Hioki 3417 User manual

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1106
この取扱説明書は再生紙を使用しています。
3417
放射温度ハイテスタ
TEMPERATURE HiTESTER
1997年8月 発行 改訂1版
取扱説明書
Instruction Manual
August 1997 Revised edition 1 3417A980-01 97-08H

目次 1
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目 次
はじめに 1
安全について 1
点検 3
ご使用にあたっての注意 4
第1章 各部の名称と機能 7
第2章 測定方法 11
2.1 測定方法 11
2.2 ε（放射率）の設定 13
2.3 τ（時定数）の設定 16
2.4 MAX/MIN（最大値/最小値）の表示 18
2.5 アナログ出力 19
2.6 ℃/°Ｆ表示切り換え 20
2.7 オートパワーオフ機能 20
2.8 測定視野と照準 21
第3章 保守・サービス 23
3.1 電池交換 25
3.2 AC アダプタ 27
3.3 修理に出す前に 27
第4章 製品概要 29
4.1 測定のアドバイス 30
4.2 一般仕様 31

目次 2
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1
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警告
この測定器は、測定方法を間違えると人身事故や
機器の故障につながる可能性があります。取扱説
明書を熟読し、十分に内容を理解してから操作し
てください。万一事故があっても、弊社製品が原因
である場合以外は責任を負いかねます。
・使用者は、機器上に表示されている マークの
所について、取扱説明書の マークの該当箇所
を参照し、機器の操作をしてください。
・使用者は、この取扱説明書の中の マークのあ
るところは必ず説明を読み、注意する必要があ
ることを示します。
マ ークはレーザーに対する警告記号を示しま
す。
はじめに
安全について
このたびは、HIOKI ３４１７放射温度ハイテスタ をご選
定いただき、誠にありがとうございます。この製品を十分に
活用いただき、末長くご使用いただくためにも、取扱説明書
はていねいに扱い、いつも手元に置いてご使用ください。
この取扱説明書には本器を安全に操作し、安全な状態に保つ
のに要する情報や注意事項が記載されています。本器を使用
する前に下記の安全に関する事項をよくお読みください。
○安全記号

2
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危険 操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷
につながる危険性が極めて高いことを意味しま
す。
警告 操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷
につながる可能性があることを意味します。
注意 操作や取扱いを誤ると、使用者が傷害を負う場合、
または機器を損傷する可能性があることを意味し
ます。
注記 製品性能および操作上でのアドバイス的なことを
意味します。
本取扱説明書の注意事項には重要度に応じて以下の表記をし
ています。
○確度について
・rdg.（読み値、表示値、指示値）
現在測定中の値、測定器が現在指示している値を表します。
・dgt.（分解能）
ディジタル測定器における最小表示単位、つまり最小桁の"1"
を表します。
○使用前の確認
・使用前には、過酷な保存や輸送による故障がないか、点検と
動作確認をしてから使用してください。故障を確認した場合
は、お買上店（代理店）か最寄りの営業所にご連絡ください。
○輸送上の注意
本器を輸送する場合は、最初にお届けした梱包材料をご使用
ください。

3
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点検
本器がお手元に届きましたら、輸送中において異常または破
損がないか点検してからご使用ください。特に液晶表示部や
操作キー、レンズに注意してください。
万一、破損あるいは仕様どおり動作しない場合は、お買上店
（代理店）か最寄りの営業所にご連絡ください。
○付属品
取扱説明書
携帯用ケース
ツインビームマーカ
単3乾電池（R6P）×6
（本体用 4本，ツインビームマーカ用 2本）

4
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危険
・ここに規定した以外の手順による操作は、危険
なレーザ放射の被爆をもたらします。
・本製品のツインビームマーカは、光源として可
視光半導体レーザを使用しており、JIS 規格（JIS
C6802）のクラス 2に相当します。（波長 670
nm、最大出力 1mW）
・このレーザ光は目に障害を与える危険がありま
すので、レーザ光が直接目に入らないように注
意してください。
・光学機器で、直接レーザ光を見ないでください。
・鏡面状の物体を測定する場合には、その反射光
が目に入らないように注意してください。
・レーザ光が爆発性のガスに触れないようにして
ください
警告 ・本器をぬらしたり、ぬれた手で測定すると感電
事故になるので注意してください。
ご使用にあたっての注意

5
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―――――――――――――――――――――――
注意
・本器の使用環境および設置場所は使用温湿度範
囲0〜40 ℃、35〜80% RH 以下の屋内です。直
射日光、ほこり、腐食性ガスのある場所では使用
しないでください。
・本器を落としたり、強い衝撃を与えたりしない
でください。
・直射日光や高温、多湿、結露するような環境下で
の、保存や使用はしないでください。変形、絶縁
劣化を起こし、仕様を満足しなくなります。
・本器は防水、防塵構造となっていません。埃の多
い環境や水のかかる環境下で使用しないでくだ
さい。
・強力な電磁波を発生するもの、または帯電して
いるものの近くで使用しないでください。誤動
作の原因となります。
・腐食性ガスや爆発性ガスが発生する場所では使
用しないでください。本器の破損もしくは、爆発
事故を誘発する可能性があります。
・本器の損傷を防ぐため、運搬および取扱いの際
は振動、衝撃を避けてください。特に、落下など
による衝撃に注意してください。本器を破損し
ます。
・レンズを太陽光などの強い光に向けないでくだ
さい。センサを破壊する恐れがあります。
・硬いものでレンズに触れたり、受光部に異物を
いれないでください。
・POWER マーク点滅時は、電池が消耗していま
す。新しい電池と交換してください。
・測定対象物に接触させないでください。
・帯電しているものに近付けないでください。

6
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―――――――――――――――――――――――
注意
・ツインビームマーカの分解は絶対に行わないで
ください。本器は分解時にレーザー放射を自動
的に停止する機能を備えていません。
・ツインビームマーカは取扱説明書に記載されて
いる操作方法以外の使用をしないでください。
レーザー光により被害を受ける恐れがあり危険
です。
・プローブは測定対象物から少なくとも20 mm以
上離して測定してください。

7
――――――――――――――――――――――――――
第1章 各部の名称と機能
―――――――――――――――――――――――
電池ボックス（裏面）
液晶表示部
本体
操作キー
A
Cアダプタ用
ジャック
アナログ出力
端子
プローブ用
コネクタ
プローブケーブル プロー
ブ
第1章 各部の名称と機
能

8
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第1章 各部の名称と機能
―――――――――――――――――――――――
O
VER
測定温度範囲を超えると点滅し
ま
す。表示温度範囲を超えると測定
値も点滅します。
液晶表示部
P
OWER 状態表示
放射率
時定数
オートパワーオ
フ
O
N/HOLD キー
O
FF キー
H
OLD 状態表示
摂氏
華氏
最大温度表示
最小温度表示
D
ISPLAY キー
△：▽キー
C
LEAR キー
表示／操作部

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第1章 各部の名称と機能
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○キーの働き
・ON/HOLD キー
電源を ON します。電源が入っている状態では、測定値をホ
ールドします。再度押すことによりホールドは解除されます。
・OFF キー
電源を OFF します。
・UP キー
設定値が増加します。
・DOWN キー
設定値が減少します。
・DISPLAY キー
表示部の表示モードを切り換えます。表示は、次の順で切り
換わります。
ε→τ→最大値→最小値→表示なし
・CLEAR キー
最大値/最小値をクリアします。
○プローブケーブルの接続
プローブケーブルのコネクタの▲マークを
下側にして、まっすぐ差し込んでください。
○プローブの取り付け
プローブ左側にある溝の下端を本体右側にあるス
ライド機構の上端に合わせます。
カチリという音が2度するまでプローブをゆっく
りと手前に引いてください。

10
――――――――――――――――――――――――――
第1章 各部の名称と機能
―――――――――――――――――――――――
ツインビームマー
カ
レーザ照射スイッチ
プロー
ブ
○プローブの取り外し
プローブはスライド機構になっています。図のよ
うにプローブをスライドさせて取り外してくださ
い。
○ツインビームマーカの取り付け
プローブ部をツインビームマーカの開口部に挿入し、プロー
ブの先端があたるまでさし込みます。

11
――――――――――――――――――――――――――
第2章 測定方法
―――――――――――――――――――――――
第2章 測定方
法
2
.1 測定方法
1. 電源オン
ON/HOLD キーを押すと電源が入ります。
2. 測定開始
測定対象物にプローブを向けます。本体表示部に温度が表
示されます。
（ツインビームマーカのレーザー照射スイッチを押すと 2
本のレーザー光が照射され、測定視野の照準がわかります）
3. 測定終了
OFF キーを押して電源を切ります。
○ツインビームマーカの使用方法
ツインビームマーカはレーザー光によるポイントマーカ式の
プローブアダプタです。このユニットを使用することによっ
て、測定対象物を的確にとらえることができ、正確なポイン
トの温度測定が可能です。
レーザー光は2点照射します。2点のレーザーマークは、プロ
ーブの 1m先でクロスし、測定対象物との安全な距離が確認
できます。

12
――――――――――――――――――――――――――
第2章 測定方法
―――――――――――――――――――――――
危険
・本製品のツインビームマーカは、光源として可
視光半導体レーザを使用しており、JIS 規格（JIS
C6802）のクラス 2に相当します。（波長 670
nm、最大出力 1mW）
・このレーザー光は目に障害を与える危険があり
ますので、レーザー光が直接目に入らないよう
に注意してください。
・プローブは導電性樹脂でできています。高電圧
の部分には絶対に接触させないでください。
注意
プローブは測定対象物から少なくとも20 mm以上
離して測定してください。
2
0mm以上

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第2章 測定方法
―――――――――――――――――――――――
εの初期値 設定範囲 設定分解能
1.00 0.10〜1.00 0.01
2
.2 ε（放射率）の設定
物体はそれぞれ固有の放射率を持っています。正しい温度を
求めるため、放射率を測定対象物の値に設定してください。
設定値は電源を切った状態でも、電池でバックアップされて
います。
1. ε（放射率）を表示する
DISPLAY キーを押して、εの表示にします。
2. ε（放射率）を設定する
UP キーまたは、DOWN キーを押し、測定対象物の放射率
に設定します。

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第2章 測定方法
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品名 放射率 品名 放射率
アスファルト 0.90〜0.98 木炭(粉) 0.96
コンクリート 0.94 塗装ラッカー 0.80〜0.95
セメント 0.96 塗装ラッカー
(艶消し黒)0.97
砂0.90 ゴム(黒) 0.94
土0.92〜0.96 プラスチック 0.85
水0.92〜0.96 材木 0.90
氷0.96〜0.98 紙0.70〜0.94
雪0.83 Al 酸化物 0.76
ガラス 0.90〜0.95 Cr 酸化物 0.81
セラミック 0.90〜0.94 Cu 酸化物 0.78
大理石 0.94 Fe 酸化物 0.78〜0.82
ほたる石 0.30〜0.40 Ni 酸化物 0.90
石膏 0.80〜0.90 Ti 酸化物 0.40〜0.60
しっくい 0.89〜0.91 Zn 酸化物 0.11〜0.28
れんが(赤色) 0.93〜0.96 真鍮酸化物 0.56〜0.64
繊維 0.90 青銅凹凸面 0.55
布(黒色) 0.98 圧延ｽﾃﾝﾚｽ鋼 0.45
人の皮膚 0.98 赤くさびた鉄 0.69
なめし皮 0.75〜0.80
ε（放射率）の例

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――――――――――――――――――――――――――
第2章 測定方法
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注記 放射率（ε）は測定対象物の表面の状態や色により多少
異なります。温度を正確に測定したい場合や、放射率の
わからないものの温度を測定したいときは、別売りの黒
体テープ、黒体スプレーを使用してください。（εは黒体
テープ、黒体スプレーに示されている値に設定してくだ
さい）
○ε（放射率）の求め方
測定対象物の放射率が不明である場合、別売の黒体テープま
たは、黒体スプレーを用いて求めることができます。
手順
1. 測定対象物に黒体テープを貼るか、黒体スプレーを吹き付
けます。
2. 適度に加熱（室温＋20 ℃以上）して、できる限り一定温度
に保ちます。
3. εを黒体テープ（黒体スプレー）に示されている値に設定
します。（τは 0.0 にします）
4. 黒体テープ（黒体スプレー）のついている部分の温度
（Treal）を測定し、メモします。
5. 黒体テープ（黒体スプレー）のついていない部分の温度を
測定し、ON/HOLD キーを押して測定値をホールドしま
す。
6. UP, DOWNキーを押して、メモしておいたTrealの値にな
るまでεの値を変化させます。この時のεの値が、測定対
象物の放射率になります。

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第2章 測定方法
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τの初期値 設定範囲 設定分解能
0.0 0.0〜100.0 0.5
最終値の 63%になるまで τ（秒）
最終値の 90%になるまで 2.3×τ（秒）
最終値の 99%になるまで 4.6×τ（秒）
2
.3 τ（時定数）の設定
測定対象物の温度変化が激しい場合は、スムージング機能を
使ってその温度変化を平滑化し、読みやすくすることができ
ます。設定値は電源を切った状態でも、電池でバックアップ
されています。
1.τ（時定数）を表示する
DISPLAY キーを押して、τの表示にします。
2.τ（時定数）を設定する
UP キーまたは、DOWN キーを押し、必要な値に設定しま
す。
τ（時定数）の設定によるスムージング処理について
・スムージング処理をすることにより、測定対象の温度ゆらぎ
等による指示値のふらつきを少なくすることができます。
・τ（時定数）を大きくするほど、指示値のふらつきは小さく
なりますが、応答速度は遅くなります。
時定数をτ（秒）とするとスムージング処理により、以下の
時間がかかります。
・実際の本器の応答速度は、スムージング処理前の応答速度に
スムージング処理による応答の遅れが加わったものになりま
す。