
D14 2 GRIGRI 2 D145010E (081112)
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(JP)日本語
この取扱説明書の文章は、必ず図と併せて読み、理解してください。
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いていないものだけ
が認められています。 最新の取扱説明書やその他の関連情報はウェブサイト
(www.alteria.co.jp)で参照できますので、定期的に確認してください。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2969-1717)にご相談ください。
1. 用途について
『グリグリ 2』は、CE(EN 892)もしくは/及びUIAAの認証を受けた直径8.9~11
mmのカーンマントル構造(芯+外皮)のダイナミックロープを使用するビレイ
デバイスです。直径9.4~10.2 mmのロープで最も操作しやすいようにデザイ
ンされています。.
prEN 15151-1 type 6: パニック防止機能が付いていない確保器及び懸垂下
降器具。
クライミングでは、1 人 のリードクライマーもしくはセカンドクライマー の ビレ イ
及びロワーリングに使用できます。
ユーザーは、本製品を使用する前に、ビレイの技術を身につけておく必要があります。
『グリグリ 2』はブレーキ補助機能を持ちますが、「クライマーの動きには常に注意を
払う」「末端側のロープから手を放さない」等のビレイの原則は守る必要があります。
警告
クライミング は 危 険 を 伴うス ポ ー ツで す。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこととします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- 高所での活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の傷害や死につながる場合があ
ります。
責任
警告:使用前に必ず、「用途について」の欄に記載された使用用途のトレーニン
グを受けてください。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいはそれらの人か
ら目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用してください。
ユーザーは各自の責任で適切な安全確保の技術を習得する必要があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、死亡に関して
もユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととします。 各自で責任がとれな
い場合や、その立場にない場合はこの製品を使用しないでください。
2. 各部の名称
(1) 可動サイドプレート (2) カム (3) 軸 (4) フリクションランナー (5) ハンドル (6)
固定サイドプレート (7) アタッチメントホール
主な素材:アルミニウム合金、ステンレススチール、ナイロン
3. 点検のポイント
毎回、使用前に以下の確認作業を行ってください:
製品に亀裂や変形、傷、腐食等がないことを確認してください。磨耗の状態を
確認してください。
カム及びハンドルの動きが妨げられないこと、スプリングや固定用のネジ、リベ
ット等に問題が無いことを確認してください。
カム及びフリクションランナーの状態を確認してください。
器具の内部に砂や小石等の異物が入っていなこと、ロープが通る箇所に潤滑
油等が付着していないことを確認してください。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウェブサイト
(www.petzl.com/ppe)を参照ください。
もしこの器具の状態に関する疑問があれば、(株)アルテリア(TEL:04-2969-
1717)にご相談ください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)に常に注意を
払い、状態を確認してください。 システムの各構成器具が正しくセットされてい
ることを確 認してください。
カラビナがメジャーアクシスに沿って加重されていることを確認してください。
ゲートがロックされていることを確認してください。
警告:異物によってカムの動きが妨げられないように注意してください。
4. 適合性
この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認してください
(併用できる = 相互の機能を妨げない)。
ロープ
使用できるロープ:CE EN 892 もしくは/及びUIAAの認証を受けた直径8.9~11
mmのカーンマントル構造(芯+外皮)のダイナミックロープ。 注意: ロープの直
径の公称値と実際の値は、最大で 0.2 mm の差があります。
警告: 新しいロープを使用する場合は、ブレーキの効きが弱くなることがあ
ります。
通常ブレーキの効きやロープの繰り出しやすさは、使用するロープの直径、状
態、磨耗の程度、外皮表面の処理等によって変わります。 普段使用しているロ
ープとは別のロープを使用する場合は特に注意し、実際にそのロープを『グリ
グリ 2』にセットしたときのビレイやロワーリングの操作感覚に慣れるように
してください。
ロープの太さと使用上の注意事項:
9.4≤∅≤10.3 mm:
本製品は直径がこの範囲のロープで最も操作しやすくなっています。
10.3<∅≤11 mm:
使い込んだロープや直径が太いロープを使用する際は、ロープを繰り出すた
めに「9B」の操作方法をより多く使用することが必要となる場合があります。
8.9≤∅<9.4 mm:
細いロープは握りにくいので、特に注意して使用する必要があります。 下降中
やフォールを止める際にコントロールが難しくなることがあります。 『グリグリ
2』で細いロープを使用するには、高い注意力とビレイや懸垂下降の十分な経
験が必要です。
使用する目的に合わせて適切な太さのロープを選択してください。
警告:使用するロープによっては滑りやすくなり、『グリグリ 2』のブレーキの効
きが悪くなる場合があります(新しいロープ、濡れているまたは凍っているロー
プ、泥が付いたロープ等)。
取り付け用 のカラビナ
必ず最新の規格に適合したロッキングカラビナを使用してください。
5. 機能の原理
フォールによってロープが引かれると、『グリグリ 2』がカラビナを軸に動き、カ
ムがロープを挟み込むことによりブレーキがかかります。 末端側のロープを
握ることにより、ブレーキ機能の働きが補助されます。末端側のロープから決
して手を放さないでください。 障害物によって器具の動きが妨げられないよ
うにしてください。 『グリグリ 2』及びそのカムの動きが妨げられないようにし
てください。
警告、死の危険:器具及びカムの動きが妨げられると、ブレーキ機能が正常に作動
しません。
6. 『グリグリ 2』のセット方法
サイドプレート及びカムに刻印された図に従ってロープをセットしてください。
可動サイドプレートを閉じ、2つのアタッチメントホールを通してカラビナをクリ
ップします。 ハーネスの取扱説明書に従って、ハーネスのビレイループにカラ
ビナをクリップします。 カラビナのゲートをロックします。
7. パートナー同士での安全確認
クライミングを行う際は、特に以下の点についてパートナー同士で確認し合う
習慣をつけましょう:
- ビレイシステムに連結されていること
- ロープが正しくハーネスに連結されていること
- 『グリグリ 2』に正しくロープがセットされていること
- ロープの長さがルートに適していること
- ロープの末端側にストッパーノットが結ばれていること
8. 機能の確認
毎回、使用前に、ロープが正しくセットされていること、器具が正しく機能するこ
とを確認してください。
末端側のロープを握った状態で、クライマー側のロープを素早く引いてくだ
さい。 このとき『グリグリ 2』によりロープにブレーキがかからなければなり
ません。
警告:ロープにブレーキがかからない場合、致命的な事故につながる危険があり
ます。
ロープが正しくセットされていることを確認してください。
9. ビレイ技術
『グリグリ 2』でビレイをする際は、以下の重要な原則を忘れないでください:
- 末端側のロープから絶対に手を放さない
- 手で器具を包むようにつかまない
- クライマ ー の動 きに 注 意をし、クリップ のタイミングに 備 える
ビレイ技術を身に付けるためには、適切なトレーニングが必要です。 この説明書はト
レーニングの代わりになるものではありません。
9A. ロープの繰り出し方
この方法が通常のビレイポジションです。この方法を習慣付けてください(図
参 照 )。
ビレイヤーは、片方の手で末端側のロープを握り、もう片方の手でクライマー
側のロープを握ります。
スムーズにロープを繰り出すためには、クライマー側のロープを引き出すこと
よりも、末端側のロープを押し込むことを意識してください。
この方法でできること:
- ロープを繰り出す、たぐる
- フォールを止める(「9D」参照)
リードクライマーがクリップする時に素早くロープを繰り出す必要がある場合
を除き、常にこのビレイポジションを維持してください。
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
9B. クライマーがクリップをする時に素早くロープを繰り出
す
クライマーがクリップするために素早くロープを繰り出す必要がある時に、通
常のビレイポジションでは対応が難しい場合があります。
対応法のひとつとして、単純にビレイヤーが壁側に動くという方法があります。
また、以下の方法もあります:末端側のロープを握ったまま、その手の人差し指
を可動サイドプレートのリップに押し付け、親指でカムを押さえます。
もう一方の手でロープを繰り出します。
ロープの繰り出しを終了したら、すぐに通常のビレイポジションに戻ってくだ
さ い 。
警告:この方法は必要な時のみ使うようにし、素早く行う必要があります。
この方法は、フォールを止める際にカムを押さえつけててしまい、ブレーキが作
動しなくなる危険があります。
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
親指でカムを押さえたままにしないでください。
9C. ロープをたぐる
クライマーがクリップをしたらすぐに通常のビレイポジションに戻り、ロープの
スラックをとります。
クライマーがクイックドローの位置に到達するまではロープをたぐります。その
後はまたロープを繰り出します。
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
9D. フォールを止める
墜落を止めるためには、末端側のロープをしっかりと握って下に引きます。
ダイナミックビレイについてのアドバイス:クライマーにかかる衝撃を緩和する
ため、引かれる方向に小さくジャンプするか、動いてください。
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
10. トップロープ
常にスラックをとるようにしてください。 両手を使い、ロープを操作してくださ
い。 末端側のロープから絶対に手を放さないでください。 フォールを止める方
法については「9D」をご参照ください。
末端側のロープから絶対に手を放さないでください。
11. トップロープでのロワーダウン
ビレイヤーはロープのスラックをとり、体重をあずけます。末端側のロープから
絶対に手を放さないでください。
クライマーがロープに体重をあずければ、ロワーダウンの準備は完了です。
ビレイヤーは、末端側のロープを握ったまま、ハンドルをゆっくりと引きます。
ハンドルの操作でブレーキの補助をすることはできますが、下降速度は末端側
のロ ープ の 握り具 合でコントロー ルします。
ロープの末端にストッパーノットを結ぶことを忘れないでください。 末端側のロ
ープから絶対に手を放さないでください。
ペツル『フレイノ』等のブレーキ用カラビナを使用して摩擦を増やすと、ロワー
ダウンのコントロールがしやすくなります。
12. 一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日から数えて最長
10年です。 金属製品には特に設けていません。
注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、その後使用不
可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利な角との接触、極端な高/低
温下での使用や保管、化学薬品との接触等)。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください:
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過した
- 大きな墜落を止めた、あるいは非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品との併用に
適さない等の理由で、使用には適さないと判断された
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃棄してください。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的にPPEに関する十分な知識を持つ人物に
よる綿密な点検を行う必要があります。 綿密な点検を行う頻度は、使用の頻度
と程度、目的により異なります。また、法令による規定がある場合はそれに従わ
なければなりません。 ペツルは、少なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うこ
とをお勧めします。
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いているタグを切り
取ったり、マーキングを消したりしないでください。
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販売元の名前と連
絡先、製造番号、認識番号、製造日、購入日、初めて使用した時の日付、次回点検
予定日、注意点、コメント、点検者及びユーザーの名前と署名。
詳しい点検記録の見本はwww.petzl.com/ppeをご参照ください。
持ち運びと保 管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管してください。
必要に応じて洗浄し、直射日光を避けて乾燥させてください。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ交換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。 以下の場合
は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造や改変、不適切な保管
方法、メンテナンスの不足、事故または過失による損傷、不適切または誤った
使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製品の使用か
ら生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他のいかなる損害に対し、一
切の責任を負いかねます。
ここに記載した内容はすべてを網羅するものではありません。
『グリグリ』の動画を含め、その他の情報は www.petzl.com でご確認いた
だけます。
トレーサビリティとマーキング
a. この個人保護用具の製造を監査する公認機関
b. CE適合評価試験公認機関
c. トレーサビリティ:データマトリクスコード = 製品番号 + 個別番号
d. 直径
e. 個別番号
f. 製造年
g. 製造日
h. 検査担当
i. 識別番号
j.規格
k.取扱説明書をよく読んでください