Sanwa PC7000 User manual

PC7000
DIGITAL MULTIMETER
取扱説明書
INSTRUCTION MANUAL

目次
【1】 安全に関する項目※ご使用前に必ずお読みください。
1-1 警告マークなどの記号説明 ……………………… 1
1-2 安全使用のための警告文 ………………………… 2
1-3 最大過負荷保護入力値……………………………… 3
【2】用途と特長
2-1 用 途 ……………………………………………………… 4
2-2 特 長 ……………………………………………………… 4
【3】各部の名称
3-1 本体 ・ テストリード………………………………… 5
3-2 表 示 器 …………………………………………………… 7
【4】機能説明
4-1 電源兼ファンクションスイッチ………………… 8
4-2 オートパワーセーブ機能 ………………………… 8
4-3 電池消耗警告表示機能……………………………… 9
4-4 測定機能選択 ………………………………………… 9
4-5 500000 カ ウ ン ト 表 示 機 能 …………………………10
4-6 レンジホールド機能…………………………………11
4-7 データホールド機能 …………………………11
4-8 ブザー音解除 …………………………………………11
4 - 9 P C (パーソナルコンピュータ)インターフェース機能 ………12
4-10 テストリードプラグ誤挿入警告機能 …………13
4-11
キャプチャ(ピークホールド)機能
…13
4-12
最大値 / 最小値 / 平均値レコード機能
……13
4-13 相対値(リラティブ)測定機能 ……………14
4-14 バックライト機能……………………………………14
4-15 用 語 ………………………………………………………14
4-16 表示器メッセージ一覧………………………………15
【5】測定方法
5-1 始 業 点 検…………………………………………………16
5-2 可 変 周 波 数 駆 動 (VFD)
交流電圧 ( )/ 周 波 数 (Hz)測 定 …………………18
5-3 交流電圧 ( ),デシベル (dBm)/ 周波数 (Hz)測 定…21
5-4 直 流 電 圧 ( )/ 交流電圧 ( )/
直流 + 交流電圧( )測定…………………………24
5-5 直 流 電 圧 (m )/ 交流電圧 (m )/
直流 + 交流電圧(m )、
ロジック周波数 ( Hz)、デューティ比 ( D%)測 定…27
5-6 交流電圧 (m),デシベル (dBm)/ 周波数 (Hz) 測 定… 31
5-7 抵 抗 ( Ω)測定、導通チェック ( )、
コンダクタンス (nS)測 定 …………………………34
5-8 温 度 測 定…………………………………………………37
5-9 静電容量 ( )測定、ダイオード ( ) テスト…………39
5-10 直 流 電 流 (
)/ 交流電流 (
)/
直流 + 交流電流(
)、 %4
~
20mA、
交流電流 (
)/ 周 波 数 (Hz)測 定 …………………43
5-11 別売品による測定……………………………………52
【6】保守管理について
6-1 保 守 点 検…………………………………………………56
6-2 校 正 ………………………………………………………56
6-3 内蔵電池および内蔵ヒューズ交換 ……………57
6-4 保管について …………………………………………58
【7】アフターサービスについて
7-1 保証期間について……………………………………59
7-2 修理について …………………………………………59
7-3 お問い合わせ …………………………………………60
【8】 仕 様
8-1 一 般 仕 様…………………………………………………61
8-2 測定範囲および確度…………………………………63

-2--1-
以下の項目は、“やけど”や感電などの人身事故を防止するためのものです。本器
を使用される際には必ずお守りください。
1. 本体やテストリードに損傷がある場合は使用しないでください。
2. ヒューズは指定された形状、定格のものを使用してください。
指定以外のヒューズの使用やヒューズホルダを短絡しての使用は
しないでください。
3. 各ファンクションで定められた最大定格入力値 (1-3 参照 ) を超える電
圧、電流入力はおこなわないでください。
4. AC33Vrms(46.7Vpeak) または DC70V 以上の電圧を扱う場合は触れ
ると感電の恐れがあり人体に危険なため、注意してください。
5. 最大過負荷入力値を超える恐れがあるため、誘起電圧やサージ電圧が発生
する ( モータ等 ) ラインの測定は、おこなわないでください。
6. 本体ケースや電池蓋を開放した状態で使用しないでください。
7. 電池およびヒューズを交換する時は、本体からテストリードを外してくだ
さい。
8. 電池およびヒューズ交換を除く修理・改造はおこなわないでください。
9. テストリードは指定タイプのものを使用してください。
10. 測定中はテストプローブのつばよりテストピン側を持たないでください。
11. テストリードは最初に接地側 ( テストリード黒 ) を接続し、そのあと
通電側 ( テストリード赤 ) を接続してください。切り離すときは、最
初に通電側を離してください。
12. 測定前に必ずファンクション/レンジおよび測定端子の確認をおこ
なってください。
13. 測定中は他のファンクションやレンジへ切り換えやテストリードプラ
グを他の測定端子へ差し換えないでください。
14. 本器や手が水などで濡れた状態での使用はしないでください。
警 告
トランスや大電流路など強磁界が発生している近く、また無線機など強電界
が発生している近くでは正常な測定が出来ない場合があります。
注 意
1-2 安全使用のための警告文
【1】 安全に関する項目 ※ご使用前に必ずお読みください。
このたびはデジタル・マルチメータ PC7000 型をお買い上げいた
だき、誠にありがとうございます。ご使用前にはこの取扱説明書をよ
くお読みいただき、正しく安全にご使用ください。そして常にご覧い
ただけるように製品と一緒にして大切に保管してください。
本器を本書で指定していない方法で使用すると保護機能が損なわれ
る場合があります。
本文中の“ 警告”の記載事項は、やけどや感電などの事故防止の
ため、必ずお守りください。
1-1 警告マークなどの記号説明
本器および『取扱説明書』に使用されている記号と意味について
:安全に使用するための特に重要な事項を示します。
・警告文はやけどや感電などの人身事故を防止するためのものです。
・注意文は本器を壊すおそれのある取扱についての記述です。
:高電圧が印加されることがあり危険なため触らないでください。
:グランド :ダイオード Hz:ライン周波数
:ヒューズ :ブザー :ロジック周波数
: 直 流 (DC) :コンデンサ :デューティ比
: 交 流 (AC) :ナノ・ジーメンス(コンダクタンス)
:抵抗 :温度 :バックライト
:二重絶縁または強化絶縁

-4--3-
【2】用途と特長
2-1 用 途
本器は弱電回路の測定用に設計された、携帯用デジタル・マルチメー
タです。小型通信機器や家電製品、電灯線電圧や各種電池の測定な
どはもちろん、付加機能を使って回路分析などに威力を発揮します。
2-2 特 長
●国 際 規 格 IEC61010-1CAT. Ⅲ 600V、 CAT. Ⅱ 1000V に 準
拠、また電流測定端子には遮断容量が大きい FUSE を
使用した安全設計
●50000 カウントフルスケール表示
●500000 カウントフルスケール(DCV)
●99999 カウントフルスケール(Hz)
●速い応答速度(高速モード時:数字部 5 回 / 秒、バーグラ
フ60回/秒)
●「電圧や電流値とその周波数」や「電圧や電流の AC 成分と
DC 成分」など同時表示させるデュアル表示機能
●交流(AC)測定は真の実効値方式。(TrueRMS)
●DC+AC 表 示 も 可 能
●可変周波数駆動(VFD) 回路の測定に便利な LPF 内蔵
●デシベル測定に便利な dBm 表示機能
●DCV 測 定 の 最 小 分 解 能 0.001mV、 ACV は 0.01mV
●周波数 ( 複数の感度選択可能 )、幅広いコンデンサ容量測定
機 能 。(0.01nF ~ 25.00mF)
●オートレンジ対応のキャプチャ ( ピークホールド ) 機能。
( サンプリング時間 0.8ms)
●オートレンジ対応の最大値 / 最小値 / 平均値レコード機能。
●オートレンジ対応の相対値測定。
●暗い場所でも表示値が読み取れるバックライト機能。
●温度測定機能。
(K 型熱電対温度センサ対応:–50℃~ 1000℃)
●別 売 の ソ フ ト ウ ェ ア(PCLink7)と USB 光 通 信 ユ ニ ッ ト(KB-USB7)
を使用してパソコンに測定データを取り込むことが可能。
ファンクション 測定端子 最大定格入力値 最大過負荷保護入力値
「 」,「 」
「 」
と
COM
DC・AC1000V
1100Vrms
「
」
,
「
」DC・AC5V
「 」,「 」 電圧・電流
入力禁止
「 」 DC50mV
「
」
,
「
」
m AμA
と
COM
DC・AC500mA
電圧入力禁止
0.4A/1000VFuse*
遮断容量30kA
「 」と
COM
DC・AC10A
電圧入力禁止
11A/1000VFuse
遮断容量20kA
* この 0.4A ヒューズの、時間 - 電流特性曲線によれば、0.6A におい
ては永久的に溶断しませんが、1.5A を超える電流では、0.1 秒未満
の即断特性を持っています。
この保護特性は、本器に完全に適合するものです。
1-3 最大過負荷保護入力値

-6--5-
【3】各部の名称
3-1 本体 ・ テストリード
着脱式テストピンキャップ
装着時:CAT.III600V
未装着時:CAT.II1000V
・遮光マグネットキャップの外し方
・遮光マグネットキャップ使用例
注意:
マグネットキャップを携帯電話、アナログ時計、フロッピーディスク、
磁気カード、磁気テープ、乗車券等に近づけないでください。記憶内
容が破壊されるおそれがあります。
ホルスター
つば
プラグ
テストプローブ(赤)
テストプローブ(黒)
TL-23a
3
着脱式テストピンキャップ
テ ストピ ン
⇒
↑
↓
遮光マグネットキャップ
取り付け状態 左へ回して取り外す
遮光マグネットキャップは が壁面に
接触するように取り付けてください。
体
本
鉄など磁石がつく金属壁面
液晶表示部
レンジホールドボタン
(dBm-Ωボタン )
セレクトボタン
(バックライトボタン)
キャプチャボタン
リラティブボタン
(500000 ボタン )
最大値 / 最小値 / 平均値
レコードボタン
データ・ホールドボタン
電源兼
ファンクションスイッチ
A 測定端子
mAμA 測定端子
COM(共通)端子 測定端子

-8--7-
3-2 表 示 器 【4】機能説明
4-1 電源兼ファンクションスイッチ
このスイッチを回して電源の ON/OFF および各測定ファンク
ションを切り換えます。電源を ON すると約 1 秒間表示器が
全点灯し、その後、測定状態になります。
注意:
表示器の下にあるプッシュボタンは押している時間に
よって機能が変わります。本取扱説明書では、瞬間的に押
すことを“押す”、長く押すことを“1 秒以上押す”と表
記しています。
4-2 オートパワーセーブ機能
約 17 分間、何も操作をおこなわないとオートパワーセーブ
となり表示が全て消えます。オートパワーセーブ機能動作中
に、以下の動作が、おこなわれるとオートパワーセーブまで
の時間が延長されます。
1) ファンクションスイッチによる測定ファンクションの切り
換え、または押しボタン操作をおこなったとき。
2) ダイオードテスト、Ωファンクション、導通チェック時は
OL 表示以外のとき、またデューティ測定、周波数測定は
ゼロ表示以外のとき、温度測定ファンクション時は測定値
が表示されているとき、これら以外のファンクションでは
フルスケールの 9% 以上を表示しているとき。
また、以下の場合はオートパワーセーブ機能が自動的に解除
されます。
1) キャプチャ、最大値 / 最小値 / 平均値レコード機能を使
用しているとき。
2) パソコンへ測定データを転送しているとき。
4-2-1 オートパワーセーブからの復帰方法
SELECT、RANGE HOLD、△ REL、HOLD ボタンのいずれかを
押す、または、被測定物を一旦 DMM から離してファンクショ
ンスイッチを OFF にし、再度ファンクションスイッチを測
定対象設定に合わせ、被測定物を接続してください。
①
① メイン表示部
② メイン表示部 測定単位表示
③ メイン表示部 極性表示
④ アナログバーグラフ
⑤ サブ表示部
⑥ サブ表示部 測定単位表示
⑦ サブ表示部 極性表示
⑧ 電池消耗警告表示
⑨ オートレンジモード動作表示
⑩ レコード機能動作表示
⑪ データホールド動作表示
⑫ キャプチャ機能動作表示
⑬ 最大値表示、最小値表示、平均値表示
⑭ 直流測定動作表示
⑮ 交流測定動作表示
⑯ ローパスフィルタ動作表示
⑰ リラティブモード動作表示
⑱ 導通チェック機能動作表示
②
③④
⑤
⑥
⑧⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
⑮
⑯
⑰
⑱⑦⑮

-10--9-
4-2-2 オートパワーセーブ機能の解除方法
SELECT ボタンを押した状態でファンクションスイッ
チを回し、電源を入れてください。SELECT ボタンは
電源ON時の初期表示(LCD全点灯)から「dSAPO」
表示に切り替わったことを確認して離してください。
(「 dSAPO」表示がされれば、オートパワーセーブ機能
は解除されています。)その後、測定状態になります。
元に戻すには、一旦電源を切り、再び入れなおして
ください。
注意:
オートパワーセーブ状態でも 70 μA 程度の電流を消費
します。
また本体裏面の光通信ユニット接続部に、太陽光な
ど強い光が入ると消費電流が増加します。無駄な電
池消耗を防ぐために、PC インターフェース機能を使
用しないときは必ず付属の遮光キャップを取り付け
てください。長期間、本器を使用しないときは必ず
ファンクションスイッチを OFF にしてください。
4-3 電池消耗警告表示機能
内蔵電池が消耗し電池電圧が約 7V 以下になったとき、
表示器に が点灯します。点灯したときは新しい電
池と交換してください。
電池が消耗したまま使用し続けると、本器が誤動作す
る原因になり、表示器に「InErr」と表示されることが
あります。解除するには、新しい電池と交換してくだ
さい。
4-4 測定機能選択
ファンクションスイッチの各ポジションにおいて SELECT ボタン
を押す(⇒)と、以下のように測定ファンクションが切り換わります。
※デュアル表示時:[メイン表示 / サブ表示]
・
「
」
:[ /Hz ] ⇔ [ Hz/ ]
・
「
」
:[ /Hz ] ⇒ [ dBm/Hz ] ⇒ [ Hz/ ] ⇒ [ /Hz ] …
・
「 」
:[ ] ⇒ [ / ] ⇒ [ / ] ⇒ [ ] …
・
「 」
:[ m ] ⇒ [ m /m ] ⇒ [ m /m ] ⇒ [ ] ⇒ [ D%] ⇒
[ m ] …
・
「 」
:[ m /Hz ] ⇒ [ dBm/Hz ] ⇒ [ Hz/m ] ⇒ [ m /Hz ] …
・
「 」
:[ Ω ] ⇒ [ ] ⇒ [ nS ] ⇒ [ Ω ] …
・
「 」
:[ C ] ⇔ [ F ] (C は℃をFはoFを意味します。)
・
「 」
:[ ] ⇔ [ ]
・
「 」
:テストリードが 測定端子に接続されていない時
[ m
/% 4
~
20 mA ] ⇒ [ m
/ m
] ⇒ [
/m
] ⇒
[ m
/Hz ] ⇒ [ m
/% 4
~
20 mA ] …
テストリードが 測定端子に接続されている時
[
] ⇒ [
/
] ⇒ [
/
] ⇒ [
/Hz ] ⇒ [
] …
・
「 」
:[ μ
] ⇒ [ μ
/μ
] ⇒ [ μ
/
] ⇒ [ μ
/Hz ] ⇒ [ μ
] …
備考:
尚、各ポジションで選択した測定ファンクションは、電源を切っ
ても最後に選択したファンクションが保存されます。
4-5 500000 カ ウ ン ト 表 示 機 能
500000 (△ REL)ボタンを 1 秒以上押すと 500000 カウ
ントモードに切り替わります。このモードは、直流電
圧測定のシングル表示時のみ有効です。また、表示速
度は、1.25 回 / 秒になります。500000 (△ REL)ボタン
をもう一度 1 秒以上押すか、SELECT ボタンで他の表
示モード(デュアル表示など)に切り替えると、通常
表示モードに戻ります。

-12--11-
4-6 レンジホールド機能
RANGE HOLD ボタンを 1 回押すとマニュアルモードとなり、
そのときのレンジに固定されます。( が消灯しま
す。)マニュアルモードになると、このスイッチを押すたび
にレンジが順次切り換わりますので、表示器の単位と小数点
の位置を確認しながら適正レンジを選択してください。オー
トレンジに復帰させる場合は、このボタンを 1 秒以上押して
ください。
備考:
ライン周波数およびロジック周波数測定についてはマニュ
アルレンジへの切り換えは出来ません。
4-7 データホールド機能
HOLD ボタンを押すと、その時点の表示値を保持します。(表
示器に が点灯します。)測定入力が変化しても表示は変
化しません。再度このボタンを押すと、ホールド状態は解除
され測定状態に戻ります。( 表示器の は消灯します。)
備考:
ファンクションの切り換えや機能操作をおこなうとデータ
ホールドは解除されます。
4-8 ブザー音解除機能
RANGE HOLD ボタンを押した状態でファンクションス
イッチを回し、電源を入れてください。RANGE HOLD
ボタンは電源ON時の初期表示(LCD全点灯)から
「dSbEEP」表示に切り替わったことを確認して離して
ください。(「dSbEEP」表示がされれば、ブザー音は解
除されています。)その後、測定状態になります。
元に戻すには、一旦電源を切り、再び入れなおしてく
ださい。
備考:
導通チェック時およびプラグ誤挿入警告のブザー音は
解除出来ません。
4-9 PC(パーソナルコンピュータ)インターフェース機能
本体の背部には、データ通信のための光絶縁インターフェー
スポートを装備しております。別売の専用 USB 光通信ユニッ
ト(KB-USB7)および専用ソフトウェア(PCLink7)を使用す
ると、リアルタイムでの測定データや本体の内蔵メモリに保
存したデータをパソコンへ送信することが出来ます。詳細に
ついては、PC リンクソフト(PCLink7)のヘルプをご覧くだ
さい。
USB光通信ユニット(KB-USB7)
⇒
USB 光通信ユニット接続図
注意:
本体裏面の光通信ユニット接続部に、太陽光など強い光が
入ると消費電流が増加します。無駄な電池消耗を防ぐため
に、PC インターフェース機能を使用しないときは必ず付属
の遮光キャップを取り付けてください。

-14--13-
4-10 テストリードプラグ誤挿入警告機能
電流測定ファンクション以外の時に mAμA または 測定端
子にテストリードプラグが接続されると、不適切な接続で
あることを警告するために、表示器に「 InErr 」 と表示され、
ブザー音が鳴ります。
備考:
テストリードプラグが正常に接続されていても電池消耗
時には InErr 警告が出ることがあります。
4-11 キャプチャ(ピークホールド)測定機能
(サンプリング時間:0.8 ms)
電圧および電流測定ファンクション時に CAPTURE ボタンを押
すと、キャプチャ(ピークホールド)モードが作動し、0.8 ms 以
上の幅の信号を捉えることが出来ます。表示器には と
MAX が点灯します。MAX( 最大値 ) または MIN( 最小値 ) が更新さ
れる と、 ブ ザーが鳴 ります。 このボタンをさらに押す毎に、MAX (最
大 値 )、 MIN (最小値)を交互に表示することが出来ます。このボ
タンを 1 秒以上押すと、キャプチャモードを終了します。このモー
ドでは、自動レンジ切り換え(上昇方向)はそのままとなり、オー
トパワーセーブは、自動的に無効となります。
4-12 最大値 / 最小値 / 平均値レコード機能
REC ボタンを押すと、MAX/MIN/AVG 記録モードが作動し、表
示器に とMAX, MIN, AVG が点灯します。また、MAX( 最
大値 ) または MIN( 最小値 ) が更新されると、ブザーが鳴りま
す。さらにこのボタンを押すと、MAX(最大値)、MIN(最小値)、
AVG( 平均値 ) を順次表示することが出来ます。このボタンを
1 秒以上押すと、MAX/MIN/AVG 記録モードを終了します。こ
のモードでは、自動レンジ切り換えはそのまま動作しますが、
オートパワーセーブは、自動的に無効となります。
4-13 相対値(リラティブ)測定機能
REL ボタンを押すと表示器に が表示され、リラティブ測
定モードが作動します。このモードでは、本器にオフセット
を与え、ある基準値からの相対値を表示することができます。
REL ボタンを押した時点の測定値がその後の測定
値から差し引かれて表示されるようになります。この
モードを終了するには、再度 REL ボタンを押します。
この機能は MAX/MIN/AVG 記録モード作動中でも機能します。
この機能はメイン表示部のみ有効です。
4-14 バックライト機能
SELECT ボタンを 1 秒以上押すとバックライトが点灯しま
す。(約 15 秒後に自動消灯)
またバックライトを消灯させるときは再度 SELECT ボタン
を 1 秒以上押します。
4-15 用 語
アナログ・バーグラフ
アナログ・バーグラフの使用により従来のアナログメータ
指針と似た視覚表示ができます。
真の実効値 (True RMS)
真の実効値は、高調波を含んだ歪波形と同様、方形波、
鋸歯状波、三角波、パルス列、スパイクなどの波形に
関係なく、事実上の実効値に対して正確に応答するデ
ジタル・マルチメータ(DMM) を指す用語です。本器では、
この真の実効値検出(True-RMS)を採用しています。
クレストファクタ ( 波高率 )
CF( クレストファクタ ) は信号の波高値をその信号の実効
値で割った値で表されます。正弦波や三角波等最も一般的
な波形では相対的にクレストファクタは低くなっていま
す。また、デューティサイクルの低いパスル列に類似した
波形ではハイ・クレストファクタ係数となります。代表的
な各波形の電圧、クレストファクタは表を参考にしてくだ
さい。

-16--15-
各波形の電圧一覧
【5】測定方法
5-1 始業点検
1.本体およびテストリードが傷んでいたり壊れている場合は使
用しないでください。
2.テストリードおよびヒューズが切れていないことを確認して
ください。
警 告
・電源スイッチを ON したとき、電池消耗警告表示が点灯してい
ないことを確認してください。点灯している場合は新しい電
池と交換してください。
注 意
安全のため必ず始業点検をおこなってください。
(導通チェックによる点検)
4-16 表示器メッセージ一覧
表示器
メッセージ 説明 詳細と対処方法
「dSAPO」
オートパワーセーブ機能解除
4-2-2(9 ページ)参照
「dSbEEP」ブザー音機能解除
4-8(11 ページ)参照
「InErr」
テストリードプラグ誤挿入警告
(電池消耗時の誤動作)
4-10(13 ページ)参照
4-3(9 ページ)参照
「rE-O」自己診断 6-2(56 ページ)参照
「C_Er」

-18--17-
修理を依頼してください。
点検開始
本体とテストリードの外観
は破損していませんか?
①テストリードの赤プラグを 測定端子に、黒プラグを
COM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③ SELECT ボタンを押して導通チック( )を選択します。
④赤黒のテストピンをショートさせます。
Ω表示はしますか?
ブザーは鳴りますか?
点検終了です
表示しません。鳴りません。
表示します。鳴ります。
破損していません
破損しています
※表示器に何も表示が出ない場合は電池の全消耗が考えられます。
5-2
「 」
( 最 大 定 格 入 力 電 圧 :DC・AC 1000 V)
・可変周波数駆動 (VFD) 交流電圧 ( )/ 周 波 数 (Hz)
同時表示測定 ローパスフィルタ (LPF) 付き
警 告
1.最大定格入力電圧を超えた入力信号を加えないでください。
2.測定中はファンクションスイッチを切り換えないでください。
3.測定中はテストリードのつばよりテストピン側を持たないでく
ださい。
1)測定対象
・(交流電圧): インバータなど可変周波数駆動(VFD)
装置の(高調波を多く含む)出力電圧
や電灯線電圧などの正弦波交流電圧
・Hz (周波数): 上記回路等の周波数
2)測定レンジ
・:
5.0000V、 50.000V、 500.00V、 1000.0V の 4 レ ン ジ
・Hz: オ ー ト レ ン ジ 、 測 定 範 囲 10.00Hz ~ 440.0Hz
3)測定手順
①テストリードの赤プラグを VHz 測定端子に、黒
プラグを COM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③SELECT ボタンを押して希望する表示形式を選択
します。
④被測定物に赤黒のテストピンをそれぞれあてます。
⑤表示器の表示値を読み取ります。

-20--19-
備考:
・SELECT ボタンを押すことにより、表示形式が交互に
切り替わります。
・初期状態として、マニュアルの 500.00V レンジが設
定され、ほとんどの可変周波数駆動 (VFD) 回路の測
定に対応できますが、必要に応じて RENGE ボタンを
押すことにより、他のレンジ設定が可能です。なお、
このファンクションにおける電圧レンジ切り替えは、
マニュアルのみとなっています。
・Hz 入力の感度は、選択した電圧測定レンジに
よって自動的に変化します。5.0000Vレンジ
が、感度が最も高く、1000.0Vレンジでは、最も
低くなります。このLPF付き測定モードでは通
常、可変周波数駆動回路(VFD)の測定において
特に何もする必要はありませんが、RANGE HOLD
ボタンを押すことで、違うトリガーレベル(電
圧レンジ)を手動で選択することも出来ます。
Hz の読みが不安定になった場合は、高めの電圧レン
ジを選択し、電気的ノイズの影響を回避してくださ
い。表示がゼロの場合は、低い電圧レンジを選択し
てください。
レンジ 周波数測定(Hz)
最低入力感度(正弦波) 測定可能周波数範囲
AC5.0000V 0.5 ~ 2V
10.00Hz ~ 440.0HzAC50.000V 5 ~ 20V
AC500.00V 50 ~ 200V
AC1000.0V 500 ~ 1000V 10.00Hz ~ 200.0Hz
・[ Hz/]時にはバーグラフは表示されません。
・テストリード開放時に表示が変動する場合がありま
すが故障ではありません。
/ Hz Hz /

-22--21-
5-3
「 」
( 最 大 定 格 入 力 電 圧 :DC・AC 1000 V)
・ 交流電圧 ( ), デシベル (dBm)/ 周波数 (Hz) 同時表示測定
警 告
1.最大定格入力電圧を超えた入力信号を加えないでください。
2.測定中はファンクションスイッチを切り換えないでください。
3.測定中はテストリードのつばよりテストピン側を持たないでく
ださい。
1)測定対象
・(交流電圧): 電灯線電圧や低周波増幅器出力など
の正弦波交流電圧
・Hz (周波数): 上記回路等の周波数
2)測定レンジ
・:
5.0000V、 50.000V、 500.00V、 1000.0V の 4 レ ン ジ
・Hz:オートレンジ
3)測定手順
①テストリードの赤プラグを VHz 測定端子に、黒
プラグを COM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③SELECT ボタンを押して希望する表示形式を選択
します。
④被測定物に赤黒のテストピンをそれぞれあてます。
⑤表示器の表示値を読み取ります。 dBm 表示について:
・SELECT ボタンを押して ACV 測定から dBm 測定に切り換えた
とき、および、dBm 測定をした後に電源を切り、再び入れた時には、
基準インピーダンスを約 1 秒間表示した後、dBm 表示になります。
基準インピーダンスは dBm- Ωボタンを押すことによって下記
の中から選択することができます。4,8,16,32,50,75,93,110,
125,135,150,200,250,300,500,600,800,900,1000,1200Ω
/ HzHz /

-24--23-
レンジ 周波数測定(Hz)
最低入力感度(正弦波) 測定可能周波数範囲
AC5.0000V 0.5V 10.00Hz ~ 200.0kHz
AC50.000V 5V 10.00Hz ~ 100.0kHz
AC500.00V 50V 10.00Hz ~ 100.0kHz
AC1000.0V 500V 10.00Hz ~ 10.00kHz
・[ /Hz]時、バーグラフが表示されます。
・テストリード開放時に表示が変動する場合がありま
すが故障ではありません。
・このファンクションにおける周波数測定では、トリ
ガーレベルのマニュアル切り替えができません。
5-4
「 」
( 最 大 定 格 入 力 電 圧 :DC・AC 1000 V)
・直流電圧 ( ) 測 定
・直流電圧 ( )/ 交 流 電 圧 ( ) 同時表示測定
・ 直流 + 交流電圧 ( )/ 交 流 電 圧 ( ) 同時表示測定
警 告
1.最大定格入力電圧を超えた入力信号を加えないでください。
2.測定中はファンクションスイッチを切り換えないでください。
3.測定中はテストリードのつばよりテストピン側を持たないでく
ださい。
1)測定対象
・(直流電圧): 電池や直流回路の電圧
・/ (直流電圧成分 / 交流電圧成分)
・/ (直流と交流の重畳信号電圧 / 交流電圧成分)
2)測定レンジ
・、 / 、 / :
5.0000V、 50.000V、 500.00V、 1000.0V の 4 レンジ
・(500000 カウント表示モード時):
5.00000V、 50.0000V、 500.000V、 1000.00V の 4 レ ン ジ
3)測定手順
①テストリードの赤プラグを V測定端子に、黒プラグ
をCOM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③SELECT ボタンを押して希望する表示形式を選択し
ます。
④被測定物に赤黒のテストピンをそれぞれあてます。
⑤表示器の表示値を読み取ります。
RANGE
dBm dBm/Hz

-26--25-
備考:
・直流電圧測定のシングル表示時に、500000 ( △ REL) ボ
タンを 1 秒以上押すと 500000 カウント表示モードに
切り替わります。この時の表示速度は、1.25 回 / 秒
になります。500000 ( △ REL) ボタンをもう一度 1 秒
以上押すか、SELECT ボタンで他の表示モード(デュ
アル表示など)に切り替えると、通常表示モードに
戻ります。
・[ / ]、[ / ]時にはバーグラフは表示されません。
1Sec.
(500000 カウント ) /
/

-28--27-
警 告
1.最大定格入力電圧を超えた入力信号を加えないでください。
2.測定中はファンクションスイッチを切り換えないでください。
3.測定中はテストリードのつばよりテストピン側を持たないでく
ださい。
5-5
「 」
( 最 大 定 格 入 力 電 圧 :DC・AC10 V)
・直流電圧 ( m ) 測 定
・ 直 流 ( m )/ 交 流 電 圧 ( m ) 同時表示測定
・直流 + 交流電圧 ( m )/ 交 流 電 圧 ( m ) 同時表示測定
・ロジック周波数 ( ) 測 定
・デューティ比 ( D%) 測 定
1)測定対象
・m(直流電圧):500mV 以下の直流回路の電圧
・m/m(直流電圧成分 / 交流電圧成分)
・m/m(直流と交流の重畳信号電圧 / 交流電圧成分)
・(ロジックレベル周波数) :3V、5V ロジック回路の周波数
・D%(デューティ比): ロジック信号のデューティ比(方形波)
2)測定レンジ
・m , m /m , m /m : 500.00mV 固 定
m (500000 カウント表示モード時):500.000mV 固 定 レ ン ジ
・:
オ ー ト レ ン ジ 、 測 定 範 囲 方 形 波 5.000Hz ~ 1.0000MHz
・D%:0.1% ~ 99.9% ( 方 形 波 5Hz ~ 500kHz に て )
3)測定手順
①テストリードの赤プラグを VHz 測定端子に、黒プラ
グを COM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③SELECT ボタンを押して希望するファンクションを選
択します。
④被測定物に赤黒のテストピンをそれぞれあてます。
⑤表示器の表示値を読み取ります。
mm (500000 カウント)
1Sec.

-30--29-
備考:
・[m /m ]、[ m /m ]、 [ ]、[ D%] 時にはバーグ
ラフは表示されません。
m / m m / m D%

-32--31-
5-6
「 」
( 最 大 定 格 入 力 電 圧 :DC・AC 500 mV)
・ 交流電圧 ( m ), デシベル (dBm)/ 周波数 (Hz) 同時表示測定
警 告
1.最大定格入力電圧を超えた入力信号を加えないでください。
2.測定中はファンクションスイッチを切り換えないでください。
3.測定中はテストリードのつばよりテストピン側を持たないでく
ださい。
1)測定対象
・(交流電圧): 低周波増幅器出力などの正弦波交流
電圧
・Hz (周波数): 上記回路等の周波数
2)測定レンジ
・:500.00mV の 固 定 レ ン ジ
・Hz: オ ー ト レ ン ジ 、 測 定 範 囲10.00Hz ~ 200.0kHz
3)測定手順
①テストリードの赤プラグを VHz 測定端子に、黒
プラグを COM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③SELECT ボタンを押して希望する表示形式を選択
します。
④被測定物に赤黒のテストピンをそれぞれあてます。
⑤表示器の表示値を読み取ります。 dBm 表示について:
SELECT ボタンを押して ACV 測定から dBm 測定に切り換えたと
き、および、dBm 測定をした後に電源を切り、再び入れた時には、
基準インピーダンスを約 1 秒間表示した後、dBm 表示になります。
基準インピーダンスは dBm- Ωボタンを押すことによって下記の
中から選択することができます。4,8,16,32,50,75,93,110,125,
135,150,200,250,300,500,600,800,900,1000,1200Ω
Hz / m m / Hz

-34--33-
・[ m/Hz]時、バーグラフが表示されます。
・テストリード開放時に表示が変動する場合があります
が故障ではありません。
・このファンクションにおける周波数測定では、トリ
ガーレベルのマニュアル切り替えはできません。
備考:
レンジ 周波数測定(Hz)
最低入力感度(正弦波) 測定可能周波数範囲
AC500.00mV 100mV
10.00Hz ~ 200.0kHz
5-7
「 」
(電圧・電流入力禁止)
・抵抗 ( Ω ) 測定
・コンダクタンス (nS) 測定
・導通チェック ( )
測定端子には外部から電圧・電流を絶対に加えないでください。
警 告
高抵抗を測定する場合、外部誘導により表示が変動することがあります。
注 意
1)測定対象
・Ω(抵抗): 抵抗器や回路の抵抗
・(導通チェック): 配線の断線、導通確認、スイッ
チの動作確認など
・nS (コンダクタンス): 回路の漏れなど、ギガオーム
レベルの高抵抗
注:コンダクタンスは、抵抗値の逆数で、S=1/ Ωま
たは nS=1/G Ωで表されます。
2)測定レンジ
・Ω:500.00Ω 、 5.0000kΩ 、 50.000kΩ 、 500.00kΩ 、
5.0000MΩ 、 50.000MΩ の 6 レ ン ジ
・:ブザー閾値 20Ω ~ 200Ω、応答時間100μs 以下
・nS:99.99nS の 1 レ ン ジ
※測定端子間の開放電圧は DC1.3V 未満
500.00Ω レ ン ジ の み DC3V 未 満
dBm dBm/Hz
RANGE

-36--35-
3)測定手順
①テストリードの赤プラグを 測定端子に、黒プラグ
をCOM 端子に差し込みます。
②ファンクションスイッチを に設定します。
③SELECT ボタンを押して希望するファンクションを選
択します。
④被測定物に赤黒のテストピンをそれぞれあてます。
⑤表示器の表示値を読み取ります。
(:ブザーが鳴れば導通していることを示します。)
備考:
・[ nS]時にはバーグラフは表示されません。
・測定に際してノイズの影響を受ける場合は、被測定
物を COM 電位でシールドしてください。またテスト
ピンに指が触れて測定すると、人体の抵抗の影響を
受け誤差を生じます。
Ω
nS
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