しています（図 5-2）。端子台のピン配置は表 5-1 のとおりです。
適合する端子台コネクタはフェニックスコンタクト製 MVSTBR2.5/3-ST-5.08 です。
3 2 1
電線 約7mm
図 5-2 LONWORKS 端子台コネクタと推奨被覆むきサイズ
表 5-1 端子台のピン配置
端子番号 端子名称 説明
1 SD 通信シールド
2 NET A 通信線
3 NET B 通信線
端子台のねじサイズおよび推奨締め付けトルクについては以下を参照してください。
ねじサイズ M3
締め付けトルク 0.5～0.6 [N･m]
通信線は無極性で, ケーブルの 2 線がそれぞれ NET A と NET B に接続してあれば通信可能です。
どちらが NET A, NET B でも通信に問題はありません。また, 他のノードとの間で配線がクロスし
ていても問題はありません。
(3) 終端抵抗について
フリートポロジー接続の場合, 1 セグメントあたり 1 個の終端抵抗が必要となります。
終端抵抗は本製品に付属していません。別途抵抗をご用意ください。推奨は Echelon 製 TP/FT-10
Channel Terminator Model No.44100 です。自作される場合は, 下記の RC 回路をご使用ください。
R
C1
C2
+
+
NET A
NET B
図 5-3 終端抵抗の回路図
R : 52.3Ω±1%, 1/8W
C1, C2 : 100uF, 50V(min)耐圧

9
日本語
5.3 インバータへの配線
LONWORKS ケーブルの配線は，主回路の配線とは可能な限り離して配線してください。ノイズによる誤
動作の要因となります。
配線は，制御プリント基板上を極力這わないように配線してください。誤動作の原因になることがあ
ります。
* LONWORKS インタフェースカードの配線は，インバータ本体の
制御端子台上部と表面カバーの間を通してください。
FRENIC-HVAC 7.5kW の例
FRENIC-HVAC 22kW の例
図 5-4 配線例

10
第 6 章 必要なインバータ機能コード設定
LONWORKS から運転指令, 周波数指令および nviXcmd_1～5 の指令を行うにあたり, インバータの機能コードの設
定が必要です。表 6-1 に一覧を示します。
また, 特定の NV を有効にするために必要なインバータ機能コード設定を表 6-2, その他関連するインバータ機能
コードを表 6-3 に示します。
インバータ機能コードの詳細については, インバータのユーザーズマニュアルおよび「RS-485 通信ユ
ーザーズマニュアル（MHT271）」の第 5 章「機能コードとデータフォーマット」を参照してください。
下記のインバータ機能コードの設定をしなくても LONWORKS 通信自体は可能です。下表の設定は
LONWORKS のコミッションの前に行っても, 後に行ってもどちらでもかまいません。
重要 本インタフェースカードをコミッションした後は, 必ずインバータの電源を再起動するか,
ネットワーク管理ツールから Reset を行ってください。(Online にするだけでは正常に動作しませ
ん)。これを行うまで, 本インタフェースカードの NV, CP がインバータに反映されません。
表 6-1 LONWORKS から運転・周波数指令・nviXcmd1～5 を有効にするために必須な機能コード設定
機能コード 説明 工場出荷値 設定変更値 備考
y98 LONWORKS からの運転・周波数指令 0 3 UCPT_LinkFunc を設定する
ことでも同様
y99 ローダからの運転・周波数指令 0 0 工場出荷値から変更不要
E01～E09 X1～X9 端子の機能選択 対象のインバ
ータによって
異なります。
下記以外に設定
24, 1024([LE]選択)
35, 1035([LOC]選択)
-[LE]選択時でも物理的端
子を ON すれば問題なし。
-[LOC]選択時でも物理的
端子を OFF すれば問題な
し。
E98 FWD 端子の機能選択 98 98 工場出荷値から変更不要
下記の特定の NV を有効にするためには, 表 6-1 以外に表 6-2 の変更も行ってください。
表 6-2 特定の NV を有効にするために必要な機能コード設定
有効とする NV 機能コード 説明 工場出荷値 設定変更値
nviAOcmd F31, F35 FM1, FM2 または FMA, FMP 端子機能
選択
0, 0 10 (ユニバーサル AO)
nviDOcmd_Y1, Y2 E20, E21 Y1, Y2 端子機能選択 0, 1 27 (ユニバーサル DO)
ネットワーク変数（NV）の詳細につきましては, 表 7-4「VSD オブジェクトの変数説明」を参照してく
ださい。
機能コードとインバータ汎用入力端子の数は対象のインバータによって異なります。

11
日本語
その他関連する機能コードを表 6-3 に示します。
表 6-3 その他関連機能コード
機能コード 説明 工場出荷値 設定範囲 備考
o27*1 LONWORKS 通信異常発生時の動作選択 0 0～15 UCPT_CblLossMode でも設定
可能。
o28*1 LONWORKS 通信異常発生時の動作タイ
マー
0.0s 0.0s～60.0s UCPT_CblLossTimer でも設定
可能。
o30 サービスボタン同等機能 0 0～255 o30=1 以上でサービスボタ
ン押下状態となります。
o30 変更後, 自動的に 0 ク
リアされます。
W90 LONWORKS インタフェースカードソフ
トバージョン
インタフェー
スカードによ
る
-(モニタ専用) 10進4桁表示
例: Ver1.42 の場合 0142 と
表示されます。
W95 インタフェースカード-インバータ間
通信エラー回数
0 -(モニタ専用)
W96 インタフェースカード-インバータ間
通信エラー内容
（伝送エラーのみ*2）
0 -(モニタ専用) 最後に発生した通信エラ
ーの内容。エラーコードは
富士汎用インバータプロ
トコルと同様。*3
*1 o27, o28 についての詳細は第 8 章「8.1 LONWORKS 通信異常時の動作設定」を参照してください。
*2 伝送エラー以外の論理エラーについては, VSD オブジェクトの nv34 nvoAccessErrCode に反映されます。コ
ード内容詳細に関しては第 7 章「7.6 (2)インバータ機能コードの書込み」を参照してください。
*3 エラーコード詳細については,「RS-485 通信ユーザーズマニュアル（MHT271）」の第 4 章「4.3 通信エラー」
を参照してください。

12
第 7 章 オブジェクトの詳細
7.1 概要
本インタフェースカードはノードオブジェクトと Variable Speed Motor Drive オブジェクト（以下, VSD オブジ
ェクト）の 2 つをサポートしています。以降にそれぞれのオブジェクトについて説明します。
7.2 ノードオブジェクト
(1) ノードオブジェクト概要
本
インタフェースカードのシステム的な処理を行います。（通常, ユーザおよびインテグレータが意識的に使
用する必要はありません。）
Node Object #0
nv2 nvoStatus
SNVT_obj_status
nv1 nviRequest
SNVT_obj_request
nv8 nvoFileDirectory
SNVT_adress
図 7-1 ノードオブジェクト外観
(2) ネットワーク変数（NV）一覧
表 7-1 に変数の一覧を示します。
表 7-1 ノードオブジェクトの変数一覧
Index 名称 変数型 説明
nv1 nviRequest SNVT_obj_request 各 Object に対して，個々のモード設定を行う。
サポートする Request:
- RQ_NORMAL(0)
- RQ_ENABLED(7)
- RQ_DISABLED(1)
- RQ_UPDATE_STATUS(2)
- RQ_REPORT_MASK(5)
- RQ_CLEAR_ALARM(10)
nv2 nvoStatus SNVT_obj_status 各 object の状態をモニタする。
サポートする Status：
- object_id
- invalid_id
- invalid_request
- disabled
- in_alarm
- report_mask
nv8 nvoFileDirectory SNVT_address Configuration file が入っている Directory のスタートアドレ
スを示す。

13
日本語
(3) ネットワーク変数詳細説明
i) nviRequest
表 7-2 に nviRequest の各モードに対する応答一覧を示します。
表 7-2 nviRequest の応答一覧
Request ノードオブジェクトの応答 VSD オブジェクトの応答
RQ_NORMAL(0) -object と NV を通常モード（イネーブル）
にする
-nvoStatus を更新し出力
-object と NV を通常モード（イネーブ
ル）にする
-nvoStatus を更新し出力
RQ_ENABLE(7) 同上 同上
RQ_DISABLE(1) -運転中ならば，モータ停止
-Node Object はイネーブルのまま
-nvoStatus を更新し出力
-運転中ならば，モータ停止
-VSD Object は無効となる。NV の入力は無
視，出力は送信禁止
-nvoStatus を更新し出力
RQ_UPDATE_STATUS(2) -nvoStatus を更新し出力 -nvoStatus を更新し出力
RQ_REPORT_MASK(5) -サポートしている機能を 1 として応答
-nvoStatus を更新し出力
-サポートしている機能を 1 として応答
RQ_CLEAR_ALARM(10) -アラームリセット
-nvoStatus を更新し出力
-アラームリセット
-nvoStatus を更新し出力
上記以外の Request -Invalid request 応答
-nvoStatus を更新し出力
-Invalid request 応答
-nvoStatus を更新し出力
上記以外の objectID -Invalid request 応答
-nvoStatus を更新し出力
-Invalid request 応答
-nvoStatus を更新し出力
ii) nvoStatus
表 7-3 にサポートする Status の説明を示します。
表 7-3 nvoStatus 一覧
Status 説明
object_id リクエスト時に指定した Object ID を返す。
invalid_id 不正な Object ID に対して Request があった場合に 1 となる。
invalid_request Invalid request 応答時に 1 となる。
disabled VSD object が Disable 状態である時に 1 となる。
in_alarm インバータがアラーム中あるいはアラーム未解除時に 1 となる。
report_mask サポートする Statusを1とする。
(4) 構成プロパティ(CP)
ノードオブジェクト用の CP はサポートしていません。

14
7.3 VSD オブジェクト概要
(1) VSD オブジェクト概要
インバータの制御・状態のモニタを行います。図中の変数名の末尾に書かれている( )内は, その変数に連動
して変化するインバータ機能コードを示しています。
 ( )内に示したインバータ機能コードの詳細につきましては, 「RS-485 通信ユーザーズマニュアル
（MHT271）」の第 5 章「機能コードとデータフォーマット」を参照してください。
VSD object #1
nv1 nviDrvSpeedStpt (mandatory)
n
v4 nvoDrvSpeed (mandatory)
FUJI original NVs
n
v3 nvoDrvCurnt (M11)
n
v5 nvoDrvVolt (M12)
n
v6 nvoDrvPwr (M10)
n
v7 nvoDrvRu nHou rs (Z40)
…
nv2 nviDrvSpeedScale
nv9 nviFreqCmd (S05)
nv23 nvoDrvStatus (M14)
nv24 nvoOutputFreq (M09)
nv25 nvoDrvTorque (M07)
n
v26 nvoDrvEn erg y (W8 1)
n
v27 nvoDrvOpeHours (W70)
nv28 nvoOpeTm_1 (W67)
nv29 nvoOpeTm_2 (W68)
nv30 nvoDC busCa pacity (W7 5 )
nv31 nvoDrvTemp_1 (M61)
nv32 nvoDrvTemp_2 (M62)
nv33 nvoReadParamVal
nv34 nv oAc cess ErrCo de
nv35 nvoAIVal_1 (M49)
nv36 nvoAIVal_2 (M50)
nv37 nvoAI Val_ 3 (M54 )
nv38 nvo PI DF b ( M72 )
nv13 nviAOcmd (S12)
nv10 nviReadParamCode
nv11 nviWriteParaCode
nv12 nviWriteParamVal
nv15
nv14 nviDOcmd_Y1 (S07)
nv17 nviXcmd_1 (S06)
nv21 nviXcmd_5 (S06)
nv16 nviFWDcmd (S06)
nv22 nv1AlarmReset (S14)
Config uration Prop erties (24 個)
nv39 nvoYstatus_1 (M15)
nv43 nvoYstatus_5 (M15)
…
nv44 nvoXstatus_1 (M13)
nv48 nvoXstatus_5 (M13)
…
nv50 nvoAlarm (M16)
nv55 nvoAlarmCurrent (X21)
nv53 nvoAlarmFreq_1 (M31)
nv54 nvoAlarmFreq_2 (M35)
nv51 NvoAlarmLog (M17,
M
18, M19)
nv52 nvoAlarmOpCmd (M39)
nv57 nvoAlarmOpTime (M42)
nv58 nvoAlarmPower (X35)
nv59 nvoAlarmTorque (M33)
nv56 nvoAlarmVolt (M38)
nv49 nvoInAlarm (bit)
nviOpeCmd (S06)
nv8
図 7-2 VSD オブジェクト概観

15
日本語
(2) ネットワーク変数（NV）の説明
表 7-4 に変数の説明を示します。なお表中の機能コードの欄は, 該当のネットワーク変数と連動して変化す
るインバータ機能コードを示しています。
表 7-4 VSD オブジェクトの変数説明
Index 名称 変数型 説明 機能
コード
参照
ページ
nv1 nviDrvSpeedStpt SNVT_switch 起動・停止指令/簡易速度指令
（SCPT_nomFreq の周波数を 100%とする。）
- 20
nv2 nviDrvSpeedScale SNVT_lev_percent 簡易速度指令用の調整ゲイン。（本値が負
の値の場合は逆転方向となる）
- 20
nv3 nvoDrvCurnt SNVT_amp 出力電流値（実効値）モニタ。0.1A 刻み。 M11 -
nv4 nvoDrvSpeed SNVT_lev_percent 速度モニタ。SCPTnomFreq の周波数を
100%とする。
- 24
nv5 nvoDrvVolt SNVT_volt 出力電圧値（実効値）モニタ。0.1V 刻み。 M12 -
nv6 nvoDrvPwr SNVT_power_kilo 出力電力値モニタ。0.1kW 刻み。 M10 -
nv7 nvoDrvRunHours SNVT_time_hour 累積モータ運転時間。(機械系の寿命診断) Z40 -
nv8 nviOpeCmd SNVT_state 運転操作指令（正転・逆転指令，汎用入
力端子への指令）。インバータ通信専用機
能コード S06 と同じ。
S06 21
nv9 nviFreqCmd SNVT_freq_hz 周波数指令。0.1Hz 刻み。 S05 21
nv10 nviReadParamCode SNVT_count インバータの任意の機能コード読出し。
読出しを行う機能コードを指定。読出し
値は nv33 に出力。
- 21, 29
nv11 nviWriteParaCode SNVT_count インバータの任意の機能コードへの書込
み。書込みを行う機能コードを指定。
- 22, 31
nv12 nviWriteParamVal SNVT_count インバータの任意の機能コードへの書込
み。nv11 で指定した機能コードへの書込
みデータ。書込み結果は nv34 に出力。
- 22, 31
nv13 nviAOcmd SNVT_lev_percent インバータのアナログ出力に任意の出力
を指定。インバータ通信専用機能コード
S12 と同じ。
S12 22, 10
nv14 nviDOcmd_Y1 SNVT_switch インバータの汎用出力端子の Y1 端子
ON/OFF。1 で ON。（機能コード E20=27
（ユニバーサル Do）に設定要）
S07 22, 10
nv15 nviDOcmd_Y2 SNVT_switch インバータの汎用出力端子の Y2 端子
ON/OFF。1 で ON。（機能コード E21=27
（ユニバーサル Do）に設定要）
S07 22, 10
nv16 nviFWDcmd SNVT_switch インバータの汎用入力端子 FWD への指令
（S06のXF信号）。機能コード E98 で機
能選択可。初期状態では正転指令。
S06 23, 10
nv17 nviXcmd_1 SNVT_switch インバータの汎用入力端子 X1 への指令
（S06のX1信号）。
機能コード E01 で機能選択可。
S06 23, 10
nv18 nviXcmd_2 SNVT_switch インバータの汎用入力端子 X2 への指令
（S06のX2信号）。
機能コード E02 で機能選択可。
S06 23, 10
nv19 nviXcmd_3 SNVT_switch インバータの汎用入力端子 X3 への指令
（S06のX3信号）。
機能コード E03 で機能選択可。
S06 23, 10
nv20 nviXcmd_4 SNVT_switch インバータの汎用入力端子 X4 への指令
（S06のX4信号）。
機能コード E04 で機能選択可。
S06 23, 10

16
Index 名称 変数型 説明 機能
コード
参照
ページ
nv21 nviXcmd_5 SNVT_switch インバータの汎用入力端子 X5 への指令
（S06のX5信号）。
機能コード E05 で機能選択可。
S06 23, 10
nv22 nviAlarmReset SNVT_switch TRUE でアラームリセット。
アラームリセット後，自動的に False
となる。
S14 23
nv23 nvoDrvStatus SNVT_state 運転状態モニタ。インバータ通信専用機
能コード M14 と同じ。
M14 24
nv24 nvoOutputFreq SNVT_freq_hz 出力周波数モニタ。0.1Hz 刻み。 M09 -
nv25 nvoDrvTorque SNVT_lev_percent 出力トルクモニタ。定格トルクを 100%と
する。0.005%刻み。
M07 -
nv26 nvoDrvEnergy SNVT_elec _kwh 積算インバータ消費電力モニタ。 W81 -
nv27 nvoDrvOpeHours SNVT_time_hour インバータ電源稼働時間モニタ。
(インバータの寿命診断)
W70 -
nv28 nvoOpeTm_1 SNVT_time_hour プリント基板上の電界コンデンサの累積
運転時間。（制御回路の寿命診断）
W67 -
nv29 nvoOpeTm_2 SNVT_time_hour 冷却ファン累積運転時間。 W68 -
nv30 nvoDCbusCapacity SNVT_lev_percent 主回路コンデンサ容量。出荷状態を 100%
とする。
W75 -
nv31 nvoDrvTemp_1 SNVT_temp インバータ内気温度。1℃刻み。 M61 -
nv32 nvoDrvTemp_2 SNVT_temp 冷却フィン温度。1℃刻み。 M62 -
nv33 nvoReadParamVal SNVT_count 読出し機能コードのデータ。フォーマット
は 7.6 項参照。
- 24, 29
nv34 nvoAccessErrCode UNVT_ErrCode
(1byteHex × 3)
機能コード書き込み後のエラーコードと
アクセスした機能コード。
nv11, nv12 による機能コードアクセス時
のみ更新し，LON 上に出力する。
- 25, 31
nv35 nvoAIval_1 SNVT_lev_percent 12 端子の入力電圧。
（10V で 100%，0V で 0%）
M49 25
nv36 nvoAIval_2 SNVT_lev_percent C1 端子の入力電流。
（20mA で 100%，4mA または 0mA で 0%）
M50 25
nv37 nvoAIval_3 SNVT_lev_percent V2 端子の入力電圧。
（10V で 100%，0V で 0%）
M54 25
nv38 nvoPIDFb SNVT_lev_percent PID フィードバック値モニタ。（％値） M72 26
nv39 nvoYstatus_1 SNVT_switch 汎用出力端子 Y1 の状態。E20 で機能選択。 M15 26
nv40 nvoYstatus_2 SNVT_switch 汎用出力端子 Y2 の状態。E21 で機能選択。 M15 26
nv41 nvoYstatus_3 SNVT_switch 汎用出力端子 Y3 の状態。E22 で機能選択。 M15 26
nv42 nvoYstatus_4 SNVT_switch 未使用 - -
nv43 nvoYstatus_5 SNVT_switch 汎用リレー出力端子 Y5A/C の状態。E24 で
機能選択。
M15 26
nv44 nvoXstatus_1 SNVT_switch 汎用入力端子 X1 指令の状態。機能コード
E01=25(ユニバーサル DI)時は物理的 X1
端子の ON/OFF 状態を出力する。
M13 26
nv45 nvoXstatus_2 SNVT_switch 汎用入力端子 X2 指令の状態。機能コード
E02=25(ユニバーサル DI)時は物理的 X2
端子の ON/OFF 状態を出力する。
M13 26