Anest Iwata DPS-902E/EN User manual

取扱説明書
■ ペイントポンプ
ＤＰＳ-９０２Ｅ/ＥＮ
ＤＰＳ-９０４Ｅ/ＥＮ
ＤＰＳ-１２０２Ｂ/ＢＮ
ＤＰＳ-１２０４Ｂ/ＢＮ
この取 扱 説 明 書 は、安 全 にご使 用 いただくために重 要 な警 告 、注 意 事 項 及 び
取 扱 方 法 について記 載 しています。
ご使 用 前 に必 ずお読 みになり、十 分 に理 解 してからご使 用 ください。
また、本 書 はすぐに確 認 出 来 る場 所 に大 切 に保 管 してください。

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0
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■ 重要なお知らせ
・ この取扱説明書で扱われている製品は塗装専用の商品です。他の用途には使用しないでください。
・ 操作や機能を正しくご理解いただくため、この取扱説明書を必ずお読みになり、重要な警告、注意事項および
取扱方法について、十分に理解された方が使用してください。
・ 正しい方法にてご使用いただけない場合、死亡や重大な身体上の障害、火災や爆発が起こる可能性がありま
すので十分ご注意願います。
● 安全性について
・ 本取扱説明書で示す安全事項は、必要最低限のものであります。国や自治体の消防、電気、安全関
連の法規、規則、又それぞれの企業や事業所で規則･規定として守るべき事項に従ってください。
・ 本文中に次の警告・注意マークで示している箇所は、安全にお使い頂くため、特に重要です。
・ 絵表示、記号の意味は次のようになっています。
注意喚起の表示
警告 警告内容を怠った場合、人が死亡または重傷を負う可能性が想定される
ことを示します。
注意 注意内容を怠った場合、人が傷害を負う可能性、または物理的損害の発
生する可能性が想定されることを示します。
絵表示の例
この記号は『注意すべきこと』を意味しています。
この記号の中や近くに、具体的な注意内容を示します。（左の例は換気に注意）
この記号は『してはいけないこと』を意味しています。
記号の中や近くに、具体的な禁止内容を示します。（左の例は接触禁止）
この記号は『しなければならないこと』を意味しています。
この記号の中や近くに、具体的な指示内容を示します。
（左の例は保護マスクを着用せよ）
※警告、注意の表示を無視して使用した場合の損害、損傷については、当社では責任を負いかねますので、
御了承願います。
● 補足表示について
重要 この記号は機械の性能や機能を十分に発揮してお使いいただくため、守って
いただきたい内容を示しています。
ワンポイント この記号は使用にあたって役立つ知識、アドバイスなどを示しています。
● この商品の保証について
巻末に保証とサービスについての説明があります。良くお読みください。
この取扱説明書はすぐに確認できる場所に大切に保管してください。

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1
-
■目次
重要なお知らせ
１． 安全性について   ・・・・・・・・・・・・ ２
２． 現品確認   ・・・・・・・・・・・・ 4
３． 仕様    ・・・・・・・・・・・・ 5
４． 各部の名称   ・・・・・・・・・・・・ 5
５． 作業を始める前に  ・・・・・・・・・・・・ 6
６． 塗装の準備   ・・・・・・・・・・・・ 8
７． 塗装作業   ・・・・・・・・・・・ 10
８．  点検と整備   ・・・・・・・・・・・ 11
９．  故障と対策   ・・・・・・・・・・・・11
                                                    １０．  分解と組立   ・・・・・・・・・・・・13
                                                    １１．  構成部品  ・・・・・・・・・・・ 19
                                                    １２．  保証と修理サービス ・・・・・・・・・・・ 25

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2
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■１
．
安全性について
警告
保護具の着用
・作業中は、眼鏡、マスク及び手袋などの保護具を必ず着用してください。
 塗料や溶剤が目に入ったり、吸い込む危険性があります。
換気に注意
・換気の良い場所で使用してください。
 換気の不十分な狭い場所で使用すると、塗料や溶剤の飛散した揮発溶剤を吸い込み、
 有機溶剤中毒を起こすことがあります。
 作業中、身体に異常を感じたら、直ちに医師による治療を受けてください。
接触禁止
・塗料漏れが発生した場合、絶対に手などで押さえず、直ちにボールバルブ（エアー用）を
 閉じてポンプを停止し、ボールバルブ（ドレン用）を開いて、塗料圧力を『０ＭＰａ』にして
 ください。
装置の誤用による危険
・人や動物に向けてスプレーしたり、スプレーガンの空気キャップ先端に指を当てて、スプレー
 しないでください。
 目や口及び皮膚などから直接体内に塗料や溶剤が入った場合、非常に危険です。
 直ちに医師による治療を受けてください。
使用液体の制約
・食品用には使用しないでください。
 ポンプの部品は、食品用に適する材料を使用していませんので、部品からの異物混入による
 健康障害の危険があります。
火気禁止
・火気のある場所や火気の近くで絶対に使用しないでください。特に下記のものは着火源となる
 可能性があり、非常に危険です。
   ・タバコなどの裸火
   ・ストーブ、ランプ及びヒーターなどの電気用品
換気に注意
・換気の良い場所で使用してください。
 換気の不十分な狭い場所で使用すると、塗料や溶剤の飛散した揮発溶剤などに引火し、
 火災や爆発を起こす可能性があり、非常に危険です。
アースの接続
・ポンプ、スプレーガン、被塗物及び塗料や溶剤を入れる容器は、アースの接続を確実に行って
 ください。
 特に、ポンプ〜ガン間のアースの接続のため、当社指定のアース線入りウレタンエアーホース
 （ＥＡＨＵ形）の使用、又は単独でアースの接続を行ってください。
 アースが不十分ですと、静電気のスパークによる爆発や火災の危険性があります。

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3
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警告
破裂に注意
・ダイアフラムポンプは、最高使用塗料圧力以下で必ず使用してください。
 最高使用塗料圧力以上で使用すると、ポンプが破損し、非常に危険です。
・ホースを傷つけないため、半径５０ｍｍ以下に曲げたり、重いものを載せないでください。
 ホースが破損し、非常に危険です。
・ホースは、漏れや緩みのないように、確実に接続してください。
 作業中にホースが外れた場合、塗料の飛び跳ね、ホースの暴れによるけがなど重大な傷害をおよぼす
 可能性があります。
・下記のようなホースは絶対に使用しないでください。作業中にホースが破損する恐れがあり、
 非常に危険です。
  ・穴が開いている ・傷が付いている
  ・折れ曲がっている ・つぶれて変形している
重要
・製品の改造は、絶対にしないでください。
・部品を交換する場合は、当社純正部品を必ず使用してください。
 十分な性能が発揮できないばかりか、故障の原因となります。
・次のハロゲン化炭化水素系溶剤は使用しないでください。
 塩化メチル、塩化エチル、ジクロルメタン、１．２−ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエチレン、
 １．１．１−トリクロルエタン
 化学反応により、本体（アルミニウム部分）にクラック、溶解が発生します。
（特殊な塗料や溶剤などは十分適合性を検討した上でご使用ください。適合性検討のための材質リストを
 提出する用意があります）
・ポンプは雨、水のかかる場所に設置又は、保管しないでください。
ポンプの故障の原因となります。
・ポンプは塗料ミスト等のかからない場所に設置してください。
 塗料ミスト等が付着すると、ポンプの故障の原因となります。
・供給エアーは、ドライア及びフィルタ（５０ミクロンより細かい物）を通した、清浄なエアーを
 使用してください。
 清浄なエアーを使用しない場合、ポンプの故障の原因となります。
・ポンプは無給油にて使用できますが、ルブリケーターなどで給油しながら使用する場合は、下記のオイルを
 使用してください。
    潤滑油種類 タービン油 ＩＳＯ ＶＧ３２又はＶＧ４６
 マシン油、スピンドル油など指定以外のオイルを使用すると、ポンプの故障の原因となります。
・給油して使用したポンプは、無給油で使用しないでください。
 一度給油した場合、再度給油しないと、ポンプが故障する場合があります。

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4
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■２．現品確認
・ご注文の製品かどうか、確認してください。また、輸送中に変形や破損した箇所がないか、確認してくださ
い。
形式：DPS-902E/EN、-1202B/BN                 形式：DPS-904E/EN、-1204B/BN
品 名 個数 DPS-902E/EN、-1202B/BN DPS-904B/BN、-1204B/BN
DPS-902E/EN、-1202B/BN
吸上げパイプセット
DPS-904E/EN、-1204B/BN
吸込ホースセット
１
ドレンホースセット １
ドレンパイプガイド １
※ドレンホースセットに取付出荷となります。
補給口蓋セット  ―
六角棒スパナ
(平径 ５mm) １
注意カード １ 付属
取扱説明書 １ （本書です）
・付属品がすべてそろっているか、確認してください。
・欠品、輸送上の破損がある場合は、危険防止のため使用せず、お買い求めになった販売店、
又は当社支店・営業所・サービス会社までご連絡ください。
製品形式 製造年月記号
製品形式 製造年月記号

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5
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■３．仕様
項目 DPS-902E/EN DPS-904E/EN DPS-1202B/BN DPS-1204B/BN
 タイプ タンク式 壁掛け式 タンク式 壁掛け式
 全長×全幅×全高㎜ 307×325×687 356×269×449 307×325×729 356×269×491
 質量kg 6.0／8.0 5.3／7.2 7.0/10.5 6.0/9.5
 エアーホース供給口ねじ径 Ｇ１/４
 塗料吐出口 ねじ径口 Ｇ１/４
 塗料フィルタ ５０メッシュ １枚（吸込口）
 使用温度範囲 ５〜４０℃
１．ダイアフラムポンプ形式 ＤＤＰ−９０Ｅ／ＥＮ ＤＤＰ−１２０Ｂ／ＢＮ
使用空気圧力範囲 MPa  0.15〜0.7
最高使用塗料圧力 MPa  0.7
１ｻｲｸﾙ当り吐出量 mL/1ｻｲｸﾙ ５０ １５０
最大ｻｲｸﾙ数 ｻｲｸﾙ /min ２００
最大吐出量 L/min １０ ３０
２．塗料減圧弁形式 ＰＲ−５Ｂ／ＢＮ
 圧力調整範囲 MPa  0〜0.6
 最大流量 Ｌ/ｍｉｎ 2
所要ｺﾝﾌﾟﾚｯｻ(ﾎﾟﾝﾌﾟ作動用) 0.4〜0.75kW 0.4〜1.5kW
■４．各部の名称
ＤＰＳ−９０２Ｅ/ＥＮ―１２０２Ｂ/ＢＮ
ドレンパイプガイド
塗料減圧弁
ボールバルブ
(ｴｱｰ用)
ドレンホースセット
吸上げパイプセット
ダイアフラムポンプ
容器蓋セット
補給口蓋セット
ボールバルブ
(ﾄﾞﾚﾝ用)

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6
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ＤＰＳ−９０４Ｅ/ＥＮ −１２０４Ｂ/ＢＮ
■５．作業を始める前に
５-１. 設置と接続及び点検
警告
・ホースは、漏れや緩みのないように、確実に接続してください。
作業中にホースが外れた場合、塗料の飛び跳ね、ホースの暴れによるけがなど重大な傷害を及ぼす可能性が
あります。
・ポンプ、スプレーガン、被塗物及び塗料や溶剤を入れる容器は、アースの接続を確実に行ってください。
アースが不十分ですと、静電気のスパークによる爆発や火災の危険性があります。
重要
･ポンプは雨、水のかかる場所に設置又は、保管しないでください。
ポンプの故障の原因となります。
・供給エアーは、ドライア及びフィルタ（５０ミクロンより細かい物）を通した、清浄なエアーを使用してください。
ポンプの故障や作動不良の原因となります。
・ポンプは塗料ミスト等のかからない場所に設置してください。
塗料ミストが付着すると、ポンプの故障の原因となります。
・メタリック塗料や顔料の大きな塗料をご使用の場合は、塗料中間フィルタ（別売）を使用し、定期的に内部を洗浄
してください。
スプレーガンの詰まり、ブツの発生や塗料減圧の故障の原因となります。
塗料中間フィルタの選定
スプレーガンの詰まり、ブツなどの防止・・・TF-7（接続ジョイント1/4）：塗料減圧弁出口に設置
塗料減圧弁の保護（圧力計の針上り等がある場合）・・・TF-71(接続ジョイント3/8):ポンプ〜減圧弁間に設置
・ﾄﾞﾚﾝﾊﾟｲﾌﾟｶﾞｲﾄﾞの磁力を用いて、ﾄﾞﾚﾝﾎｰｽｾｯﾄを吸上ﾊﾟｲﾌﾟｽﾃｰ又は容器蓋セットに固定して、ﾄﾞﾚﾝﾎｰｽｾｯﾄの飛び出しを
予防してください。
ドレンパイプ
ガイド
ダイアフラムポンプ
塗料減圧弁
ステー
吸込ホースセット
ドレンホースセット
ボールバルブ
（ﾄﾞﾚﾝ用）
ボールバルブ
（ｴｱｰ用）

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7
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ＤＰＳ−９０２Ｅ/ＥＮ、−１２０２Ｂ/ＢＮ
手順１
吸込みパイプセットを本体にしっかりねじ込んでください。
各ホースの取付は、確実に行ってください。
ＤＰＳ−９０４Ｅ/ＥＮ、−１２０４Ｂ/ＢＮ
手順１
壁等にポンプを確実に固定してください。
各ホースの取付は、確実に行ってください。
５-２. 作動の確認
重要
・ポンプの空運転は、行わないでください。空運転はポンプ故障の原因となります。
ｽﾌﾟﾚｰｶﾞﾝの詰まり、ﾌﾞﾂ等
の防止
塗料減圧弁の保護
(圧力計の針上がり等が起こる場合)
TF-7を塗料減圧弁(PR-5B)
出口に設置
TF-71を塗料減圧弁(PR-5B)〜
ﾎﾟﾝﾌﾟ(DDP-90E､120B)間に設置
塗料中間フィルタのメッシュ・サイズ（TF-7､71共通）
標準装備 ＃100， オプション  ＃150・＃200 
TF-71
G3/8B
G3/8B
G1/4
TF-7
【ﾄﾞﾚﾝﾊﾟｲﾌﾟｶﾞｲﾄﾞ】の磁力を用
いてﾄﾞﾚﾝﾎｰｽｾｯﾄを「吸上ﾊﾟｲ
ﾌﾟｽﾃｰ」又は「容器蓋ｾｯﾄ」に
固定して、飛び出しを予防し
て下さい。
吸上パイプステー
ドレンパイプガイド
ドレンホースセット
容器蓋セット
DPS-902E/EN
-1202B/BN DPS-904E/EN
-1204B/BN
ｽﾌﾟﾚｰｶﾞﾝ
（別売）
塗料ﾎｰｽ
（別売）
ｴｱｰ
供給源へ接続
ｴｱｰ
供給源へ接続
ｴｱｰﾎｰｽ
（別売）
吸上げﾊﾟｲﾌﾟｾｯﾄ

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8
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■６．塗装の準備
６-１. ポンプの洗浄
注意
・ご購入後、初めてお使いになる場合、ポンプ内部を洗浄液（３〜４リットル）にて洗浄して下さい。
 洗浄せずに使用しますと、ポンプ内部の防錆剤により塗装不良が発生する可能性があります。
ワンポイント
・ポンプの洗浄は、スプレーガンの吹付エアーを止めて行うと洗浄液が飛散せず、スプレーガンから吐出
する洗浄液を確認しやすくなります。
６−１−１.ＤＰＳ−９０２Ｅ/ＥＮ、−１２０２Ｂ/ＢＮ
手順１ 
容器(別途ご用意ください)に洗浄液(3〜4 ﾘｯﾄﾙ)を入れて、ポン
プ全体を載せます。
手順２
ボールバルブ(ﾄﾞﾚﾝ用)を開きます。
手順３
ボールバルブ(ｴｱｰ用)を開けて、ポンプを作動します。
                                    手順４
塗料減圧弁のハンドルセットを高側へ締め込みます。
手順５
ドレンホースセットからエアー及び洗浄液がでてくるのを確認し
ます。 
手順６
ボールバルブ(ﾄﾞﾚﾝ用)閉じます。
手順７
スプレーガンの引金を引き、容器(別途ご用意ください)に洗浄
液を吐出します。
この時、洗浄液にエアーが混入しなくなるまで吐出します。 
手順８
スプレーガンから吐出する洗浄液がきれいになったら、ポンプ
全体を容器から持ち上げて、スプレーガンから洗浄液が出なく
なるまでポンプを作動してください。

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9
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６−１−２.ＤＰＳ−９０４Ｅ/ＥＮ、−１２０４Ｂ/ＢＮ
手順１
容器に(別途ご用意ください)に洗浄液(3〜4 ﾘｯﾄﾙ)を入れて、吸
込ホースセット及びドレンホースセットを入れます。 
手順２
ボールバルブ（ﾄﾞﾚﾝ用）を開けます。
手順３
ボールバルブ（ｴｱｰ用）を開けて、ポンプを作動させます。
手順４
塗料減圧弁のハンドルセットを高側へ締込みます。
手順５
ドレンホースセットからエアー及び洗浄液が出てくるのを確認し
ます。                                   
手順６
                                    ボールバルブ(ﾄﾞﾚﾝ用)閉じます。
手順７
スプレーガンの引金を引き、洗浄液にエアーが混入しなくなるま
で、吐出します。
手順８
スプレーガンから吐出する洗浄液がきれいになったら、吸込ホ
ースセットを容器から持上げて、スプレーガンから洗浄液が出な
くなるまでポンプを作動してください。

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■７．塗装作業
７−１. 作業の開始
７−１−１. ＤＰＳ−９０２Ｅ/ＥＮ、−１２０２Ｂ/ＢＮ
手順１
容器に塗料を入れて、ポンプ全体を載せます。
手順２
ボールバルブ（ﾄﾞﾚﾝ用）を開けます。
手順３
ボールバルブ（ｴｱｰ用）を開けて、ポンプを作動します。
手順４
塗料減圧弁のハンドルセットを高側へ締込みます。
手順５
ドレンホースセットからエアー及び塗料が出てくるのを確
認します。
手順６
ボールバルブ（ﾄﾞﾚﾝ用）を閉じます。
手順７
スプレーガンの引金を引き、塗料にエアーが混入しなく
なるまで、塗料を吐出します。この時、スプレーガンの吹
付エアーは止めてください。
手順８
塗料減圧弁及びスプレーガンを、塗装条件に適するよう
に調整し、吹付作業を行います。
７−２. 作業の中断と終了
７−２−１. 作業の中断
重要
・作業を３０分以上中断する場合は、ボールバルブ（エアー用）を閉じて、ポンプの作動を停止して、ボールバルブ
（ﾄﾞﾚﾝ用）を開けて、ポンプの内部の圧力を０MPaにしてください。
７−２−２. 作業の終了
手順１
ポンプの洗浄を行ってください。
（P7.6-1 ポンプの洗浄を参照してください。）
手順２
吸上げパイプセット、又は吸込ホースセットのろ過網を取り
外し、洗浄してください。

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■８．点検と整備
重要
次表の③項の処置は、お買いあげの販売店又はお近くの当社支店、営業所・サービス会社にご依頼ください。
正しい処置が行われない場合、十分な性能が発揮できなくなります。
・次表を参照して、点検と整備を行ってください。
No. 時 期 点検、整備内容
① 作業終了毎 ろ過網の点検、洗浄
② ５０〜１００時間毎 ポンプの洗浄
※顔料の多い塗料、沈殿しやすい塗料を使用している場合は、
５０時間毎に行ってください。
③ １０００時間（約１年間）毎 ポンプ全体のオーバーホール
※消耗部品の点検、交換を行ってください。
■９．故障と対策
重要
☆印の処置は、お買いあげの販売店又はお近くの当社支店、営業所・サービス会社にご依頼ください。
正しい処置が行われない場合、十分な性能が発揮できなくなります。
９−１. ダイアフラムポンプ
No. 現象 原因 対策
① ポンプが作動しない ①エアー操作バルブの排気穴の詰まり
(P13 参照)
①エアー操作バルブの排気穴を
点検、清掃する。
②供給エアーの圧力不足 ②エアー圧力を上げる
③塗料減圧弁の圧力設定が低い ③塗料減圧弁のハンドルセットを
高側へ締込み、圧力設定を上げる
④ボールバルブ(ｴｱｰ用)が閉じている ④ボールバルブ(ｴｱｰ用)を開ける
⑤ダイアフラムの破損 ⑤分解、点検、交換 ☆
⑥吸込弁、吐出弁の鋼球の固着 ⑥分解、点検、交換 ☆
② ポンプの作動が不安定
吐出量が少ない
①供給エアーの圧力不足 ①エアー圧力を上げる
②吸上げパイプセット又は吸込ホースセッ
トのろ過網の詰まり
②ろ過網を洗浄する。(P10 参照)
③ポンプ内部にエアーがたまっている ③ボールバルブ（ドレン用）を開けて、
充分循環させ、エアーを抜く
④エアー操作バルブの排気穴の詰まり
(P13 参照) 
④エアー操作バルブの排気穴を点検、
清掃する
⑤ポンプの凍結 ⑤ドライヤーにより除湿されたエアー
を供給する
⑥吸込弁、吐出弁のシート不良 ⑥分解、点検、交換 ☆
⑦ロッド各部の各パッキン及び本体の
オイレスベアリングの傷、摩耗
⑦分解、点検、交換 ☆
⑧ダイアフラムの破損 ⑧分解、点検、交換 ☆
⑨ポンプ内部の詰まり ⑨分解、点検、洗浄又は交換 ☆
⑩塗料減圧弁の故障 ⑩分解、点検、洗浄又は交換 ☆

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No. 現象 原因 対策
③ 塗料に気泡が入る ①吸込ホースセットの緩み ①締増しを行い、確実に接続する
②吸込ホースに穴が開いている ②ホースを交換する
③アダプター下の緩み ③締め増しを行う
④ダイアフラムの破損 ④分解、点検、交換 ☆
⑤ダイアフラム押え用ナットの緩み
 及び、Ｏリングの破損
⑤分解、点検、締付又は交換 ☆
⑥シート部パッキンの変形、破損 ⑥分解、点検、交換 ☆
④ 塗料が漏れる ①各部の取付不良 ①再組立を行う ☆
②シート部パッキンの変形、破損 ②分解、点検、交換 ☆
⑤ エアーが漏れる ①エアー操作バルブの取付不良 ①締め増しを行い、正しく取付ける
②蓋の取付不良 ②再組立を行う ☆
③ダイアフラムの取付不良 ③再組立を行う ☆
⑥ ポンプは作動するが塗料
が出ない
①吸込ホースセットのろ過網の詰まり ①ろ過網を洗浄する
②吸込ホースセットおよび吸込口セット
内部の詰まり
②分解、点検、洗浄又は交換 ☆
９−２. 塗料減圧弁
No. 現象 原因 対策
① 圧力計の 針が振りきれ
る
①シート部の当たり不良 ①分解、点検、交換 ☆
②シート部のキズ、破損 ②分解、点検、交換 ☆
③パッキンのキズ、破損 ③分解、点検、交換 ☆
② 外部に塗料が漏れる ①六角穴付きボルトの緩み ①締め増しを行い、正しく取付ける
②六角ナットの緩み ②締め増しを行い、正しく取付ける
③ダイアフラムの破損 ③分解、点検、交換 ☆
④Ｏリングの破損 ④分解、点検、交換 ☆
③ 圧力が上がらない ①ポンプの圧力が低い ①供給エアー圧力を上げる
②圧力計の故障 ②分解、点検、交換 ☆
③立上がりパイプ内部の塗料の詰まり ③分解、点検、交換 ☆
重要
･分解と組立は、必ずお買いあげの販売店又は、お近くの当社支店、営業所・サービス会社にご依頼ください。
正しい処置が行われない場合、十分な性能が発揮できなくなります。
･製品の改造は、絶対にしないでください。
･部品を交換する場合は、当社純正部品を必ず使用してください。
十分な性能が発揮できないばかりか、故障の原因となります。
・下記の手順に従って、分解を行ってください。また、組立は、原則として分解の逆の手順で行ってください。

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13
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■１０．分解と組立
１０−１. ダイアフラムポンプの取り外し方
１０−１−１. ＤＰＳ−９０２Ｅ/ＥＮ、−１２０２Ｂ/ＢＮ
手順１ドレンホースセットを取り外します。
手順２
塗料減圧弁を取り外します。
手順３
吸上げパイプセットを取り外します。
手順４
ポンプの下部にある座金組込みボルトＸ２個
を外し、ポンプを容器蓋セットから外します。
１０−１−２. ＤＰＳ−９０４Ｅ/ＥＮ、−１２０４Ｂ/ＢＮ
手順１
ドレンホースセットを外します。
手順２
吸込ホースセットを外します。
手順３
塗料減圧弁を外します
手順４
ステーとダイアフラムポンプを取付けている座金組込ボル
トｘ２個を外しステーを外します。
１０−２. ダイアフラムポンプの分解と組立
１０−２−１. ポンプ本体
重要
・各部品を取り付ける場合、六角穴付きボルトは対角線上の順番に、均等に締め付けてください。
  締付トルク アダプター 90Eｼﾘｰｽﾞ：7.5Ｎ・m  120Bｼﾘｰｽﾞ：9Ｎ・m
       蓋90Eｼﾘｰｽﾞ：10Ｎ・m  120Bｼﾘｰｽﾞ：15Ｎ・m
本体の上下方向とアダプター（上、下）は取付方向に注意してください。
手順１ ポンプ上部の座金組込六角穴付きボルト×４個を
外し、ダプター上セットを取り外します。
手順２ ポンプ下部の座金組込六角穴付きボルト×４個を
外し、アダプター下を取り外します。
手順３ 両側の蓋の座金組込六角穴付きボルト×１２個を
外し、蓋を取り外します。
ワンポイント
※印の、六角穴付プラグのねじ部、ジョイントのテーパー
ねじ部には接着剤を塗布してください。
【推奨接着剤】 中強度接着剤 ロックタイト#243
六角穴付ﾎﾞﾙﾄ
ｱﾀﾞﾌﾟﾀｰ上
ｱﾀﾞﾌﾟﾀｰ下
蓋
座金組込六角穴付ﾎﾞﾙﾄ
座金組込六角穴付ﾎﾞﾙﾄ
※六角穴付ﾌﾟﾗｸﾞ
※六角穴付ﾌﾟﾗｸﾞ
※六角穴付ﾌﾟﾗｸﾞ
※ｼﾞｮｲﾝﾄ
ﾃｰﾊﾟｰ
ねじ部
ね

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１０−２−２. エアー操作バルブ
重要
・エアー操作バルブの後面の小さな穴（４個）は排気穴ですので、
塗料や溶剤などを付着させないでください。
ポンプの故障の原因となります。
・エアー操作バルブの両サイドブロックの内部にはφ0.9
 の排気穴が開いていますので、ふさがないようにしてください。
排気穴がふさがると、ポンプの作動不良の原因となります。
・エアー操作バルブをオーバーホールする際は、下記のグリスをご用意ください。
【推奨グリス】出光興産製 ダフニーポリレックス NO.2
手順１六角穴付ボルト(M5)ｘ２個を外し、エアー操
作バルブ及びＯリングを取り外します。
手順２エアー操作バルブ側面の六角穴付きボルト
(M4)Ｘ４個を外し、両サイドのブロックを取
り外します。
手順３エアー操作バルブの中から次の部品を取り
外します
1-1 スプールパッキンx12ｹ
1-2 スプールｘ2ｹ
1-3 パッキン押しx4ｹ
1-4 ピストンセット(パッキン付き)x4ｹ
2 Ｏリング(S-8)x2ｹ、(S-4)x2ｹ
3 スペーサーx10ｹ
4-1 キャップ 右x1ｹ
4-2 キャップ 左x1ｹ
4-3 復帰ボタン x2ｹ
組立の際は、スプール、パッキン、ピストンセットの表面
にグリスを塗布してください。
【推奨グリス】
出光興産製 ダフニーポリレックス NO.2
排気穴
O ﾘﾝｸﾞ
六角穴付ﾎﾞﾙﾄ(M5)
六角穴付ﾎﾞﾙﾄ(M4)
ｴｱｰ操作ﾊﾞﾙﾌﾞ

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１０−２−３. ダイアフラム部
手順１
ダイアフラムの両側にある六角ナットを、両側から同時に
緩めます。
どちらか一方のナットが取り外せます。
手順２
六角ナットが外れた側の下記の部品を、ロッドから
順番に取り外します。
①ばね座金         Ｘ１個
②ダイアフラム押え外   Ｘ１個
③Ｏリング          Ｘ１個
④ダイアフラムセット   Ｘ１個
ダイアフラム（白色）
 ダイアフラム（黒色）
⑤ダイアフラム押え内  Ｘ１個
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ押え内
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ内（黒)
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ外（白)
O ﾘﾝｸﾞ
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ押え外
ばね座金
六角ﾅｯﾄ

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手順３
六角ナットの外れた側から、ロッドを押しながら、
六角ナットのはずれていない側のダイアフラムを
つかんで、本体からロッドを引き抜きます。
手順４
ロッドの中心部を押え、六角ナットを外し、下記の
部品をロッドより順番に取り外します。
①ばね座金         Ｘ１個
②ダイアフラム押え外   Ｘ１個
③Ｏﾘﾝｸﾞ           Ｘ１個
④ダイアフラムセット   Ｘ１個
   ダイアフラム（白色）
   ダイアフラム（黒色）
⑤ダイアフラム押え内  Ｘ１個
組立時は下記締付トルクで締付けてください。
90Eｼﾘｰｽﾞ ： 20Ｎ・m 
  120Bｼﾘｰｽﾞ ： 25Ｎ・m
１０−２−４. ロッド部
重要
・ロッドを傷つけたり、曲げたり、ごみなど異物を付着させないでください。
ポンプの故障の原因となります
・Ｙ形パッキンやＯリングをロッドに取り付ける場合、
必ずグリスを塗布し、取付方向に注意して取り付けて
ください。
また、ロッド表面にグリスを塗布してから組み立てて
ください。
【推奨グリス】MobilモービラックスEP2
・取り付ける際に、Ｙ形パッキンやＯリングに
キズを付けないよう注意してください。
正しく取付けられない場合、ポンプの故障の原因となります。
押す
本体
ロッド
Y 形パッキンは、リップが
外側に向かって開く向き
に取付けてください

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１０−２−５. 吸込弁、吐出弁部
重要
･吐出弁及び吐出弁を取り付ける場合、Ｏリングを必ず取り付けてください。
Ｏリングが正しく取り付けられていない場合、塗料洩れが発生します。
手順１
吸込弁を外す場合、蓋の塗料室側からマイナス
ドライバーなどで鋼球を押すと、鋼球と吸込弁
が同時に取り外せます。
手順２
吐出弁を外す場合、吐出弁の内部に指を入れ、
引き出します。
１０−３. 塗料減圧弁の分解と組立
ワンポイント
・塗料減圧弁の分解と組立は、ダイアフラムポンプから取り外して行ってください。
・本体〜立ち上げパイプから圧力計を分解した場合、各ねじ部シール剤を塗布し、機密性を保ってください。
圧力計に塗料が入りそれが固まって圧力計が作動不良になります。
１０−３−１. 分解                      
手順１
ﾊﾝﾄﾞﾙｾｯﾄを十分に緩めてから、六角穴付ﾎﾞﾙﾄを
外し、ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑｷｬｯﾌﾟ、ばね受け、調整ばね、
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ部を外します。
手順２
ｼﾞｬﾐﾅｯﾄを緩めてからｼﾞｮｲﾝﾄを外し、ﾊﾞﾙﾌﾞばね、
超硬ﾎﾞｰﾙ、超硬ｼｰﾄ、ﾊﾟｯｷﾝを外します。
手順３
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑﾎﾞﾙﾄの六角部を固定し、六角ﾅｯﾄを外し、
ばね座金、ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ押え、Ｏﾘﾝｸﾞ、ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ、
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ受けを外します。
手順４
ｼﾞｮｲﾝﾄに組込まれているＯﾘﾝｸﾞにｷｽﾞ、変形等が見ら
れた場合、Ｏﾘﾝｸﾞを交換します。

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１０−３−２. 組立
重要
・超硬シートは，テーパー側に超硬ボールが組まれるよう本体に取付けてください。その際，パッキンを
入れ忘れないように注意してください。
正しく組み立てられない場合，シート洩れによる圧力計の針上りが発生し十分な性能が発揮できません。
・本体にジョイントを取付ける場合，締付トルクに注意してください。
強く締め付けすぎると、本体側が破損する場合があります。
ジョイント締付トルク １４.７N・ｍ｛１５０kgf・ｃｍ｝
手順１
各部品にキズ、破損、異物の付着がないか確認します。
手順２
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑﾎﾞﾙﾄにﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ受け、ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ、Ｏﾘﾝｸﾞ、
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ押え、ばね座金を取付け六角ﾅｯﾄを締込み
ます。
手順３
手順２でセットしたﾀﾞｲｱﾌﾗﾑ部、調整ばね、ばね受け、
ﾀﾞｲｱﾌﾗﾑｷｬｯﾌﾟを本体にのせ、六角穴付ﾎﾞﾙﾄを対角
線上に均等に締め付けます。
六角ﾅｯﾄ締付トルク ９.８N・m｛100kgf・cm｝
手順４
ｼﾞｮｲﾝﾄにＯﾘﾝｸﾞを取付けます。
手順５
本体にﾊﾟｯｷﾝ、超硬ｼｰﾄを組込みます。
手順６
ｼﾞｮｲﾝﾄにﾊﾞﾙﾌﾞﾊﾞﾈ、超硬ﾎﾞｰﾙを組込んだ後、本体に
ジョイントを組込みます。
ｼﾞｮｲﾝﾄ締付トルク １４.７N.m ｛150kgf･cm｝
手順７
最後にｼﾞｮｲﾝﾄが緩まぬようｼﾞｬﾐﾅｯﾄを締付けます。