HOWA MACHINERY HH11C User manual

中実回転油圧シリンダ
NON-THROUGH-HOLE ROTATING HYDRAULIC CYLINDER
HH11C
HH11CHH11C
HH11C
取扱説明書
INSTRUCTION MANUAL
豊和工業株式会社
HOWA MACHINERY, LTD.
重要
重要重要
重要
本取扱説明書をよく読み,内容を十分理解した
上でこの製品を使用してください。
この取扱説明書は大切に保管し,製品の所有者
が変わった場合,この説明書も新しい所有者に
手渡してください。
IMPORTANT
Be sure to read th s nstruct on manual
thoroughly before operat ng the rotat ng
cyl nder.
Please save th s manual. When
ownersh p of th s product s transferred,
subm t th s manual to the new owner.

目 次
はじめに ······················································ 1
安全についてのインフォメーション ······························ 1
安全のために ·················································· 2
1.構造と作動
1.1 形番表示 ··············································· 5
1.2 構造と作動 ··············································· 5
2.仕様 ······················································ 6
3.取付け方法
3.1 シリンダアダプタ ······································· 8
3.2 コネクチングロッド ····································· 9
3.3 取付け・回り止め ······································ 10
3.4 配管 ·················································· 11
3.5 ドレンポート ············································ 11
3.6 油圧ユニット・作動油・油圧回路 ······················· 12
3.7 リミットスイッチの調整 ·································· 13
3.8 ストローク規制 ······································· 13
3.9 試運転 ··············································· 13
4.保守・点検
4.1 作動油の点検 ········································· 14
4.2 分解・パーツリスト ··································· 15
限定保証 ···················································· 17

-1-
1. この取扱説明書は,HH11C 形回転油圧シリンダの標準形について説明しています。
2. この回転シリンダをご使用いただく前に,必ずこの取扱説明書を熟読し,取付け・運転・点検・保守について十
分に理解した上でご使用くださるようお願いします。
3. この取扱説明書の記載事項を守らない場合,作業者や周りの人を巻き込んだ重大な事故や機械の破損に結びつく
事があります。
4. この取扱説明書は常に手元に置き,紛失しないように大切に保管してください。
5. この取扱説明書と,この取扱説明書が対象とする製品についての問い合わせは下記へお願いします。
またこの取扱説明書を紛失したときも下記へ直接請求してください。
豊和工業株式会社
豊和工業株式会社豊和工業株式会社
豊和工業株式会社
機械事業部
機械事業部機械事業部
機械事業部 CE
CE CE
CE 営業
営業営業
営業グループ
グループグループ
グループ
機器
機器機器
機器チーム
チームチーム
チーム
〒452-8601 愛知県清須市須ケ口 1900 番地 1
TEL (052)408-1254
FAX (052)409-3766
6. この取扱説明書は SI 単位で書かれています。 従来単位による数値は以下の式で求めることができます。
圧 力 1MPa=10.197kgf/cm
2
トルク 1N·m=0.10197kgf·m
この製品を安全にご使用していただくために必要な警告事項を,安全警告シンボルと共に記載してあります。 警告
事項を良く読み,十分に理解してください。
この取扱説明書の警告メッセージをより良く理解していただくために,警告シンボルを次のように使い分けてあり
ます。
当社は,あらゆる環境下における運転・操作・点検・保守のすべての危険を予測することはできません。 そのため,
この取扱説明書に明記されている警告は,安全のすべてを網羅したものではありません。
また,「できないこと」や「してはいけないこと」は極めて多くあり,この取扱説明書にすべて書く事はできません。
この取扱説明書に「できる」と書いてない限り,「できない」と考えてください。 もし,この取扱説明書に書かれ
ていない運転・操作・点検・保守を行う場合,安全に対する必要な配慮は,すべて自分の責任でお考え願います。
はじめに
安全についてのインフォメーション
この表示は,取扱いを誤った場合に,重傷もしくは死に至る危険が切迫して生じることが想
定される事項を示します。
これらの警告メッセージには,危険を回避するのに講じなければならない予防措置が含まれ
ます。
この表示は,取扱いを誤った場合に,重傷もしくは死に至る可能性が想定される事項を示し
ます。
これらの警告メッセージには,危険を回避するのに講じなければならない予防措置が含まれ
ます。
この表示は,取扱いを誤った場合に,軽微なケガの発生または機械の損傷が想定される状態
を示します。
危険
危険危険
危険
警告
警告警告
警告
注意
注意注意
注意

-2-
ご使用の前に特に知っておいていただきたいこと,守っていただきたいことをまとめています。 必ずお読みくださ
い。
安全のために
スピンドル
スピンドルスピンドル
スピンドル回転中
回転中回転中
回転中は
はは
は,
,,
,油圧
油圧油圧
油圧ポンプの
ポンプのポンプの
ポンプの電源
電源電源
電源を
をを
を切
切切
切ってはならない
ってはならないってはならない
ってはならない。
。。
。
把握したワークが飛散し危険です。
スピンドル
スピンドルスピンドル
スピンドル回転中
回転中回転中
回転中は
はは
は,
,,
,切換弁
切換弁切換弁
切換弁の
のの
の操作
操作操作
操作を
をを
を行
行行
行ってはならない
ってはならないってはならない
ってはならない。
。。
。
把握したワークが飛散し危険です。
スピンドル
スピンドルスピンドル
スピンドル回転中
回転中回転中
回転中は
はは
は,
,,
,スピンドルカバーの
スピンドルカバーのスピンドルカバーの
スピンドルカバーの中
中中
中に
にに
に体
体体
体の
のの
の一部
一部一部
一部を
をを
を入
入入
入れて
れてれて
れて
はならない
はならないはならない
はならない。
。。
。
回転物に巻き込まれ危険です。
電磁弁
電磁弁電磁弁
電磁弁は
はは
は,
,,
,無通電時把握
無通電時把握無通電時把握
無通電時把握する
するする
する回路
回路回路
回路とすること
とすることとすること
とすること。
。。
。
把握したワークが飛散し危険です。
把握中
把握中把握中
把握中は
はは
は,
,,
,油
油油
油圧力
圧力圧力
圧力を
をを
を一定
一定一定
一定に
にに
に保
保保
保つこと
つことつこと
つこと。
。。
。
把握したワークが飛散し危険です。
回転
回転回転
回転シリンダの
シリンダのシリンダの
シリンダの取付
取付取付
取付け・
け・け・
け・点検
点検点検
点検・
・・
・保守
保守保守
保守の
のの
の時
時時
時には
にはには
には,
,,
,電源
電源電源
電源を
をを
を切
切切
切ること
ることること
ること。
。。
。
回転物に巻き込まれ危険です。
回転
回転回転
回転シリンダの
シリンダのシリンダの
シリンダの外周
外周外周
外周にはカバーを
にはカバーをにはカバーを
にはカバーを付
付付
付けること
けることけること
けること。
。。
。
回転物に巻き込まれ危険です。
スピンドル
スピンドルスピンドル
スピンドル回転中
回転中回転中
回転中は
はは
は,
,,
,スピンドルカバーを
スピンドルカバーをスピンドルカバーを
スピンドルカバーを開
開開
開いてはならない
いてはならないいてはならない
いてはならない。
。。
。
回転シリンダが焼付いた時,部品が飛散し危険です。
使用回転数
使用回転数使用回転数
使用回転数は
はは
は,
,,
,回転
回転回転
回転シリンダおよびチャックの
シリンダおよびチャックのシリンダおよびチャックの
シリンダおよびチャックの最高使用回転数
最高使用回転数最高使用回転数
最高使用回転数の
のの
の
範囲内
範囲内範囲内
範囲内で
でで
で使用
使用使用
使用すること
することすること
すること。
。。
。
破損,焼付きの原因となります。
落
落落
落したり
したりしたり
したり叩
叩叩
叩いたりして
いたりしていたりして
いたりして衝撃
衝撃衝撃
衝撃を
をを
を与
与与
与えないこと
えないことえないこと
えないこと。
。。
。
破損,焼付きの原因となります。
危険
危険危険
危険
警告
警告警告
警告

-3-
取付
取付取付
取付けボルトの
けボルトのけボルトの
けボルトの締付
締付締付
締付けは
けはけは
けは確実
確実確実
確実に
にに
に行
行行
行うこと
うことうこと
うこと。
。。
。
指定の締付けトルクを守らないと,ボルトの緩み,ボルトの破損により
部品,ワークの飛散が発生するおそれがあります。
ボルトのサイズと締付けトルクを下表に示します。
ボルトサイズ
M8 M10 M12 M16
締付けトルク
(N·m)
29.4 57.9 101 161
使用油圧力
使用油圧力使用油圧力
使用油圧力はチャックの
はチャックのはチャックの
はチャックの仕様
仕様仕様
仕様に
にに
に合
合合
合わせること
わせることわせること
わせること。
。。
。
ただし
ただしただし
ただし回転
回転回転
回転シリンダの
シリンダのシリンダの
シリンダの最高使用油圧力
最高使用油圧力最高使用油圧力
最高使用油圧力を
をを
を超
超超
超えてはならない
えてはならないえてはならない
えてはならない。
。。
。
過大な圧力を加えると回転シリンダ,またはチャックが破損するおそれ
があります。
コネクチングロッドは
コネクチングロッドはコネクチングロッドは
コネクチングロッドは,
,,
,ねじ
ねじねじ
ねじ部
部部
部に
にに
に接着剤
接着剤接着剤
接着剤を
をを
を塗布
塗布塗布
塗布し
しし
し,
,,
,適正
適正適正
適正なトルク
なトルクなトルク
なトルク
で
でで
で締付
締付締付
締付けること
けることけること
けること。
。。
。
ねじが緩むとチャックのジョーストロークが短くなり,ワーク飛散の原
因となります。
接着剤:スリーボンド 1344 相当品を使用してください。
コネクチングロッドの締付けトルクを下表に示します。
ボルトサイズ M16 M20 M24 M30
締付けトルク
(N·m)
61 117 209 393
油圧供給
油圧供給油圧供給
油圧供給ラインにはストレーナを
ラインにはストレーナをラインにはストレーナを
ラインにはストレーナを組込
組込組込
組込むこと
むことむこと
むこと。
。。
。
回転シリンダ内に異物が混入すると,焼付きの原因となります。
20μm以下のストレーナを圧力供給ラインに組込んでください。
消耗品
消耗品消耗品
消耗品を
をを
を含
含含
含むすべての
むすべてのむすべての
むすべての部品
部品部品
部品は
はは
は豊和工業
豊和工業豊和工業
豊和工業へ
へへ
へ注文
注文注文
注文してください
してくださいしてください
してください。
。。
。
豊和工業が扱う以外の部品を用いて発生する事故については,その責を
負いかねます。 また豊和工業の純正部品を用いない限り,すべての保
証は無効になります。
警告
警告警告
警告
リミットスイッチの
リミットスイッチのリミットスイッチの
リミットスイッチの調整
調整調整
調整は
はは
は,
,,
,回転
回転回転
回転を
をを
を止
止止
止めて
めてめて
めて行
行行
行うこと
うことうこと
うこと。
。。
。
回転物に巻き込まれ危険です。
ドッグプレートはピストンの作動とともに移動します。指などを挟まな
いよう十分注意してくだい。

-4-
注意
注意注意
注意
回転
回転回転
回転シリンダの
シリンダのシリンダの
シリンダの取付
取付取付
取付け
けけ
け,
,,
,取外
取外取外
取外しの
しのしの
しの時
時時
時,
,,
,吊
吊吊
吊りベルトを
りベルトをりベルトを
りベルトを使用
使用使用
使用すること
することすること
すること。
。。
。
手を滑らして回転シリンダを落したり,腰をいためたりするおそれがあ
ります。
作動油
作動油作動油
作動油を
をを
を給油
給油給油
給油するときは
するときはするときは
するときは,
,,
,電源
電源電源
電源を
をを
を切
切切
切り
りり
り火気厳禁
火気厳禁火気厳禁
火気厳禁のこと
のことのこと
のこと。
。。
。
引火するおそれがあります。

-5-
1
11
1.
..
.構造
構造構造
構造と
とと
と作動
作動作動
作動
1.1
1.1 1.1
1.1 形番表示
形番表示形番表示
形番表示
HH11C 形中実形回転油圧シリンダは次のように分類されます。
1.
1.1.
1.2
22
2
構造
構造構造
構造と
とと
と作動
作動作動
作動
HH11C 形中実形回転油圧シリンダは,大きく分けてシリンダ,ピストンボデー,ディストリビュータより構成さ
れており,ディストリビュータから供給された圧油によってシリンダ内をピストンボデーが軸方向に移動します。
そしてピストンボデーの右端に設けたねじ部にコネクチングロッドを接続することにより,この軸方向の動きをチ
ャックに伝え,爪の開閉とワークの把握を行います。
ディストリビュータ部は,シリンダと共に回転するディストリビュータシャフトと,回転しないディストリビュー
タハウジングから成っており,その隙間から漏れた油はベアリングの冷却と潤滑に使われた後,ドレンポートから
回収されます。 このようにドレンポートから流出する油の量をドレン量,圧力の加わっているポートから圧力の加
わっていないポートへ短絡する油の量を内部リーク量と呼んでおり,仕様表に書かれたこれらの合計は油圧ポンプ
の吐出量を決める上で必要になってきます。
HH11C 形回転油圧シリンダはリミットスイッチとこれを開閉するためのドグを内蔵していますから,ピストンの
位置を電気的に検出することができます。ドグの位置は自由に調整することができますから,チャックの開閉状態
の検出だけでなく,ワークの把握確認や把握径の偏差検出に応用することもできます。
HH11C 形の検出部はピストンに結合されてディストリビュータシャフトを貫通するパイプ,ベアリングを介して
パイプの軸方向の動きをロッドに伝えるアーム,そしてドグ調整溝にドグを取付けてロッドと共に軸方向に移動す
るドグプレートから成っています。ピストンの動きは機械的にドグに伝達されますから,動作は安定しており,微
小な変位の検出にも対応することができます。
HH
HHHH
HH11
1111
11C
CC
C
80
8080
80・
・・
・100
100100
100・
・・
・125
125125
125・
・・
・140
140140
140・
・・
・160
160160
160・
・・
・200
200200
200
サイズ

-6-
2
22
2.
..
.仕様
仕様仕様
仕様
・
・・
・仕様
仕様仕様
仕様
HH11C
形式番号
仕様
80 100 125 140 160 200
押側
47.7
75.4
119.5
150.8
197.9
309.7
ピストン面積 cm
2
引側
44.3
72.0
114.0
142.7
189.8
295.8
ピストンストローク mm
15 20 25 35 35 35
最高使用回転数 r/min
5000
5000
5000
4500
4500
4000
最高使用圧力 MPa
3.4 3.4 3.4 3.4 3.4 3.4
慣性モーメント 注 1 kg・m
2
0.008
0.013
0.020
0.035
0.055
0.13
質量 kg
6.5 7.5 9.5 11 13.5
19.5
総ドレン量 注 2 L/min
0.35
0.35
0.35
0.35
0.35
0.3
ストローク
ストロークストローク
ストローク確認装置仕様
確認装置仕様確認装置仕様
確認装置仕様
リミトスイッチ形式 ZC-Q2255
メーカ オムロン(株)
最大電圧 250V
最大抵抗負荷(250V 時) 10A
コネクタの形式,メーカ NCS 255P/R
(株)七星科学研究所
回路図
回路図回路図
回路図
注:1. この値の 4 倍が GD
2
に相当します。
2. ISO VG32 , 油圧力:3.0MPa , 出口油温:50℃

-7-
・
・・
・寸法
寸法寸法
寸法
HH11C
形式番号
記号 80 100 125 140 160 200
A 内径
80 100 125 140 160 200
B 115 135 160 180 200 245
C --- --- --- --- 160 180
D 90 100 130 130 130 145
E h7 65 80 110 110 110 120
F 25 25 30 35 35 45
Max.
45 45 50 55 55 70
G Min.
30 25 25 20 20 35
H 6 6 6 6 6 6
J 80 95 102 115 120 138
K 146 151 156 176 176 186
L 深サ
M8-16 M10-19 M12-20 M12-20 M12-20 M16-28
M1 M16×2 M16×2 M20×2.5
M24×3 M24×3 M30×3.5
M2 30 30 40 40 40 50
M4 22 22 27 32 32 41
M5 15 15 15 15 15 20
N1 3/8 3/8 3/8 3/8 3/8 1/2
N2 3/8 3/8 3/8 3/8 3/8 3/8
O 90 90 90 90 90 100
P 42 42 42 42 42 46
Q 18 18 18 18 18 30
R 32 32 32 32 32 62
T1 38 38 38 38 38 45
U1 15 15 15 15 15 18
U2 38 38 38 38 38 40
U3 24 24 24 24 24 0
V1 78 78 78 78 78 80
V2 93 93 93 93 93 100

-8-
3
33
3.
..
.取付
取付取付
取付け
けけ
け方法
方法方法
方法
回転シリンダを取付けるスピンドル後端の形状は,規格統一がされておらず千差万別であるのが実情ですから,最
も代表的な形状を一例として取上げます。
3.1
3.13.1
3.1
シリンダアダプタ
シリンダアダプタシリンダアダプタ
シリンダアダプタ
回転シリンダの取付け位置は旋盤本体との干渉,配管の方向や位置,通風などを考慮して決めなければなりません。
回転シリンダには,スピンドルの起動,停止,振動による慣性力およびシリンダ出力が加わりますから,これに耐
え得るよう十分な剛性を持ったシリンダアダプタを設計する必要があります。
回転シリンダ取付け時の振れを修正できるように,回転シリンダ取付け用インロ部の寸法公差は F7 で製作してく
ださい。
また,回転シリンダの不つり合いは高度に調整してありますから,これを損なわないようシリンダアダプタのバラ
ンスには十分の注意を払ってください。
シリンダアダプタは,面振れおよびインロの振れが 0.005mm 以下となるようにスピンドル
に取付けてください。 振れが大きいと振動の原因になります。
また,ねじ部の緩みを防止するため,セットスクリュを設けてください。
注意
注意注意
注意

-9-
3.2
3.23.2
3.2
コネクチングロッド
コネクチングロッドコネクチングロッド
コネクチングロッド
回転シリンダの出力はコネクチングロッドを介してチャックに伝えられ,爪の開閉とワークの把握を行います。
コネクチングロッドをピストンボデーにあらかじめねじ込んでから,回転シリンダを取付け,その後チャックを取
付けます。
コネクチングロッドは最大推力(ピストン面積×最高使用油圧力)に十分耐えられる強度が必要です。
コネクチングロッドには回転シリンダとの結合部付近にレンチフラットを設けておき,これを利用してピストンロ
ッドに締付けます。
コネクチングロッドのピストンロッドに対する締付け面の振れはコネクチングロッドの過度の傾斜を防ぐために
0.020mmT.I.R.以内としてください。
また,コネクチングロッドの自重による傾斜や振動を防止するためには,スピンドルのチャック取付け部近くに図
示のようなカラーを取付けると有効です。
コネクチングロッドは,ピストンボデーとコネクチングロッドのねじ部を十分脱脂した後,コ
ネクチングロッドのねじ部に接着剤を塗り,適正なトルクで締付けます。
接着剤:スリーボンド 1344 相当品を使用してください。
コネクチングロッドの締付けトルクを下表に示します。
ボルトサイズ M16 M20 M24 M30
締付けトルク
(N·m)
61 117 209 393
回転シリンダの回り止めは,ピストンロッドに設けたレンチフラットにスパナを掛けて行って
ください。 シリンダ自体を固定してコネクチングロッドを締付けると,締付け力のために内
部の部品を破損することがあります。
警告
警告警告
警告
注意
注意注意
注意

-10-
3.
3.3.
3.3
3 3
3 取付
取付取付
取付け・
け・け・
け・回
回回
回り
りり
り止
止止
止め
めめ
め
回転シリンダを取付ける上で大切なことは,回転シリンダに無理な力が加わらないようにすることです。
回転シリンダ取付け時の振れは,シリンダ外周で 0.020mm T.I.R. 以下としてください。
回転シリンダの取付けボルトは確実に締付けてください。
ボルトのサイズと締付けトルクを下表に示します。
ボルトサイズ
M8 M10 M12 M16
締付けトルク
(N·m)
29.4 57.9 101 161
回転シリンダを回転させると,作動油の粘性のためディストリビュータに多少のトルクが生じ
ます。
このトルクによって生じる力を受けるために,配管材に鋼管を用いたり,ディストリビュータ
を旋盤の一部へ固定したりすると,回転シリンダ全体に無理な力が加わり,故障や振動の原因
になります。 ですから,配管材にはフレキシブルホースを使用し,ディストリビュータの回
り止めには図示のような余裕のあるフォークを用いてください。
警告
警告警告
警告
注意
注意注意
注意

-11-
3.
3.3.
3.4
4 4
4 配管
配管配管
配管
回転シリンダのディストリビュータ部には油圧供給ポートが 4 ヶ所と,ドレンポートが 1 ヶ所あります。
油圧供給ポート 4 ヶ所のうち,納入時においてはドレンポートと同一方向の 2 ヶ所にはポリエチレンプラグが,ま
た直角方向の 2 ヶ所には盲栓がねじ込んであります。
シリンダ寄りの 2 ヶ所のうちどちらに圧力を加えてもピストンボデーは右方向へ,またディストリビュータ寄りの
2 ヶ所のうちどちらに圧力を加えてもピストンボデーは左方向に動きますから,必要に応じて盲栓を外し配管方向
を変えてください。
3.
3.3.
3.5
5 5
5 ドレンポート
ドレンポートドレンポート
ドレンポート
回転シリンダは回転部にオイルシールを用いていますからドレンポートに多少の背圧が加わっても問題ありません。
下図に示したような配管は避けるように特に注意してください。
油圧回路は,配管内のゴミを完全に取除いてから組付けてください。 配管内にゴミが入ると,
回転シリンダ焼付きの原因となります。 また,回転シリンダの性能を保持するために,必ず
20μm以下のストレーナを圧力供給ラインに組込んでください。
ドレンポートに過度の背圧を加えると外部漏れの原因になります。 背圧は 0.015MPa 以下と
してください。
回転シリンダの中心に対するドレンホースの高さは 1.7m 以下としてください。
ドレンホースが折れ曲がっている。
警告
警告警告
警告
注意
注意注意
注意

-12-
3.
3.3.
3.6
6 6
6 油圧
油圧油圧
油圧ユニット・
ユニット・ユニット・
ユニット・作動油
作動油作動油
作動油・
・・
・油圧回路
油圧回路油圧回路
油圧回路
回転シリンダ専用に油圧ユニットを設置するときには,使用する回転シリンダの大きさ,許容油圧力,および必要
なチャックの把握力などを考慮して仕様を決定してください。 不必要に大きなモータや吐出量の多すぎるポンプを
使用すると,油温が上昇し弊害が発生するおそれがあります。
通常,回転シリンダ用油圧ユニットは,吐出量 25L/min,圧力 3.5MPa,タンク容量 40~60L 程度のものが使
用されます。
取付機械自体に油圧源がある場合,油圧回路を分岐して使用しても差し支えありませんが,回転シリンダの回路に
は必ず専用の減圧弁および圧力計を設けてください。
作動油は,40℃で 32mm
2
/sec(ISO VG32 相当)の粘度で,対摩耗性および消泡性のあるものを推奨します。
不適切な作動油を用いると,製品の寿命を著しく縮めることがあります。
回転シリンダを高速回転で連続使用すると,作動油の油温が上昇します。 高温になるとシール材および作動油の劣
化が急速に進行します。 クーラを使用して,油温が 60℃を超えないようにしてください。
油圧源の圧力設定に調圧応答性の悪い減圧弁を用いると,過大なサージ圧が発生し,シリンダ
の作動不良・破損につながりますので,サージ圧を低くおさえるようにしてください。
最低吐出量がドレン量と内部リーク量の合計を下回ると,回転シリンダの内部圧力が保てなく
なりますから,回路設計には十分注意してください。
推奨油種
ダフニースーパーマルチオイル 32
ダイヤモンドルブ RO32
モービル DTE(ライト)
シェルテラスオイル 32
エッソテレッソ 32
作動油を給油するときは,引火を防止するため,電源を切り火気厳禁で実施してください。
注意
注意注意
注意
注意
注意注意
注意
注意
注意注意
注意

-13-
3.
3.3.
3.7
7 7
7 リミットスイッチの
リミットスイッチのリミットスイッチの
リミットスイッチの調整
調整調整
調整
HH11C 形に装着されているストローク確認装置は,ピストンが右側ストロークエンドで No.1 リミットスイッチ
が検知,またピストンが左側ストロークエンドで No.2 リミットスイッチが検知するように調整してあります。こ
のため,もしそれ以外の場所で検知する場合にはドグの位置を変えなければなりません。
ドグの調整は,スイッチカバーを外して,ドグ固定ボルトを緩めて行います。
検出個所を 3 位置以上とする場合には,ドグを別途御注文ください。
3.
3.3.
3.8
8 8
8 ストローク
ストロークストローク
ストローク規制
規制規制
規制
チャックのプランジャストロークが回転シリンダのストロー
クよりも短い場合,チャックのプランジャストロークに合わ
せて回転シリンダのストロークを規制する場合があります。
実施に当たっては当社にお問合せください。
3.
3.3.
3.9
9 9
9 試運転
試運転試運転
試運転
① 作動油を油圧ユニットの注油口から油面計の上限まで入れます。
② まず油圧力を 0.5MPa 以下に設定し,作動に異常がないか確認します。 その後,徐々に最高使用圧力まで上昇
させ,各部の油漏れや異常がないか調べます。
③ スピンドルを 200~300r/min で回転させ,各部の振動や異音に注意しながら徐々に回転数を上昇させます。
スピンドル回転中は,回転部に不注意に体を近付けたり,回転部に触れたりしないように十分
注意してください。
警告
警告警告
警告
リミットスイッチの調整は,スピンドルの回転を止めて行ってください。
また,指などを挟まないよう十分注意してください。
警告
警告警告
警告

-14-
4
44
4.
..
.保守
保守保守
保守・
・・
・点検
点検点検
点検
4
44
4.1
.1.1
.1
作動油
作動油作動油
作動油の
のの
の点検
点検点検
点検
ベアリングの冷却と潤滑はドレンを利用して行われますから,清浄な作動油を使用する限り特別の潤滑油は必要
ありません。 ですから,作動油を常に点検して清浄に保つことが,この回転シリンダの保守にとって最も大切です。
作動油の点検は次の点に注意して行ってください。
●水分の除去
空気の温度や湿度が高い場合には,水分が油圧ユニットのタンクの底にたまることがありますから,1週間に1
回程度の割合で排出してください。
●ストレーナの洗浄
1ヵ月に1回程度油圧ユニットのストレーナを外し,洗浄油で洗ってから,内側から圧縮空気を吹き込んで異物
を取除いてください。
●作動油の交換
1年に1回程度作動油を交換してください。 交換の際は油温を上げてから行うのが効果的で,古い油はできる
だけ残らないように取出します。 汚れが特にひどい場合は,洗浄油でタンク内部を洗浄すれば効果的です。
4
44
4.
..
.2
2 2
2 分解
分解分解
分解・パーツリスト
・パーツリスト・パーツリスト
・パーツリスト
回転シリンダは,正しく取付けて清浄な作動油を使用していれば,きわめて長い寿命を保つことができます。 し
かしもし何らかの原因で故障が生じた場合には,分解して必要に応じて部品を交換しなければなりません。
☆
☆☆
☆HH11C
HH11CHH11C
HH11C 形
形形
形の
のの
の分解手順
分解手順分解手順
分解手順
① ボルト(47)を外して,ブラケット(40)をカバー(43)とリミットスイッチ(44)とともに外します。
② ボルト(35)を外して,ドグプレート(34)を外します。
③ ディストリビュータカバー(29)とシールボルト(2)を外すと,パイプ(12),アーム(26),ベアリング
(23),ロッド(33)を同時に抜き出すことができます。
④ ベアリングナット(22)とベアリングワッシャ(21)を外した後,ギヤー抜きなどの工具を用いて,ディスト
リビュータハウジング(19)を抜き出します。
⑤ ボルト(13)を外してから,ディストリビュータシャフト(14)のジャッキボルト穴にボルトをねじ込み,こ
れを抜き出します。
⑥ ボルト(1)を外した後,ロッドカバー(3)をジャッキボルト穴に棒先止めねじをねじ込んで外します。
⑦ ピストン(6)とガイドバー(8)を外します。
注意:① シールボルト(2)およびボルト(13)を外すことにより,ディストリビュータ部は分解することなく
取外すことができます。また,シールボルト(2)を外すことにより,ディストリビュータ部を分解する
ことなく,ピストンを取外すことも可能です。
② ディストリビュータの組付け後,ベアリングナット(22)の締め付けトルクは,はじめに 8N・m で締
め付けてから完全に緩め,再び 1.0~1.5N・m で締め付けることにより与圧を発生させます。ベアリン
グの圧入は治具を使用し,傾きのないように注意して行ってください。
回転シリンダのシールや構成部品をピストン作動回数 25 万往復毎に細部まで分解点検し,
シールの摩耗や部品の損傷がある場合は交換してください。
注意
注意注意
注意

-15-
☆
☆☆
☆パーツリスト
パーツリストパーツリスト
パーツリスト
HH11C
HH11CHH11C
HH11C 形
形形
形
番号
品 名 数量
番号
品 名 数量
1 ボルト ※12
26
アーム 1
2 シールボルト 1 27
六角ナット 1
3 ロッドカバー 1 28
ガスケット 1
4 ロッドシール 1 29
ディストリビュータカバー 1
5 Oリング 1 30
ボルト 3
6 ピストン 1 31
ボルト 1
7 スプリングピン 1 32
割ピン 1
8 ガイドバー 2 33
ロッド 1
9 Oリング 1 34
ドグプレート 1
10
シリンダボデー 1 35
ボルト 2
11
Oリング 1 36
ボルト 2
12
パイプ 1 37
ドグ 2
13
ボルト 6 38
Oリング 1
14
ディストリビュータシャフト 1 39
六角ナット ※※4
15
スナップリング 1 40
ブラケット 1
16
オイルシール 1 41
ダストプルーファ 1
17
ワッシャ 1 42
パッキン 1
18
ボールベアリング 1 43
カバー 1
18a
ボールベアリング 1 44
リミットスイッチ 2
19
ディストリビュータハウジング 1 45
バネ座金 2
20
プラグ 2 46
小ネジ 2
21
ベアリングワッシャ 1 47
ボルト 4
22
ベアリングナット 1 48
パッキン 1
23
ボールベアリング 2 49
レセプタクル 1
24
スペーサ 1 50
小ネジ 3
25
スナップリング 1 51
プラグ 1
注)※印の個数は 6 個です。
※※印の六角ナットはリミットスイッチに付属しています。

-16-
HH11C
番号
品 名 80 100 125 140 160 200 数量
4 ロッドシール USH-25
(NOK)
USH-30
(NOK)
USH-35
(NOK)
USH-45
(NOK) 1
5 Oリング G75
(JIS)
G95
(JIS)
G120
(JIS)
G135
(JIS)
AS568-
258
AS568-
264 1
9 Oリング P70
(JIS)
P90
(JIS)
P115
(JIS)
P130
(JIS)
P150
(JIS)
P185
(JIS) 1
11
Oリング G40
(JIS)
G45
(JIS) 1
16
オイルシール AC1893E0
(NOK)
S03005011A
(JIS) 1
18
ボールベアリング
6005
(JIS) 1
18a
ボールベアリング
6005
(JIS) 1
23
ボールベアリング
6000ZZ
(JIS) 2
28
ガスケット 豊和工業専用部品 1
38
Oリング P20
(JIS) 1
41
ダストプルーファ
豊和工業専用部品 1
42
パッキン 豊和工業専用部品 1
48
パッキン 豊和工業専用部品 1

-17-
限
限限
限
定
定定
定
保
保保
保
証
証証
証
売り主は製品が,頒布されている仕様条件に従って製造されたもので,材料上および/または仕上げ上欠
陥がないことを保証いたします。
売り主は,工場へ元のまま返品された運送費前払いのもので,売り主が点検して材料および/または仕上
げに欠陥があると判断した製品は,売り主の自由意志で,修理もしくは交換をいたします。 前記のものに
ついては,それが売り主の保証違反に対する唯一の救済となるものとします。
売
売売
売り
りり
り主
主主
主は
はは
は,
,,
,これに
これにこれに
これに限定
限定限定
限定されるわけではありませんが
されるわけではありませんがされるわけではありませんが
されるわけではありませんが,
,,
,市場性
市場性市場性
市場性や
やや
や市販性
市販性市販性
市販性に
にに
に関
関関
関する
するする
する保証
保証保証
保証,
,,
,特定
特定特定
特定の
のの
の目的
目的目的
目的または
またはまたは
または用
用用
用
途
途途
途に
にに
に関
関関
関する
するする
する保証
保証保証
保証,
,,
,もしくは
もしくはもしくは
もしくは特許侵害
特許侵害特許侵害
特許侵害に
にに
に対
対対
対する
するする
する保証
保証保証
保証など
などなど
など本保証条件以外
本保証条件以外本保証条件以外
本保証条件以外のものは
のものはのものは
のものは,
,,
,明示
明示明示
明示の
のの
の保証
保証保証
保証であろうと
であろうとであろうと
であろうと黙示
黙示黙示
黙示
の
のの
の保証
保証保証
保証であろうと
であろうとであろうと
であろうと,
,,
,なんらの
なんらのなんらの
なんらの保
保保
保証
証証
証もいたしません
もいたしませんもいたしません
もいたしません。
。。
。売
売売
売り
りり
り主
主主
主は
はは
は,
,,
,いかなる
いかなるいかなる
いかなる直接的損害
直接的損害直接的損害
直接的損害,
,,
,付帯的
付帯的付帯的
付帯的もしくは
もしくはもしくは
もしくは間接的
間接的間接的
間接的
な
なな
な損害金
損害金損害金
損害金,
,,
,あるいは
あるいはあるいは
あるいは欠陥製品
欠陥製品欠陥製品
欠陥製品もしくは
もしくはもしくは
もしくは製品
製品製品
製品の
のの
の使用
使用使用
使用に
にに
に起因
起因起因
起因する
するする
する損害金
損害金損害金
損害金または
またはまたは
または費用
費用費用
費用については
についてはについては
については,
,,
,なんら
なんらなんら
なんら責任
責任責任
責任はな
はなはな
はな
いものといたします
いものといたしますいものといたします
いものといたします。
。。
。

Table of Contents
Precaut ons ······························································ 1
For Safe Operat on ···················································· 1
Safety Precaut ons ····················································· 2
1. Construct on and Operat on
1.1 Model Cod ng ··················································· 5
1.2 Construct on and Operat on ································· 5
2. Spec f cat ons ························································ 6
3. Installat on
3.1 Cyl nder Adaptor ··············································· 8
3.2 Connect ng Rod ················································ 9
3.3 Mount ng and Ant -roll ng Gu de ·························· 10
3.4 P p ng ···························································· 11
3.5 Dra n Port ··························································· 11
3.6 Hydraul c Un t, Hydraul c O l, Hydraul c C rcu t ······· 12
3.7 Sw tch Sett ng ·················································· 13
3.8 Stroke Control ················································· 13
3.9 Tr al Operat on ················································· 13
4. Ma ntenance and Inspect on
4.1 Check of Hydraul c O l ······································· 14
4.2 Overhaul and Parts L st ····································· 15
LIMITED WARRANTY ··············································· 17
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